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『gifted/ギフテッド』マーク・ウェブ来日 x mito(クラムボン)対談 at Apple銀座 Perspectives


映画情報どっとこむ ralph この度、『(500)日のサマー』でセンセーショナルなデビューを飾ったマーク・ウェブ監督が再びFOXサーチライト・ピクチャーズからお届けする、ハートウォーミング・ファミリードラマの傑作となる『gifted/ギフテッド』(原題:gifted)が11月23日(木・祝)より日本公開となります。

この度、公開を記念して、Apple 銀座で開催される「Perspectives」に、マーク・ウェブ監督とミュージシャンとしてだけでなく劇場アニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』の劇伴なども手掛けているクラムボンのmitoさんが登壇し、トークセッションを実施しました!

映画『gifted/ギフテッド』Perspectives
日時:10月12日(木)
場所:Apple 銀座 / 3F シアター
登壇:映画監督:マーク・ウェブ、ミュージシャン:mito(クラムボン)

映画情報どっとこむ ralph 世界的に高く評価される映画監督と、日本を代表する音楽クリエイターの貴重な話を聞こうと会場には大勢の観客が押し掛け、いまかいまかとイベントスタートを待ちわびるなか、マーク・ウェブ監督とクラムボンのミトさんが登場し、会場は大盛り上がり!!!

大きな拍手で迎えられた
ウェブ監督:今日はこんなに素敵なイベントに呼んでくれてありがとう!この映画は観客のみんなにただあたたかい気持ちになってもらいたいという思い一心で撮った作品なんだ。気に入ってもらえると嬉しいよ。

続けて

mitoさん:僕は、この映画の音楽の使い方がとてもシンプルで、生活に密着したような形で使われていることにとても親近感を感じました。今日はマークの世界観と音楽が近い理由を知れたらいいなと思っています。

とそれぞれ挨拶しました。


日本でも大ヒットした『(500)日のサマー』を制作する前はミュージックビデオを手掛けていたというマーク・ウェブ監督。

ウェブ監督:僕は10年間ミュージックビデオを撮っていたんだけど、そこでは最初に音楽を聴いて、どういった映像が合うんだろうという制作の仕方をしていたんだ。でも映画は後から音楽をつけるという真逆の作業だったから当時はすごく違和感を感じていたよ。『(500)日のサマー』ではまずサウンドトラックを作った。主人公のトムの思考や彼が何を考えているのかというのを基準に音楽を選んだから、それぞれの曲の歌詞はそのシーンやキャラクターたちの心情を説明していることが多いよ。僕にとっては楽しい作業だったね。

と当時の撮影を振り返りました。一方、

mitoさん:『(500)日のサマー』を観て僕がすごくショックだったのは、主人公のトムが好きな女の子の前でカラオケするシーンで、ピクシーズの「ヒア・カムズ・ユア・マン」を歌わせるところ。凄くキャッチーで面白かったですね。あそこで綺麗にピクシーズを入れて、さらにエレベーターではスミスを入れるのは、本当にそのシーンに寄り添っていて良かったですね。

と感銘を受けた様子でコメントしました。

映画情報どっとこむ ralph
また、劇場アニメ映画『心が叫びたがっているんだ。』で劇伴を手掛けたmitoさんは

mitoさん:あの映画ではクラシック音楽を使うっていうテーマがあったのですが、観客の皆さんにクラシックをどうカジュアルに聴いていただけるのかということを試行錯誤したので、マークの葛藤とシンクロする部分はあるのかなって思いましたね。

とコメント。mitoさんの話を受けたマークが

ウェブ監督:みんなの心に届きやすいものというのは大事だと思うけれど、そうすると”気に入ってもらえるもの”と”かっこよさのあるもの”が反比例するよね。mitoは、自分の音楽作るときと、劇伴を手掛ける時とどういう折り合いをつけているのかな?

