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角川映画祭『時をかける少女』舞台挨拶
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高柳良一、大林千茱萸登壇
『時をかける少女』で印象的だったことについて、高柳は「角川春樹さんの、学業に影響を与えないようにするという方針で、本作は春休みの約1か月間で撮影した。公開が 7月で、夏休みに入る前ぐらいの時期に、キャンペーンで全国を回りましたが、とにかく(原田)知世ちゃんの人気がすごくて。どこに行ってもものすごい数のファンがいて、ものすごい人気で、ヒットする予感がした(笑)。公開前の地方キャンペーンでの熱気が一番印象的ですね」と語り、その熱狂的な歓迎をどう思ったか聞かれると、「自分に人気があるとは思ってなくて、知世ちゃんや(薬師丸)ひろ子ちゃんが人気だと思っていて、自分目当ての人はいるのかなという感じだった。もともとスタッフ志望で、映画の現場を見たいなと思って、『ねらわれた学園』のオーディションを受けた。いつもスタッフ側の気持ちでいた」と明かした。 美術について、大林は「温室の建具・扉などは、尾道の近隣の廃墟になった病院の建具を、ちゃんと許可を得て、夜中に軽トラに積んで現場で建て込んだ。一番緊張したのは、監督から『知世ちゃんのアップよりも大きく映るからね』と言われた“ラベンダー”ですね。あのラベンダーは全部作り物。何百本作ったんだろう?私が夜なべして、写真を見ながら、ラベンダーをこよりで巻いてお花を付けた。知世ちゃんが何度も倒れる度に、あ~、折れた~って、私の心がどんどん折れていく(笑)。ラベンダー作りは、リテイクが出る度にドキドキした。今となってはいい思い出です」 大林から、セリフを足す“差し込み”があったか聞かれた高柳は「(セリフを)結構足したコピーを渡されて、それを台本に一生懸命貼ってやっていました。『ねらわれた学園』の時から」と答えると、大林は「すみません。大林組はその“差し込み”が有名で、せっかく俳優部が一生懸命台本を覚えても、夜、泊まっているホテルの部屋のドアの下から、ビックリするくらいセリフが足された紙が1枚スッと差し込まれる。でも、監督はいい意味で人たらしと言いますか、『昼間の君の演技がとても良かったから、セリフを増やしたんだよ』と紙に書かれていて。それで、みんな、夜通しセリフを覚えていた」と詫びた。 撮影現場について、高柳は「春休み中に撮り終えないといけないので、普通の映画より相当ハードなスケジュールで、セットを全部撮り終えてから、尾道と竹原に行くというスケジュールだった。セットの最後の方は不眠不休で撮影して、セットが終わる頃にはフラフラで、そこからロケに出た」、大林は「(一日に)9食ぐらい食べてました。今はこんな現場はブラックすぎますよね。セットの裏で、知世ちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねて、食べたものを下に落とそうとしてたのがかわいかった。デビュー作で、彼女は映画のことは右も左もわからないから、『一生懸命、綺麗に食べるのが私の仕事です』みたいなことも言っていて、本当に素敵でした」と語った。 「大林宣彦監督生家再生プロジェクト」について聞かれ、大林は「映画の舞台にもなっている、広島県の尾道市で監督は生まれて、18歳まで過ごしたお家がまだ尾道にあります。20年ぐらい空き家になっていたのを、コロナ禍から粛々とお片付けをして、大林映画に触れていただける場所になればと思って、来年のオープンを目指して今取り組んでいます。監督は本当にセルフアーカイブがすごくて、『HOUSE ハウス』という劇場映画デビュー作から、ありとあらゆる記事をスクラップブックにまとめていた。文字も切り抜いて絵も添えてというスクラップブックが20冊近くあります。監督は、最後までデジタル・PCを使わずに、全部自分の手書きだったんですが、手書きでびっしりと書き込まれた本作の台本ももちろんあります。監督の手書きの台本、差し込みの原稿、絵コンテなど、唯一無二の一次資料が段ボール300箱くらい、あとは、本作で知世ちゃんが使った紅茶のカップも、そんな機材が残っています。監督は、生まれてから亡くなるまでを振り返る記念館という名前が付いたものは趣味ではないと。