映画情報どっとこむ ralph 武田家の映画『影武者』より40年、『天と地と』より30年。武田信玄生誕500年の記念イヤーである2021年。

武田信玄の父であり、甲府を開府した信虎の晩年を描いた映画『信虎』は、本日11月12日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開となりました。
映画『信虎』初日舞台挨拶
映画『信虎』初日舞台挨拶
日程:11月12日(金)
場所:TOHOシネマズ日本橋
登壇:主演・寺田農
共演:永島敏行、荒井敦史、左伴彩佳(AKB48)
監督・金子修介
共同監督・宮下玄覇 

映画情報どっとこむ ralph 信虎役を演じる寺田は、今回、79歳にして主演作が全国公開となった心境を尋ねられると「公開は今年ですが、作品を撮ったのは一昨年の77歳。喜寿ということで、いろんなことをお祝いされてこのお話をいただいたので“長生きはしてみるもんだな”と大変嬉しかったですね」と吐露し、これまでNHK大河ドラマでは平幹二朗さんや仲代達矢さんが信虎を演じてきたことが話題に上がると「それは誰がどうやろうと私は全然関係ないし、みなさんにとっては今日ご覧になる信虎が信虎なんだろうと思います」と語った。

 信虎の嫡男・武田信玄と信虎の六男・武田逍遥軒の2役を演じる永島は、NHK大河ドラマ『風林火山』で信玄を2度破ったと言われる村上義清を演じたが、今回、信玄を演じた感想を聞かれると「そんなに深くは考えていないんですけど、この役をもらったときも、村上義清をもらったときもそうなんですけど、信玄の地元とか、義清の地元を訪ねると、この土地があったからこの人たちは生きてこられたんだって感じて、役をやる上で大事だなと思いました」とコメントし、信玄と逍遥軒の演じ分けについては「日ハムの新庄(剛志)監督はビックボス。信玄は勝たせなきゃいけないし、チームをまとめなきゃいけない。そういう意味では信玄はビックボス。逍遥軒はそれほど責任がない。ちょっと気楽な感じかなと思って演じております」と明かした。

 信玄の四男で武田家陣代・武田勝頼役を演じる荒井は、黒澤明監督の映画『影武者』では勝頼を萩原健一さんが演じたが、金子監督や宮下氏から「ショーケンを超えた」と絶賛の声が飛ぶと「ありがたく受け取りつつも、到底、足元にも及ばないので、精進していきたいなと思います」と恐縮しつつ、「言ってもらえたということは見出しにしてもらって、荒井敦史の名前を広めていただければと思います」と報道陣にお願い。

 また、寺田と共演しての感想を求められた荒井は「本当に勉強をたくさんさせていただきました。当時ずっとビビっていた記憶しかなくて(笑)、勝頼をやっているんですけど、カットがかかった瞬間に金子監督の顔を見て『大丈夫ですか?』って、ずっと“ひよこ”の気分でいたんですけど、それが画に出ていなければいいなと思います」と心配したが、そんな荒井の勝頼について寺田は「素晴らしいですよ。今、時代劇というのがテレビから敬遠されている中で、荒井さんが素晴らしいのは『水戸黄門』をやっていたから、そういうことがベースにあって、セリフの明瞭さと、言うことを聞かない孫というのがよく出ていますよ!」と褒め称えた。

 武田家のお膝元・山梨県出身で信虎の娘・お弌役を演じる左伴は、本作で映画&時代劇初出演となったが「金子監督の作品に呼ばれたことが本当に嬉しくて、この壇上にいる俳優の方々と共演できると思ったら、“自分って芸能人なんだ”って、実感させられました」と声を弾ませ、「これは舞台挨拶で初めていうんですけど、武田二十四将の中の1人の武将の方が、私の母方の親戚だったというのがわかって、土屋(昌次)さんっていうんですけど(本作にも)出てくると思うので見てみてください。これも何かの縁だなと思って、今回この素敵な映画に出られて本当に嬉しかったです」と笑顔を見せた。