と質問すると、

mitoさん:全然違うものだと思いますね。映画は画とそのシーンに寄り添うことが最優先。『心が叫びたがっているんだ。』で、クライマックスの「悲愴」と「オーバー・ザ・レインボー」を合体して歌うという案を考えたのは僕なんですけど、あの曲でシナリオすべてが変わったんです。シンプルだけど、誰もが驚くクライマックスを音楽で作ることが劇伴の到達点だと、僕は思いましたね。

と明かしました。

マークは『gifted/ギフテッド』の音楽について問われると、

ウェブ監督:この映画の舞台は、セントピーターズバーグっていうフロリダの街なんだけど、その街の質感を再現できる音楽をつけるように努力したよ。実は、キャット・スティーヴンスの「ザ・ウィンド」を最後まで入れるのを悩んだんだ。あまりにもありがちだなって。でもこの映画は、映画が好きな人にも、馴染みがない人たちにも気に入ってもらえるように作りたかったし、この曲ならメアリーだって好きになってくれるんじゃないかなって思っていれることに決めたよ。

と明かしました。

mitoさん:僕はシェールとティナ・ターナーの「シェイム、シェイム、シェイム」でメアリー(マッケナ・グレイス)とロバータ(オクタヴィア・スペンサー)でデュエットしているシーンが大好きですね。各キャラクターの緊張感が上がっていくなかで、それぞれの感情の差がうまくブレンドされていたと思います。

とコメント。それに対し

ウェブ監督:ここでは観客に一息ついてほしかった。通常の家族ではないけど、母親代わりのようにかわいがっている近所のおばさん(ロバータ)と、明るい生活で元気に育っていくメアリーの姿を感じてほしいと思ったんだ。

と明かしました。

映画情報どっとこむ ralph 続いて話題が、劇中で子役とは思えないほど圧倒的な存在感を醸し出しているマッケナ・グレイスに飛ぶと、

ウェブ監督:クリス・エヴァンスとメアリーを演じることが出来る子役を見つけないと、この映画は完成しないと話していて、100人以上もの子たちとオーディションしたんだ。ある日部屋に入ってきたのがマッケナで、とても愉快な子だった。ホチキスを猫に見立てて遊んだりしてね。最後に、”泣き叫ぶシーンをやってもらおう”っていったら”5分ください”と言って部屋からいなくなったんだ。戻ってきたら、彼女はすでに出来上がっていて、感情を爆発させて大号泣してくれた。その時に”この子しかいない”と思ったよ。自分のなかにある大きな芯を、感情で表現することは大人でも難しい。まさに演技力でキフテッドがある子だと思う。

と大絶賛!また、

mitoさん:マッケナちゃんは日本人受けする女の子ですよね。『アイ・アム・サム』のダコタ・ファニングに似たような才能を感じます。劇中の彼女の演技は完璧で、完璧だからこそこの映画に活きるんですよね。すでにインスタで注目を集めているし、素晴らしい子役だと思います。

とコメント。するとマークは

ウェブ監督:僕も彼女のインスタを見たよ。彼女の東京愛凄かったよね。先日まで来日していたマッケナのインスタに触れ、笑顔になりました。

映画情報どっとこむ ralph
最後に、

mitoさん:僕は、普段から着飾っているつもりはなくて、日常のなかにある2秒くらいの出来事を音楽にするためにクラムボンをやっているんですが、監督の映画に触れて、どの世界でも日常的なことを、つぶさなことをエンターテイメントにできる人がいるんだなって知ることが出来て、とても勇気づけられました。監督とは、またなにか一緒に造れるといいな。

ウェブ監督:今日は来てくれてありがとう!この映画は僕がシンプルに映画を作りたいという気持ちから制作したんだ。ただ楽しい気持ちで、素晴らしいスタッフとキャストで作った。だからこの映画を観て、みんなにも楽しんでほしい!

と笑顔で締めくくりました!


イベント後は、会場に駆け付けた熱狂的なファンのサインや写真撮影にも快く対応したマーク!濃厚なトークとまさに神対応といえるサービスっぷりで、ファン垂涎モノのイベントは和やかな雰囲気のなか幕を閉じました。

公式サイト:
http://gifted-movie.jp/
公式Twitter:
@foxsearchlightj

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監督:マーク・ウェブ『(500)日のサマー』
キャスト:クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス、ジェニー・スレイト、リンゼイ・ダンカン、オクタヴィア・スペンサー
全米公開:4月12日
原題:gifted
配給:20世紀フォックス映画
(C)2017 Twentieth Century Fox


