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伊藤さとり×坂本悠花里監督

 
2019年公開の『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督し、国内数々の映画祭でその才能が評価されてきた坂本悠花里の初の長編作品『白の花実』(しろのかじつ)が12月26日(金)より全国順次公開されました。スペインで行われた第73回サン・セバスティアン国際映画祭のNewDirectors部門ではクロージング作品として上映され、現地で熱い喝采を浴び注目を集めました。
 
この度、本作へ熱いコメントも寄せている映画評論家・映画パーソナリティの伊藤さとり×坂本悠花里監督のトークイベントが実現!
ここでしか聞けない裏話がたくさん飛び出し、本作の魅力を改めて掘り下げるトークイベントとなりました。
白の花実
 
伊藤さとり×坂本悠花里監督トークイベント
日時:1月14日(水)
会場:新宿武蔵野館
登壇:伊藤さとり(映画評論家・映画パーソナリティ)、坂本悠花里監督
 

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トークイベント

 
最初に伊藤が本作を鑑賞した際の感想について「まるでヨーロッパの絵画を見ているかのようなショットの連続で、構図・色見・美術・衣装など全てが美しく、見ていて全く飽きない!」と大絶賛。10代の少女たちの繊細な感情を掬い上げた本作について、「少女ならではの美しさはもちろん、危うさや意地悪さなどのダークな側面まで2時間たっぷりと見せてくれる。それでいてミステリー要素もあるなんて、なんて多幸感に満ちた作品でしょう!」と、冒頭から伊藤ならではの視点で『白の花実』偏愛ポイントが次々と飛び出し、坂本もその熱量に感無量の様子で受け答えた。

セリフやナレーションでの説明が増え、映画にも“分かりやすさ”が求められている現代。その中で、映像で物語ることに振り切った本作は、企画初期の段階から「良い意味で日本映画らしくない」と言われていたという。元々洋画が好きだったという坂本が、影響を受けた監督を尋ねられるとガス・ヴァン・サント監督『パラノイドパーク』の名が。「『エレファント』も有名だが、両方ともティーンが死に関わる物語。映画に救われていた高校生の時に見た作品で影響を受けたので、『白の花実』にも繋がっていると思う」と自ら分析した。
また、映像で物語ることの例として、本作では自死した莉花の魂を丸い明かりのような“鬼火”で表現している。独特なその表現に行きついた理由を伊藤が尋ねると、坂本は「死者の魂がガイドとして杏菜を動かすのではなく、ただそこに漂っていて感情も見えない。あっけらかんと見せた方が、この映画の暗い部分に風穴を開けることができると思った」と語り、死者の魂を幽霊のような怖いものとして描くことはせず、より身近な存在として描きたかったと振り返った。
 
伊藤は昨年メインキャスト3人にインタビューしており、その際に「常に呼吸を意識した」という話題があがったそう。なぜこのような演出をしたのか尋ねると、ルカ・グァダニーノ監督のリメイク版『サスペリア』を見た時に聞こえた呼吸音がきっかけだという。「不思議に思って本作の振付家・寺杣彩さんに聞いたところ、
”ダンサーは正しい呼吸しないと力が入らないからですよ”と言われ、そこで呼吸の仕方によって体の動きが変わるということに気が付いたんです」と、ダンスシーン以外のシーンでも、些細な仕草や細部の動きまで俳優に意識させた演出意図を明かした。

主人公・杏菜役の美絽さん、莉花役の蒼戸さんは演技初挑戦とは思えないほど自然!と太鼓判を押す伊藤が、10代の役者への演出について質問すると、「演技初挑戦ということは、そこまでハードルではなかった」と明かす坂本。「中途半端に演技経験があり“このシーンはこう演じれば良いんでしょ”と上辺で芝居を理解していることの方が怖かった。自分が役の立場だったらどういう風に考える?というのをワークショップ期間でみんなと掘り下げていった」と撮影前からキャスト陣と密にコミュニケーションをとっていたからこそ、自然な画が撮れたのだと振り返った。
イベント後半のQ&Aでは、“目の前にある自然を取り入れて踊りを作る”というダンスの授業シーンについて観客から尋ねられると、「エチュード的にやりたかったので、それぞれの俳優がどこに立つのかだけをこちらで決め、振りは自分たちで考えて踊ってもらった」と裏話を明かした。寺杣さんのサポートもあり良い画を撮ることができたと振り返る坂本に対して、伊藤は「ご本人たちは、ダンスの授業シーンは大変だったと言ってたよ!」と笑いを誘った。
 
今後の制作活動は未定だという坂本だが、「『白の花実』はなかなか日本映画では見ることのできない、不思議な映画にを作りたいと思って完成させた。今後も同じ志は持ち続けてながら挑戦は続けていきたい」と今後の展望を話し、まだまだ話足りないという名残惜しい雰囲気の中イベントは幕を閉じました。
 

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『白の花実』

 
絶賛上映中!
 
@
kajitsu
/
 
周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜(美絽)が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花(蒼戸虹子)。しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは一冊の≪日記≫。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み——そして莉花の幼なじみ・栞(池端杏慈)との記憶と、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。
やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込み…杏菜は予想もつかない行動へと踏み出す——。
 

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美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 永野宗典 田中佐季
伊藤歩 吉原光夫 / 門脇麦
監督·脚本·編集:坂本悠花里
プロデューサー:山本晃久
製作·配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
英題: White Flowers and Fruits
2025年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/110分
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO

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