 続けて、本作でお弌は信虎から縁談の話を持ちかけられるというシーンも描かれていることにちなみ、左伴が結婚するならどんな人が理想か尋ねられると「私は理想が高いので、優しい方とか、守ってくれる方とかなんですけど、隣にいる寺田さんのように優しくて、話も面白くて、気さくにお話ししてくれるような素敵な方と出会えたらいいなと思っております」答え、寺田が「何ともはやですね。人を見る目がない」と照れを隠すと、左伴は「撮影のときも、演技が初めてだったので戸惑っていたらアドバイスをしてくれたり、優しく教えてくださって、最初はすごく怖そうだなと思っていたんですけど、そんなことなくて本当に優しかったです」と続けると、寺田が頬を緩めて照れ笑いを浮かべた。

 製作総指揮、共同監督、脚本、美術、キャスティング、時代考証など多岐に渡って担当した宮下氏は、大変だったこと尋ねられると「ロケが大変でして、私は美術装飾を担当していたんですけど、みなさんは撮影が終わられたら帰りますけど、私はそのあとに翌日の小道具の準備をしていて、それがものすごく大変でした。日中はメイクやかつらの手直しや所作の指導をやっていまして、目が回るようでした」と苦労を明かした。

 そして、『ガメラ』シリーズや『デスノート』など、数々の大ヒット作を手がけてきた金子監督は、「映画は全部いろんな制約の中で作っていくもので、時代劇も約束事というのがあるので、それを守りながらやっていくということと、当時のリアルな空気を醸し出すために、自分のいつものテンポ感というのは殺して、当時の空気を流そうと演出したつもりです」と明かし、「ロマンポルノとは違いますし、デスノートとも違いますね。でもちょっと怪獣映画と似ているところはあるかな(笑)」と笑った。

 最後に寺田は「今日は信虎、信玄、そして勝頼。親子三代揃い踏みということになりましたが、信虎、信玄、勝頼の三代をもってしても成し得なかった500年前の日本全国統一を、ぜひこの映画がヒットすることで武田家の野望を叶えたいと。そんな風に思います」と言葉に力を込め、「今日、お越しのお客様は、お帰りになったら必ずお友だちに『ぜひ見ておいたほうがいいよ』と電話とかメールをしてください。時代劇の文化を絶やさないように、宣伝をよろしくお願いいたします」とアピールした。

映画情報どっとこむ ralph

『信虎』

TOHOシネマズ甲府にて先行公開中
11月12日(金)よりTOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ梅田他 全国公開中

https://nobutora.ayapro.ne.jp
映画『信虎』初日舞台挨拶
<あらすじ>
武田信虎入道(寺田 農)は息子・信玄(永島敏行)に甲斐国を追放された後、駿河を経て京で足利将軍に仕えていた。元亀4年(1573)、すでに80歳になっていた信虎は、信玄の上洛を心待ちにしていたが、武田軍が国に兵を引き、信玄が危篤に陥っていることを知る。武田家での復権の好機と考えた信虎は、家老の土屋伝助(隆 大介)と清水式部丞(伊藤洋三郎)、末娘のお直(谷村美月)、側近の黒川新助(矢野聖人)、海賊衆、透破(忍者)、愛猿・勿来(なこそ)などを伴い、祖国・甲斐への帰国を目指す。途中、織田方に行く手を阻まれるも、やっとの思いで信濃高遠城にたどり着いた信虎は、六男・武田逍遥軒(永島敏行・二役)に甲斐入国を拒まれる。信玄が他界し、勝頼が当主の座についたことを聞かされた信虎は、勝頼(荒井敦史)との面会を切望する。