行定勲監督、原作の島本理生 登壇!『ナラタージュ』Perspectives APPLEイベント


映画情報どっとこむ ralph 2006年版「この恋愛小説がすごい」の第1位に輝いた作家・島本理生による禁断の純愛物語を、嵐の松本潤主演で映画化した『ナラタージュ』(10月7日全国公開)。

本作の公開を記念し、本作の行定勲監督と原作者の島本理生先生が、Apple 銀座で開催されたToday at Apple プログラムのクリエーター同士による対談セッション「Perspectives」に登壇。

本作の制作秘話はじめ、お互いの作品から感じたことなど、ファンの前でトークを展開しました。

映画『ナラタージュ』 Perspectives
日時: 8月25日(金)
場所: Apple 銀座
登壇者:映画監督 行定勲監督、原作者 島本理生

映画情報どっとこむ ralph 行定監督が司会進行も兼ねる形で対談がはじまると、まずは本作映画化までの話題に。

原作小説『ナラタージュ』出版直後から映画化の話はあがっており、小説を読んで

行定監督:やらないわけにはいかない!

と前のめりだったが、諸々の条件から実現には至らず。未成年向けの恋愛映画がトレンドになりつつあった時勢も影響し、なかなか製作が始まらなかったとそう。対する原作者の島本先生は、映画化は念願であったものの、実現するならベストな形を望んでおり、無理せず良い時期が来るよう願っていたことを明かしました。

そして10年の構想を経てついに完成した本作。

出来上がった映画を見た島本先生は、直近まで見ていたいろんな映画を忘れるほど放心状態になったそうで、
島本先生:ひとつひとつの場面が強烈に残っています。人間の感情がしっかり捉えられていて、それはヨーロッパ映画の特権だと思っていたから、日本の恋愛映画でもできるんだという感動がありました。こういう映画が出来上がって嬉しいです。

原作と違う映画オリジナルのラストについても、

島本先生:違和感はなかった。小説は文章が淡々としていますが、映像で見るとインパクトが強まり、全体のバランスや演出も良かったです。

と映画ならではの結末についても絶賛した。

行定監督:さっきまでハッピーだったのにある一言で暗雲が立ち込めたり、良かれと思ったことがマイナスになったり、そういう恋愛の“あや”が島本作品の面白いところ。

と原作の魅力に言及。映画では、恋愛における「言葉にしたいけど言葉にできない感情」を、役者の表情の移り変わりでじっくり見せることにこだわったのだそう。

その結果・・・・
当初編集したバージョンは上映時間が3時間半になったことを告白。最終的に2時間20分におさまったが、丁寧に恋愛を描くには時間が必要であるとしてそのこだわりを語りました。

映画情報どっとこむ ralph 続いてキャストやキャラクターについて、まずは松本潤さんが演じた葉山貴司先生の話題に。

原作者である島本先生が、映画化に際し唯一気にしていたキャラクターが葉山先生で、リクエストは「マッチョじゃない人」だったと言う。それをヒントにしつつ、

行定監督:日本に葉山先生がいないから、トニー・レオンに頼もうと思った。
と語るほど、葉山先生役のキャスティングは難航したことを振り返り、小川真司プロデューサーから松本さんを薦められると、根は正義感で固まっていてどこか完璧主義者な印象のある松本さんを「あり」だと感じ、「日本にいない葉山先生」をふたりで作っていくことを決意。

松本さんに対して、「自分を封印して輪郭をぼかす」「いつも120%の目力を40%にする」といった提案を行い、メガネをかけチャームポイントの眉毛も前髪で隠すなど、外見から変えることでキャラクターの内面を作っていったことを明かにしました。

島本先生も、そんな松本さん演じる葉山先生像を絶賛。

島本先生:定まりきらない表情の演技がすごくて、見終ったあとも頭に残っている。良い意味で普段の松本さんとギャップがありました。

とその魅力を語った。

映画情報どっとこむ ralph ヒロインの工藤泉を演じた有村さんについては、

行定監督:僕の泉像に一番ぴったりだった。彼女が今の時代にいてくれてよかった。

と絶賛。特に、つかみどころのない葉山先生を前にした泉の、内に怒りを秘めた表情が素晴らしいとして、行定監督はあえて「すごく不細工な顔」と表現。それに対し、有村さんも「気持ちが伝わって嬉しい」と喜んでいたことして、真摯に役に向き合っていた姿を語った。