偉業を讃えてもらうよりも、自分が残したものがたくさんあるので、映画でも小説でも音楽でも、芸術を目指す人たちが一次創作の資料を見て役に立つことがあれば見てほしいという思いが生前からあった。娘として、私の記憶が確かなうちに、いろんな専門家の方たちのお知恵を借りながら、私の現場での印象や体験と監督から直接聞いていたことをアーカイブとして残そう。監督が18歳まで暮らしたお家がその場に適しているなと思いました。今日、本作を初めて観た方もいらっしゃると思いますが、この先、まだ大林を知らない人、まだ大林映画を観たことのない人が、尾道の生家を利用して、昔、こんな映画が日本にあったんだ、大林さんという映画監督のお家だったんだと、後付けで気づいてくださってもいいなと思っています。お家自体は100年強経っていて、有形登録文化財になった。尾道ならではの“茶園”という文化があり、階段しかなくて重機が入らない尾道のエリアに、当時サロンとして建てられたお家を譲り受けたんです。再生はしているんですが、車も入れないので、段ボール1つ運ぶのも人力で運ばなくてはならない。毎月1回ワークショップを行っているので、ぜひ遊びに来ていただけたら、皆さんのお力をお借りできたらなと思っています」と熱弁した。 最後に挨拶を求められ、高柳は「久しぶりに公の場に出させていただきまして、ありがとうございます。50周年というご縁があって、4Kデジタル修復された作品を劇場で何本か観ましたが、角川映画はすばらしい作品ばかりだなと思いました。私の出演作もいくつかありますので、是非ご覧いただけたらと思います」、大林は「映画は古くならなくて、むしろ観る度に新しい発見があります。尾道には、重機が入らない所に行くと、昔のままの路地があり、猫も迎えますので、いつでも映画と出会える街・尾道でお待ちしております。映画を通して、皆さんと再び出会えることを願っていて、それが一番私にとって親孝行であり、監督も映画を観ていただくことが何よりもの幸せでした。こうして今日皆さんとご一緒できたことが本当に嬉しいですし、この思いが映画館を出た後、皆さんの人生の中で色々残って、また次に繋がっていくと思うと、私も元気になります」と締めくくった。 |
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『時をかける少女』
4Kデジタル修復版は、「角川映画祭」角川シネマ有楽町にて上映中。 |
★「角川映画祭」概要について
「角川映画祭」角川シネマ有楽町ほか順次上映!50年の歩みの中から珠玉の40作品を一挙上映!【4K版初披露】となる『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』『失楽園』『Wの悲劇』ほか10作品を含む名作・傑作19作品が【4K修復版】で上映されます。
映画祭タイトル:角川映画祭
開催:角川シネマ有楽町にて上映中 ほか順次上映
上映作品:40本
主催:KADOKAWA
★映画『時をかける少女』について
芳山和子(原田知世)は同級生の一夫(高柳良一)、吾朗(尾美としのり)らと平凡ながらも楽しい高校生活を送っている。ある土曜日、理科実験室でラベンダーのような匂いをかいで倒れてしまった和子。週末を過ごし、いつも通りの月曜日を迎えた彼女だが、なぜかその次の日も月曜日が繰り返されてー。青春SF映画の金字塔。
1983年/104分/カラー/© KADOKAWA 1983
監督:大林宣彦 脚本:剣持亘 原作:筒井康隆 音楽:松任谷正隆
出演:原田知世 高柳良一 尾美としのり 岸部一徳
★「角川映画UHDプロジェクト」について
10/30(金)『セーラー服と機関銃』4K UHD、11/27(金)『時をかける少女』4K UHD 発売決定!
『時をかける少女』4K UHDの特典書籍には、高柳良一さん&尾美としのりさん、大林千茱萸さん、松任谷由実さん、松任谷正隆さんほか豪華インタビューも掲載!
2026年に50周年を迎える角川映画の名作の数々を、映像・音声・特典において“究極にして最終形態”の商品仕様を目指し4K UHD化!これまでに、『犬神家の一族』、『戦国自衛隊』、『蘇える金狼』、『野獣死すべし』、『化石の荒野』、『友よ、静かに瞑れ』、『伊賀忍法帖』、『キャバレー』、『汚れた英雄』、『人間の証明』、『探偵物語』、『野性の証明』、『麻雀放浪記』の4K UHDが発売された。



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