映画情報どっとこむ ralph この度、グザヴィエ・ドラン監督最新作『マティアス&マキシム』が9月25日(金)より全国公開します。

本作は第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、「帰ってきたドラン!キャリア史上最も官能的で美しい。(Variety)」「心の底から共感 (TELEGRAPH)」、「とにかくストレートで心に響く。(Hollywood Reporter)」「成熟したドランに魅了される(THE WRAP)」など、各メディアから絶賛の声が寄せられました。また、監督初期の代表作品(『わたしはロランス』『Mommy/マミー』など)で見られる繊細な心理描写、余韻を残すセリフが印象的に使用され、その原点回帰も見どころの一つ。海外メディアからは「このドランが見たかった!」などという声も上がっています。本作はこれまで一貫して描き続けてきた“母と子”というテーマから一新、二人の青年の友情と揺れる恋心に焦点を当てた青春ラブストーリー。溢れ出る愛おしさ、触れたい衝動、相手を追いかける眼差しなど、スクリーンに映し出される全てが「恋」そのものを物語り、「誰かを好きになること」の切なさと喜びが凝縮された新たな愛の傑作です。

ドラン作品の魅力の一つとも言える音楽。本作でも心揺さぶる美しきピアノの劇伴と、ドランが自ら選曲した挿入歌が登場人物たちの感情にリンクし、セリフに代わってその感情を表現するかのように使用されています。時に激しく、時に柔らかな音を奏でる劇伴を担当したのは、モントリオール出身のピアニスト、ジャン・ミッシェル・ブレ。映画音楽を手掛けるのは初めてにも関わらず、なんと本作でカンヌ・サウンドトラック賞より審査員特別賞を受賞しています。そして、映画を観終わった後に必ず繰り返し聞きたくなる印象的な挿入歌は、歌詞やその曲を使う意味など、ドランによって深くこだわり抜いてセレクトされたものです。

そんな本作における音楽の魅力を奥浜レイラが以下のように語ってくれています。また、挿入歌のなかから象徴的な3曲をピックアップして紹介。そして、奥浜氏が象徴的とも語る”Song for Zula”を使用した特別映像を解禁です!

映画情報どっとこむ ralph 【奥浜レイラコメント・楽曲紹介】
まず、ピアノ・ソロの劇伴がとても素晴らしかった。叙情的で感情が動いた瞬間をしっかり音楽で表現しています。特に冒頭のマティアスが戸惑いを隠せず湖を泳ぐシーンでは彼の感情とピアノの音がリンクし心揺さぶられます。ぜひ楽しみにしていてほしいシーンの一つ。そして、挿入歌もドラン監督ならではの選曲で大変興味深かったです。彼の作品を見るたびに感じることですが、ロックやポップスのヒット曲やクラシックの名曲をここぞというタイミングで、臆することなく印象的に使用します。ドラン自身も『バウンド・トゥ・インポッシブル』の中で「平凡なセンスだと誰が批判しようが関係ない。登場人物もきっとその曲を聴いているし、それを聴く観客の心にも人生の大切な思い出が蘇るはず。」と語っていましたが、今作も自分のエモーショナルな部分に嘘をつかないような音楽の使い方をしていると思いました。ストレートに心情を表した曲を使っていて、彼の本作における熱量、ラブストーリーに真正面から向き合うという覚悟を感じました。

以下、奥浜レイラ氏による楽曲紹介

♪Pet Shop Boys “Always On My Mind”   
楽曲公式Youtube:

Pet Shop Boysは世界的に有名なダンス・デュオで、ロンドンオリンピックの閉会式にも登場するほどイギリスの国民的なアーティストですが、メンバーのニール・テナントが自身のセクシャリティを公表していることもありセクシャル・マイノリティをエンパワーメントする存在でもあります。人気急上昇中のイギリス人俳優であるハリス・ディキンソンの登場シーンに使用されたのは、“君を大切に出来ていなかったかもしれないけれど(中略)君は心の中にいていつも想っていたよ”と繰り返し歌われる楽曲で、今後のマティアスの心情を示唆するような使われ方がされています。1971年に書かれブレンダ・リーが歌ったものがオリジナルで、その後すぐエルヴィス・プレスリーがカヴァーしヒット。長く愛される名曲です。

♪Amir ”Jai cherché”
楽曲公式Youtube:

ドラン監督は自分が影響を受けたものへのオマージュを、演出やカメラワークなどでためらいもなく表現しますよね。音楽的にも、初期の頃からかなりメジャーなものもニッチなものも幅広く選曲している。シンガーのAmirはフランスのオーディション番組から出てきて、ポップスターになったアーティスト。この曲が使われるのは、ラジオから流れてきたこの曲に合わせて仲間たちみんなで合唱するシーンですが、本当にドランの仲間うちで普段からよく聞いている曲なんじゃないかなと想像したり。そう思わせるようなポップソングと仲間というこのマッチングが、やはり上手い。

♪Phosphorescent “Song for Zula”
楽曲公式Youtube:

クライマックスのラブシーンで流れる曲で、本作の中では一番印象的な楽曲かもしれませんね。本作のテーマを表しているような歌詞で、恋とは相手に嫌われていないかと不安になったり、普段のままではいられなくなり自分をコントロールされてしまうものだという、人が恋をするとどうなるかということを切々と歌っています。中でも“恋をして僕はすっかり変わってしまって、これまでの自分とは全然違う自分になっているんだ”というフレーズはまさにマティアスの心情を表現していると感じます。登場人物のセリフに代わって、音楽が雄弁に語っているなと思いました。

映画情報どっとこむ ralph マティアス&マキシム

2020年9月25日(金)より、新宿ピカデリーほか

<ストーリー>
たった一度の偶然のキス。そして溢れ出す、友達以上の想い。
マティアスとマキシムは30歳で幼馴染。友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じることになった二人は、その偶然のキスをきっかけに秘めていた互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に芽生えた感情に戸惑いを隠せない。一方、マキシムは友情が壊れてしまうことを恐れ、想いを告げずにオーストラリアへと旅立つ準備をしていた。迫る別れの日を目前に、二人は抑えることのできない本当の想いを確かめようとするのだがー。

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監督・脚本:グザヴィエ・ドラン(『Mommy/マミー』、『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』)
出演:ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、グザヴィエ・ドラン、ピア・リュック・ファンク、ハリス・ディキンソン、andアンヌ・ドルヴァル(『Mommy/マミー』)
提供・配給:ファントム・フィルム  原題:Matthias & Maxime(2019年/カナダ/120分/ビスタ/5.1ch)
© 2019 9375-5809 QUÉBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL 公式HP:phantom-film.com/m-m/ 

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