島本先生:有村さんの芯の強さや、一途に先生を想い続けるヒロイン像が、映画全編から感じられて素晴らしかった。

と改めて称賛を贈りました。

そんな有村さん演じる泉に恋をし、やがて嫉妬に狂っていく小野怜二役を演じた坂口健太郎さんについて、

行定監督:初めて仕事をしたけど、器用さを持っていて軽やかな人。

と表現。劇中で最も感情の起伏が激しく、ひとりの人間が唐突に変わっていく姿を演じきったが、

島本先生:正直原作者としてほぼ100点満点!すごい再現率の高さ。

と興奮気味にコメント。細かい感情の表現を絶賛し、

島本先生:坂口さんは本当に小野君だと思った。

と熱く語りました。

映画情報どっとこむ ralph 最後に・・・

会場に訪れたファンからのQ&Aを実施。本作の執筆当時「この俳優にキャラクターを演じてほしい」というイメージがあったか聞かれ

島本先生:読者の方のイメージに近くないと思うけど、昔からすごく好きな俳優さんがいて…渡部篤郎さん。

と告白。会場からも、女性ファンを中心に感嘆の声が漏れた。そこで行定監督が、実は渡部さんも候補としてよぎったことを明かすも、

行定監督:でも僕と同い年だから。

と語ると会場は大爆笑。終始和やかな雰囲気で対談が終了した。

映画『ナラタージュ』は10月7日(土)全国ロードショー。

「Perspectives」とは
影響力のあるクリエイターたちが自身のクリエイティブな制作過程を語ったり、才能を披露する Today at Apple の人気プログラムです。

物語・・・
壊れるくらい、あなたが好きでした。
大学2年生の春。泉のもとに高校の演劇部の顧問教師・葉山から、後輩の為に卒業公演に参加してくれないかと、誘いの電話がくる。葉山は、高校時代、学校に馴染めずにいた泉を救ってくれた教師だった。卒業式の日の誰にも言えない葉山との思い出を胸にしまっていた泉だったが、再会により気持ちが募っていく。二人の想いが重なりかけたとき、泉は葉山から離婚の成立していない妻の存在を告げられる。葉山の告白を聞き、彼を忘れようとする泉だったが、ある事件が起こる――。
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松本 潤 有村架純 
坂口健太郎 大西礼芳 古舘佑太郎 神岡実希 駒木根隆介 金子大地/市川実日子 瀬戸康史
監督:行定勲 
原作:島本理生(「ナラタージュ」角川文庫刊) 
脚本:堀泉杏  音楽:めいなCo.
主題歌:「ナラタージュ」 adieu(ソニー・ミュージックレコーズ) / 作詞・作曲:野田洋次郎
配給:東宝=アスミック・エース  
©2017「ナラタージュ」製作委員会


是枝監督が坂元裕二から影響受けた!とは?『三度目の殺人』Appleイベント


映画情報どっとこむ ralph この度、是枝裕和監督 最新作『三度目の殺人』が、いよいよ9月9日(土)より公開が迫ってきています!

監督が近年描いてきたホームドラマから一転し、かねてより挑戦したいと考えていた法廷を舞台にした心理サスペンスです。

この度、本作の公開を記念して、Apple 銀座で開催される「Perspectives」に、是枝裕和監督と「最高の離婚」「カルテット」などのテレビドラマや映画作品を多数手がける脚本家の坂元裕二さんが登壇し、トークセッションをおこないました。
イベントでは、是枝さんの映画と坂元さんが執筆したドラマの隠された共通点を語り合うなど、映画ファン垂涎もののトークが繰り広げられ大盛り上がり!イベントの後半では観客からの質問を受け、観客も大満足のイベントとなりました!

