映画情報どっとこむ ralph 早見和真の同名小説を新鋭・廣原暁監督が大胆に映画化した『ポンチョに夜明けの風はらませて』が10/28(土)より新宿武蔵野館にて公開となります。

将来に希望を見出せないまま、ただ何となく日々を過ごしていた高校生3人組のハチャメチャな“高校最後の旅”を描く青春ロードムービーです。

新宿武蔵野館では本作の公開を記念して、廣原暁監督作品を1週間限定で一挙上映。イベント当日は、海外の映画祭、そして黒沢清監督が絶賛した『世界グッドモーニング!!』が上映されました。

『ポンチョに夜明けの風はらませて』公開の2週間後には、冨永昌敬監督『南瓜とマヨネーズ』の公開が控え、日本映画界を支える実力派若手俳優である太賀さんの出演作品がこの秋、新宿武蔵野館で同時期に上映となります。また、廣原監督、冨永監督共に、大学の卒業制作作品が海外の映画祭で受賞し注目を浴びるなど、共通点も多いことから、太賀×廣原監督×冨永監督によるトークイベントが行われました。

日時:10月25日(水)
場所:新宿武蔵野館
登壇:太賀、廣原暁監督、冨永昌敬監督

映画情報どっとこむ ralph 廣原監督作品について

冨永監督:廣原監督の卒業制作作品『世界グッドモーニング!!』も『ポンチョに夜明けの風はらませて』も、廣原監督が映画作りと戦っていないのがすごいと思いました。語弊があるかもしれませんが、戦おうとしたらこんなに自由に撮れないです。僕も、昔は戦わずに自然に撮れていたこともありましたが、それをずっと続けるのは難しいことです。それは正直、羨ましいと思いました。

太賀さん:僕は映画を役者目線でしか観ることができないのですが、『世界グッドモーニング!』で印象的だったのは主人公が「どこから連れてきたんだろう!?」というくらい新鮮でした。うだつの上がらない男の子が主人公という点は、『ポンチョ〜』で演じた又八にも通じてると思います。主人公が抱えている憂鬱が、画面から炸裂している印象がありました。

冨永作品について

太賀さん:明らかにそれが物語で作り物だと分かるのに、妙なリアリティがあるという印象です。世界観の中に生々しいものがある。道を歩いていて、脇道に入ったらそこに登場人物が住んでるんじゃないかというリアリティ。冨永監督のこだわりに乗っかっていくと、想像してなかったアプローチというか、後から気づかされることがあります。廣原監督は対称的で、独特な距離感があり、役者から出てくるものを信じて、まずは見て、遠くで「ふんふん」と。

廣原監督:なんだか偉そうですね(笑)。多い時は5人登場人物が同じシーンにいるので、一人一人に演出というより、皆さんに先にイメージを伝えて、当日集まってどうなるかなと、乱暴なやり方をしました。

冨永監督:それいいですね! 僕は、大昔はコントロールしようと思ってました。脚本が分からなかったら、普通は聞いてくれると思うんですが、当時一緒に映画を作ってた友達は聞いてくれないんです。だから、カットごとに説明していました。そのシーンがどんなものになるのか分かっていない人たちと撮っていたので、コントロールするしかない。後から、「こんな映画撮ってたんだ」と言われてました(笑)

映画情報どっとこむ ralph 俳優・太賀について

冨永監督:『南瓜とマヨネーズ』よりも『ポンチョ〜』の方が、僕が知っている普段の太賀くんに見えました。太賀くんとは面白い思い出があって、その姿が『ポンチョに夜明けの風はらませて』とかぶるんです。『南瓜とマヨネーズ』の撮影が終わって、出演者たちと釣りに行ったんですけど、太賀くんだけ手ぬぐいを巻いてきてるんですよ。一人だけ土木作業員的な。「ああ、この人は主役だな」、と(笑)。それから、アウトドア好きの共演者が持参した椅子を防波堤に置いた途端、風に飛ばされで海に沈む。普通はそこで気をつけるのに、ちょっと時間が経つとまた椅子を飛ばすんですよ(笑)。だから『ポンチョに夜明けの風はらませて』を観て「これだよ!!」と。

太賀さん:又八というキャラクターの、役作りの一環とも言えますね(笑)

廣原監督:『ポンチョに夜明けの風はらませて』の撮影中は又八としての太賀くんをだけを見ていたので、勝手にこういう人だろうと思い込んでいたら、『南瓜とマヨネーズ』を観て全然違うな、と。繊細で、又八とは真逆。部屋の中やお店の中など、狭い範囲でのお芝居が多いんですが、その場所だけで見せるのがすごいな、と。

太賀さん:2つある演技の引き出しを、『ポンチョに夜明けの風はらませて』と『南瓜とマヨネーズ』で使いまわしました(笑)

廣原監督:共通しているのは、太賀くんを見ているとホッとすること。「こいつはこういうことを考えているな」とわかる安心感があります。

太賀さん:役を演じ分けてるという明確な意識はないです。出発点は僕自身にあるし、脚本家の作家性や監督の演出によって「引っ張ってください!」という感じです。『ポンチョに夜明けの風はらませて』と『南瓜とマヨネーズ』は対称的でした。『南瓜とマヨネーズ』のせいいちには、僕に無いものが確実にあり、距離を感じました。だから、自分の頭や心の中で積み上げて挑むというアプローチ。『ポンチョに夜明けの風はらませて』の又八は自分に近いので、頭で考えずに直感的にやれたらいいなと。そういう意味では違う切り替えができました。

冨永監督:太賀くんの大事な2作品がほぼ同時期に武蔵野館で上映されるというのは、本当にいいことだなと思っています。本当に、『ポンチョに夜明けの風はらませて』と仲良くやっていこうと思ってますので、よろしくお願いします(笑)。

とイベントを締めました。

映画情報どっとこむ ralph
物語・・・

将来に希望を見出せないまま、ただ何となく日々を過ごしていた高校生の又八(太賀)、ジン(中村蒼)、ジャンボ(矢本悠馬)。卒業を間近に控え、又八だけが進路を決められずにいた。“ありふれた日常から抜け出したい”と、ジャンボの父親の愛車セルシオを拝借して海に向かう3人。途中で凶暴なグラビアアイドルの愛(佐津川愛美)、風俗嬢のマリア(阿部純子)も加わり、ハチャメチャな旅を続ける。一方、3人に置いてけぼりをくらった中田(染谷将太)は、又八と約束した卒業ライブに向けて1人、ギターの練習に明け暮れていた――。

ポンチョに夜明けの風はらませて

10月28日(土)新宿武蔵野館他にて全国ロードショー。

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出演:太賀 中村蒼 矢本悠馬 染谷将太 佐津川愛美 阿部純子 / 角田晃広(東京03) / 佐藤二朗 西田尚美

原作:早見和真 「ポンチョに夜明けの風はらませて」(祥伝社刊)
監督:廣原暁
脚本:大浦光太 廣原暁

主題歌:忘れらんねえよ「明日とかどうでもいい」(Bandwagon/UNIVERSAL MUSIC LLC)
製作:「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会

企画・制作:RIKIプロジェクト
配給・宣伝:ショウゲート
©2017「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会
     

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