あの丘に佇む電話線の繋がってない<風の電話>に、今日もまた人々が訪れる。
本作は、岩手県大槌町に実在する<風の電話>をモチーフに映画化。広島から故郷の大槌町へと旅する主人公ハルを、唯一無二の個性を放つ注目の女優モトーラ世理奈が演じ、西島秀俊、西田敏行、三浦友和ら日本を代表する名優たちが、彼女の熱演を温かく包みこみ、珠玉の感動作が誕生しました。 この度、本作の第70回ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門への正式招待を受け |
|
第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門に出品されている『風の電話』のプレミア上映が、2月23日20時(日本時間2月24日6時)に会場となるUrania theaterにて行われた。800席を超える会場は満席の大盛況となり、ジェネレーション部門らしく10代を含めた幅広い年代の観客が集まった。
上映が終了すると、観客からは3分間を超える拍手喝采で、上映後に登壇した諏訪敦彦監督、モトーラ世理奈、渡辺真起子はベルリンの映画ファンから熱い歓迎を受け、上映後に行われたティーチインでは、質問に対する回答の一つ一つに盛大な拍手や、ときには笑いが巻き起こるとても温かい雰囲気の場となった。 Q&Aの内容は、以下の通り――― Q:ストーリーはどのように作り上げたのですか? Q:ハルの旅についてどのように感じていますか? Q:映画の中でも描かれたクルド人の入管問題について Q:この映画を撮る中で、どのような影響がありましたか? モトーラ:私は2011年には12歳で小学校に行っていて、その時は何か大変ことが起きたと感じていても、私自身は何かをなくしたわけでもなくて、遠くで起きていることと思っていました。でも、私は20歳になって、この映画の撮影で初めて被災地に行ったとき、自分は12歳の時からすごく変わったけど、被災地は何も変わっていなくて、そのことが衝撃的でした。私の年代は、震災があったことをしっかり覚えている年齢だけど、学校とか勉強とか友達のこととかで自分のことに精一杯で、今まで震災に対して意識することができていなかったと気づいて、今私たちの世代がそのことに気づくことが大事だと思いました。この映画で、私たちの世代にもそのことが伝わってほしいと思うようになり、それが撮影で日本中を旅することで感じたことでした。 ※ジェネレーション部門とは、「Generation 14plus」と「Generation Kplus」という2つのコンペで構成されており、発掘作品や若者が出演する作品を対象としたもの。ベルリン国際映画祭では本作の選出理由を「主人公の若い女性の視点から、まだ過去とは言えない日本社会のトラウマとその風景を幅広いキャラクターとストーリーで、繊細かつエモーショナルに描いたロードムービーです。これは、映画がだからできる素晴らしい作品だと思っています。このことを、我々は、ぜひベルリンで称えたい」と述べている。諏訪監督作品で、同部門の選出は、2009年の『ユキとニナ』以来2度目となる。 |
|
『風の電話』 全国公開中 <ストーリー> |
ブロードメディア・スタジオ
(C) 2020映画「風の電話」製作委員会
出演:モトーラ世理奈 西島秀俊 西田敏行(特別出演) 三浦友和
渡辺真起子 山本未來 占部房子 池津祥子 石橋けい 篠原 篤 別府康子
監督:諏訪敦彦 脚本:狗飼恭子・諏訪敦彦 音楽:世武裕子
制作プロダクション:ジャングルドラ
制作・配給:ブロードメディア・スタジオ
配給協力:イオンエンターテイメント
©2020 映画「風の電話」製作委員会 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) |独立行政法人日本芸術文化振興会