映画『三度目の殺人』 Perspectives
日時: 8月25日(金)
場所: Apple 銀座
登壇者(敬称略):映画監督 是枝裕和、脚本家 坂元裕二

映画情報どっとこむ ralph 立ち見の出る程の満席の会場に是枝裕和監督と坂元裕二さんのお二人が登場すると、大きな拍手が巻き起こりイベントがスタート。
坂元さん:僕はもうすでに『三度目の殺人』を観たんですが、観れば観るほど、どんどん面白くなっていって、とてもよかったです。

と本作を絶賛。
福山さんと役所さんへのオファーについて

是枝監督:福山さんとは『そして父になる』のときから、いくつかやりたいとお話していたプロットがあったんですが、どれも着地しなかったんです。そこで、今回のアイデアを思いついて、A4用紙3~4枚のものでオファーしました。役所さんに関しては、そのあとのロングプロットになった時点でお声がけをしました。

と明かしました。

坂元さん:これまで演じてきたどの役所さんとも違う印象でした。

とすると

是枝監督:役所さんは、演出家としては、一度向き合って勝負しないと一人前になれないんじゃないかと思うほどの方だと思うんです。

と心のなかでは覚悟が必要だったことを明かし、

是枝監督:特別な役作りをされるわけではないのに、きちんと、人殺しなら人殺し、弁護士なら弁護士、田舎の林業の教養がないのに人のいい男にみえたりもする。僕は初めてお芝居やる方と映画を作っていくことが多いので、役所さんはまだ早いなと思っていました。でも、去年役所さんから突然年賀状がきて”そろそろですね”って書いてあってので、こういうのは縁だから、これならできるなって思って、オファーしました。

と、役所さんと役所さんからの逆オファーがきっかけになったことを披露しました。

映画情報どっとこむ ralph 脚本はあてがきで執筆することが多いという是枝さんに対し、

坂元さん:あてがきってよくわからないんですよね。どんな感じですが?

是枝監督:基本は声なんですよ。オーディションでいろんな方に会った後に、脚本を読むと、声が浮かぶ人と、浮かばない人がいるんです。そこである人の声で登場人物が動き出すと、次第にその人であてがきになっていくんですよね。

と、キャストの声を頼りに物語を組み立てていくといい、弁護をするうえで真実は二の次と考える冷徹な弁護士・重盛を演じた福山さんについては

是枝監督:福山さんは基本エンターテイナーで、撮影以外でも周りを楽しませている明るい人なんですけど、あてがきしていると嫌なやつになっていくんですよ(笑)。嫌なセリフを話すときの蔑んだ感じとか語尾の雰囲気がうまいんです。

とコメント。福山さんのVOICEがそうさせたのか・・。


また、本作で描かれる、役所さん演じる殺人犯の三隅と、坂元さんが脚本を執筆したドラマ「カルテット」の松たか子さん演じる真紀というキャラクターの謎の残し方が似ていると明かす二人。

是枝監督は松さんの演技力に圧倒されたようで

是枝監督:松たか子さんが演じられているキャラクターがメインの4人の中で、背景が大きくて、その埋め方がすごいなって思っていました。

と絶賛。

坂元さん:松さんは日本一のコメディエンヌだと思っていて、彼女がいれば確実に笑いがとれると思っています。何を投げても打ち返せる人なんだろうなってわかっていたので役に関して気を使っていなかったですね。

と、役所さんと同様、複雑な役を演じるうえで、大きく信頼を寄せていたことを明かしました。

映画情報どっとこむ ralph さらに、是枝監督は、本作と坂元さんとのもう一つの共通点として、坂元さんが脚本を執筆したドラマ『それでも、生きてゆく』を挙げ、

是枝監督:坂元さんは、三崎文哉(風間俊介)を書きながら、自分が彼をどう理解しているのか、もしくは瑛太さんや満島ひかりさんが演じるキャラクターに対してどう理解しているかを探りながら、人物像を作られているじゃないですか。僕は、福山さんが三隅のことを理解できるのか、できないのかの前に、僕自身が理解できないところも残したいと考えていたところでヒントになったのが、坂元さんの風間俊介さん演じる三崎文哉に対するそういったスタンスなんです。あのときに対談させてもらったことがすごく大きく残っていて、今回の演出にも反映しています。

