映画情報どっとこむ ralph 《『皮膚を売った男』に魅せられ、語りつくす!現代美術作家・加賀美健、アーティスト・平山昌尚、実業家・遠山正道アートに魂を売った男たちが現代アートの裏話を暴露!?》

11月12日(金)公開の『皮膚を売った男』。
現代アート×ミステリーをベースに、自分自身がアート作品となった男の数奇な運命を描いた本作『皮膚を売った男』(11月12日(金)公開)。

日本アート界を代表して、現代美術作家の加賀美健、アーティストの平山昌尚、実業家・アーティストの遠山正道が登壇したトークイベントが銀座 蔦屋書店にて登壇してトークイベントが行われました。
『皮膚を売った男』
『皮膚を売った男』トークイベント
日時:11月9日(火) 
場所:銀座 蔦屋書店
登壇:加賀美健(現代美術家)、平山昌尚(アーティスト)、遠山正道(実業家、アーティスト) 
MC:奥浜レイラ

映画情報どっとこむ ralph 本作の感想をまずは伺った。平山は「意外にギリギリまでトレーラーで見せていますよね。でも核心は隠している」とコメントすると、加賀美は「予告編よりもポスターが核心をついていますね。迫っていますよね」とポスタービジュアルに高評価。

遠山は「非常に面白い。ずっと見ていて主人公がダメな奴だなと思っていたんですが、最後に行くにつれて印象も変わりますよね。

アート側の視点から見ると、今日本はアートバブルでマーケットが盛り上がっている。コロナの前は芸術祭がブームだった。同じアートでも違っていて、マーケットは売ることで価値を付ける。この主人公の背中はインスタレーションのようなものなのにビジネスにも結び付いてしまう、表現と仕組みが結びつく戦略。そういう意味でも面白かった」とアートに携わる側ならではの感想を述べた。

資本主義的なアーティストともとれる、背中にタトゥーを彫ったジェフリーの手法については「村上隆さんのようにグローバルサーキットで勝ち抜いていくことと、美術館に展示がされる道というのは同じことですが、資本主義と言うほどのことでも無く、日本ではそこまでリーチしていかない」と遠山は話す。
『皮膚を売った男』トークイベント
加賀美は「日本の流行は二極化していると思う。プチマネーゲーム的なにおいがする。ジェフリーのモデルとなったヴィム・デルボアのインタビューを読んだら、監督とやりたいことが合致している気がした。この映画はアート業界へのアンチテーゼですよね。本人が言っていたのは、排泄物をつくる装置が自分の代表作だが、これじゃ売ることができないので、今は家に飾る画をコレクターが買って鑑賞することが主流だと言っていた。その通りでペインティングのほうが売れる。

コンセプチュアルなものが売れたほうがおもしろいと思うけど、買う側もお金を出すので、正にこの作品の背中のようにコンセプチュアルなものだと手元に残らないこともある。

考え方にお金を出すような、買う側も頭を使うような多様性が出てくるといいですよね。オークションでピカソのような本物が出た時に盛り上がるべきなのに、値段が高騰した時にしか盛り上がらない現実がある。それも面白いけど」と続けた。

映画情報どっとこむ ralph

『皮膚を売った男』

2021年11月12日(金)Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国公開

STORY
主人公サムは、当局の監視下にあり国外へ出られなくなってしまう。海外で離れ離れになってしまった恋人に会うためなんとかして出国したいと考えていた彼は偶然出会った芸術家からある提案を受ける。それは、背中にタトゥーをし、彼自身が”アート作品”となることだった…。芸術品となれば大金を得ることができ、展覧会の度に海外にも行ける。恋人に会うためオファーを受けたサムだったが、次第に精神的に追い詰められてゆく。高額で取引されるサムを待ち受ける運命とは…。

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監督:カウテール・ベン・ハニア(「Beauty and the Dogs(Aala Kaf Ifrit)」(17)第91回アカデミー賞国際長編映画賞チュニジア代表)
キャスト:ヤヤ・マヘイニ、ディア・リアン、ケーン・デ・ボーウ、モニカ・ベルッチ、ヴィム・デルボア
2020 年/104 分/チュニジア・フランス・ベルギー・スウェーデン・ドイツ・カタール・サウジアラビア/アラビア語、英語、フランス語
The Man Who Sold His Skin(英題) L’Homme Qui Avait Vendu Sa Peau(仏題) hifu-movie.com

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