そして3カ月後、ついに勝頼が高遠城に姿を現す。勝頼をはじめ、信虎の子・逍遥軒と一条信龍(杉浦太陽)、勝頼の取次役・跡部勝資(安藤一夫)と長坂釣閑斎(堀内正美)、信玄が育てた宿老たち、山県昌景(葛山信吾)・馬場信春(永倉大輔)・内藤昌秀(井田國彦)・春日弾正(川野太郎)が一堂に会することになる。信虎は居並ぶ宿老たちに、自分が国主に返り咲くことが武田家を存続させる道であることを説くが、織田との決戦にはやる勝頼と、跡部・長坂ら寵臣に却下される。

自らの無力さを思い知らされた信虎は、かつて信直(石垣佑磨)と名乗っていた頃に、身延山久遠寺の日伝上人(螢 雪次朗)から言われたことを思い出す。そして武田家を存続させることが自分の使命であると悟り、そのためにあらゆる手を尽くすのであった。上野(こうずけ)で武田攻めの最中だった上杉謙信(榎木孝明)が矛先を変えたのは、信虎からの書状に目を通したからであった。

お家存続のために最後の力を振り絞った信虎だったが、ついに寿命が尽き、娘のお直とお弌(左伴彩佳 AKB48)や旧臣・孕石源右衛門尉 (剛たつひと)たちに看取られて息を引き取る。

その後、勝頼の失政が続き、天正10年(1582)、織田信長(渡辺裕之)による武田攻めによって一門の木曽義昌ほか穴山信君(橋本一郎)が謀叛を起こし、勝頼は討死、妻の北の方(西川可奈子)も殉じ、武田家は滅亡する。以前、武田家臣・安左衛門尉(嘉門タツオ)が受けた神託が現実のものとなった。

信虎がこの世を去ってから百数十年後の元禄14年(1701)、甲斐武田家の一族で、五代将軍徳川綱吉の側用人・柳澤保明(後の吉保、柏原収史)は、四男坊・横手伊織(鳥越壮真)に、祖父と関係があった信虎の晩年の活躍を語る。この物語は、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか。

***********************************

寺田 農/谷村美月・矢野聖人・荒井敦史/榎木孝明・永島敏行・渡辺裕之/隆 大介・石垣佑磨・杉浦太陽・葛山信吾・嘉門タツオ/左伴彩佳(AKB48)・柏原収史
伊藤洋三郎・川野太郎・螢 雪次朗・安藤一夫・堀内正美・永倉大輔・井田國彦・橋本一郎・剛たつひと・西川可奈子・鳥越壮真/北岡龍貴・外波山文明・水島涼太・大八木凱斗・井藤 瞬・森本のぶ・奥山眞佐子・小堀正博
監督:金子修介 共同監督・脚本:宮下玄覇 音楽:池辺晋一郎 
製作総指揮・企画・プロデューサー:宮下玄覇 プロデューサー:西田宣善 協力プロデューサー:榎 望 
撮影:上野彰吾 照明:赤津淳一 録音:原川慎平 美術・装飾:宮下玄覇・籠尾和人 VFXスーパーバイザー:オダイッセイ 衣裳:宮本まさ江 特殊メイク スーパーバイザー:江川悦子 編集:宮下玄覇・山本浩史 整音・ダビング:臼井 勝 音響効果:丹 雄二 武田家考証/字幕・ナレーション協力:平山 優 プロダクション統括:芳川 透
カラーグレーディング 広瀬亮一 スクリプター:奥井富美子 時代考証・キャスティング:宮下玄覇 演技事務:出射 均・早川喜貴・関根浩一 スチール:制野善彦 題字:森田彦七(『乱』揮毫・今井凌雪門下) 製作担当:丹羽邦夫・安達 守 助監督:村上秀晃 西山太郎 美術装飾担当 助監督:生駒 誠 
製作:ミヤオビピクチャーズ  
2021年/日本/日本語/カラー/ワイド/ステレオ/135分/
配給:彩プロ PG-12
©2021ミヤオビピクチャーズ

関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