と、本作の脚本を執筆するうえで、坂元さんから大きな影響を受けたことを明かし、続けて

是枝監督:僕は三隅がどういう人物なのか、脚本を執筆する上で理解しようとしていたんですけど、結局途中でわからなくなってきてしまって。そんな状況の中で、目の前で役所さんが演じた瞬間に、あれこんな人を僕は書いたのかなって思ったんです。それで、演技がうまいってこういうことなんだなって思いましたね。今回は役所さんから生まれたものを見逃すまいと必死だった気がします。台本には特に何も書いていないのに、何でここで笑ったんだ?って、撮影が終わる度、台本を読み直したりしたんですけど、そう思う時点で僕も役所さんにハマっているんです。役所さんに聞いたら、台本に書いてますよって言うんですよ。こわくなりますよね(笑)

と語りました。

映画情報どっとこむ ralph ここで一般の方からの質問タイム。

Q,(是枝監督へ)映画を通して、一番表現したいことは何でしょうか?


是枝監督:難しい質問ですね…。個々の作品で自分に問いたいことは毎回あるのですが、『三度目の殺人』だと、人は人を裁けるのか。人は人をどこまで理解できるのか、っていうことを考えてみたいと思って撮りました。


Q,お金がもらえなくても、映画を撮って、脚本を書きますか?


坂元さん:脚本は設計図だと思っているので、それをただ書いていても楽しくないんです。僕は俳優さんに演じてもらうことが好きなので、そうならないのならば書かないかもしれませんね。

是枝さん:僕はモノを書いて飯を食えるようになりたいって大学の時は思っていました。映像をやりたいっていったときに、親には苦労するから趣味にすれば?って止められたのですが、僕にとってはそれで食えるようになろうっていうのは目標でしたね。


Q,お二人の作品には毎回名言や名シーンがあると思います。執筆するうえで、視聴者へのメッセージは意識していますか?


坂元さん:僕は、物語に自分が出ないようにって心がけている。登場人物が語りだすことが大事だと思うから、メッセージというのはそのさらに下のところに存在していると思っています。

是枝監督:僕も坂元さんが話すように、登場人物が話している世界のメッセージ化されていないところに、僕らが意識していない伝えたいことや、逆に伝わってしまうものがあると思うんです。僕はそういうことがあるものがいい作品なんだろうなって思っています。

三度目の殺人

真実なんていらない。弁護士は、そう信じていた。
それは、ありふれた裁判のはずだった。殺人の前科がある三隅(役所広司)が解雇された工場の社長を殺し、火をつけた容疑で起訴された。犯行も自供し、死刑はほぼ確実だった。その弁護を担当することになった、重盛(福山雅治)。裁判をビジネスと割り切る彼は、どうにか無期懲役に持ちこむために調査を始める。
何かが、おかしい。調査を進めるにつれ、重盛の中で違和感が生まれていく。三隅の供述は会うたびに変わる。動機さえも。なぜ殺したのか?本当に彼が殺したのか?得体のしれない三隅に呑みこまれているのか?弁護に真実は必要ない。そう信じていた弁護士が、初めて心の底から真実を知りたいと願う。
やがて、三隅と被害者の娘・咲江(広瀬すず)の接点が明らかになり、新たな事実が浮かび上がる──。

9月9日(土)全国ロードショー。

公式サイト:
http://gaga.ne.jp/sandome/

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監督・脚本・編集:是枝裕和  
キャスト:福山雅治、役所広司、広瀬すず、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、市川実日子、橋爪功
配給:東宝・ギャガ   
©2017『三度目の殺人』製作委員会     
    


マイク・ミルズ監督来日Apple Store「Meet the Filmmaker」『20センチュリー・ウーマン』


映画情報どっとこむ ralph 前作『人生はビギナーズ』が世界中で称賛されたマイク・ミルズ監督が、アカデミー賞オリジナル脚本賞にノミネートされた最新作『20センチュリー・ウーマン』を携え来日。

3月28日(火)にApple 銀座(東京・銀座)で行われたApple Store「Meet the Filmmaker: マイク・ミルズ」に、プライベートでも親交のある現代美術作家で、COSMIC WONDERを主宰する前田征紀さんと共にトークを繰り広げました。

日付:3月28日(火)
会場:Apple 銀座
登壇:マイク・ミルズ監督、前田征紀

映画情報どっとこむ ralph
前作『人生はビギナーズ』はゲイであることをカミングアウトした自身の父をモデルにしたが、本作の型破りなシングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)のモデルは自身の母親。ここで描かれる物語について

ミルズ監督:僕の人生の物語です。

と明かし、自らのパーソナルな部分を描き続ける点について

ミルズ監督:決して最初からそういうものを作ろうと思っていたわけじゃなかった。

と、語ります。


映画の中には姉、そして監督自身がモデルの登場人物もおり、当然、作品作りにおいて、自分自身と向き合うことが必要となるが、この点について

ミルズ監督:脚本の執筆の段階が一番大変かな。自問自答し、自分に疑いを向けながら延々と机に向かわないといけないんだ(苦笑)。パーソナルな部分をパブリックなものに変えて、自分だけのものをみんなにシェアするという作業が必要になる。大切なものが遠くに行ってしまうような感覚になるんだ。でも、撮影が始まると、そこには家族のような仲間たちがいて、夢がかなうような楽しい日々で、現場では有頂天だったよ。

と振り返りました。

映画情報どっとこむ ralph パリで出会い、アーティストとして互いに影響を受けながら、親交を深めてきたという前田さんは、映画以前にミルズ監督のドローイングを目にしたそうで

前田さん:瞑想的な部分があり、そこに惹かれました。映画は全ての場面が美しく、その連続。まさにドローイングで見せたような瞑想的な効果が表れていると思います。

と称賛。

映画はまさに監督が思春期を過ごした1979年のカリフォルニア州のサンタバーバラを舞台に展開していますが、劇中、カーター大統領の演説シーン、登場人物たちが耳にする音楽や当時のカルチャーなど、歴史的背景が細かく描写されています。

ミルズ監督:今回、母親を中心に3人の女性を描いてますが、全員、パワフルでユニーク。特に母は、大戦中は戦闘機のパイロットになりたくて、その後も建築家を目指すなど、当時の価値観から言っても女性らしくない人間であり、そんな人物を描く上で、歴史的な背景は必須でした。

と説明する。前田さんは特に、このアネット・ベニングが演じる母親・ドロシアが心に深く残ったよう。

前田さん:興味深く、感動しました。表情が素晴らしかったです」と絶賛!ミルズ監督は自身の母をモデルにした役柄にアネット・ベニングを起用した理由について「母親は、反逆児的で『こうあるべき』という価値観に従わない女性。アネットのこれまでの作品を見ると彼女は男の子のようなところがあり、力強くファニーで、先の読めないところがすごくよかった」と説明した。

映画情報どっとこむ ralph 改めて、なぜいま、母親を題材にした映画を? という質問には

ミルズ監督:自分でもわからないし、これまでも自分は自分のタイミングで作ってきた」と説明しつつ「トランプ大統領の時代を迎えて、その『なぜ?』を考えて今後は作っていくべきなのかもしれないです。母は、多くのものと戦いながら生きてきた女性で、どうしたら枠を飛び越えて行けるのかを考え続けて生きた人間。そんな女性を描くことは素晴らしいことだと思ったんです。

と述べました。また、もしもお母さんがこの映画を観たらどんな感想を持つと思うか?と言う質問に

ミルズ監督:母は、自分の気持ちを語ろうとしない人で、何を言うのか予想ができない人でした。僕自身、そこに葛藤を感じることもあったけど、彼女はひとりの女性であると同時に、僕の母親でもあったわけで、割り切って描いてしまえばいいんだ! という気持ちでこの映画を作ることにしました。だから、彼女がこれを見て何というかは僕には予想がつかないね…

と笑みを浮かべながら語っていました。


20センチュリー・ウーマン

は6月3日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国公開です。



20cw.net

物語・・・
1979年、サンタバーバラ。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期を迎える息子ジェイ ミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に悩んでいた。ある日ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家アビー(グ レタ・ガーウィグ)と、近所に住む幼馴染みで友達以上恋人未満の関係、ジュリー(エル・ファニング)に「複雑な時代を生き るのは難しい。彼を助けてやって」とお願いする。15歳のジェイミーと、彼女たちの特別な夏がはじまった。

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監督・脚本:マイク・ミルズ『人生はビギナーズ』
出演:アネット・ベニング『キッズ・オールライト』、エル・ファニング『ネオン・デーモン』、グレタ・ガーウィグ『フランシス・ハ』、 ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ『スポットライト 世紀のスクープ』
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド
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