映画情報どっとこむ ralph 20日より公開となる柄本佑主演の劇映画『痛くない死に方』の監督・脚本の高橋伴明と、『痛くない死に方』の助監督で、13日より公開となるドキュメンタリー『けったいな町医者』の監督・撮影・編集の毛利安孝が、映画を語るWEB番組「活弁シネマ倶楽部」にゲスト出演。映画の構成や、出演の柄本佑や宇崎竜童などについて語られた。
活弁シネマ倶楽部
『痛くない死に方』は、在宅医療のスペシャリストの長尾和宏の著書が原作。
高橋監督は、「最初に読んだのが『痛い在宅医』。在宅医療に関するクレームに対して長尾さんが答えている著書で、それをドラマの様にしたのがこの映画の前半分。後半は作り物。」と解説。長尾先生からは脚本には特に注文がなかったそうだが、「死ぬところにはこだわりがあり、『こういう呼吸だ』と教えてもらいながら撮影をしていた。映画的ではない死ぬシーンを作ろうと長回しをした。」と回想した。
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柄本佑演じる主人公の在宅医は、前半と後半で変わっていくとの指摘に、高橋監督は「王道の成長物語。それを真ん中に据えて、(在宅医療の)悪い例といい例を演じてもらった」と答えた。冒頭、柄本佑演じる主人公は悪役にも見えるという指摘には、「実際にはああいう感じの在宅医は結構いるんです。その代表選手みたいな気分でああいうキャラにしました」とのこと。

主演の柄本佑に関して聞かれた高橋監督は、「正統な俳優。生まれついての俳優。歌舞伎俳優のように血統書付き。」とユーモア一杯に回答。末期がん患者役で白髪姿で出演した宇崎竜童に関しては、監督からの発注ではなく、「衣装合わせに、あの雰囲気で来たんです。」と役作りは本人の中でできていたそう。

『痛くない死に方』に登場する在宅医は、ドキュメンタリー『けったいな町医者』内の長尾先生のように、歌を歌ったりはしない理由について、高橋監督は、「佑のキャラにあれをやらせると、長くなっちゃう」と答え、本作はあくまでも看取りがテーマで、在宅医療に真面目に取り組んでいるうちに成長するという話にしたそう。

ドキュメンタリー『けったいな町医者』で長尾先生を追った毛利監督は、長尾先生について、「著書に書いていることを体現されている。書いてはいるが、眉唾かと思いながら助手席にいたけれど、誠実に真面目に取り組んでいられた。全く嫌な顔をせず、ここまで愚直にやるんだとびっくりしました」と2ヶ月以上追ったからこそわかった感想を吐露。
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ラストの最期の瞬間はすごいシーンだが、毛利監督曰く「(長尾先生に撮影はもう終わりで東京に)帰ると言った日の夜なので、連絡がなかったら本当は新幹線に乗っていました。情報の順序を少しいじっているところはありますが、ほとんど時系列そのままです。」と説明。長尾先生の著書が原作の劇映画と、長尾先生が被写体のドキュメンタリーなのに、全く違うものになっているとの指摘に高橋監督は、「違う作品になっているけれど、お互いにフォローし合う作品」と言い、インタビュアーの月永理絵さんも2作を観て、「『痛くない死に方』は俳優さんが演じているけれど、『けったいな町医者』を観て、事実に基づいてこの映画が出来上がったのかという互換関係を感じた」とのこと。

映画情報どっとこむ ralph 「活弁シネマ倶楽部」では、両企画の経緯など、裏話も披露。公開に伴い、番組での裏話もチェックしてみては如何だろうか。

■活弁シネマ倶楽部■ 


公式ツイッター:
@katsuben_cinema 
公式HP:
https://katsuben-cinema.com/

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『痛くない死に方』

2月20日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開

公式サイト:
@itakunaishinikata.com
痛くない死に方_ポスター
STORY 
在宅医療に従事する河田仁(柄本佑)は、日々仕事に追われる毎日で、家庭崩壊の危機に陥っている。そんな時、末期の肺がん患者である大貫敏夫(下元史朗)に出会う。敏夫の娘の智美(坂井真紀)の意向で痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したとのこと。しかし、河田は電話での対応に終始してしまい、結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。「痛くない在宅医」を選んだはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまった。それなら病院にいさせた方が良かったのか、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、智美は河田を前に自分を責める。在宅医の先輩である長野浩平(奥田瑛二)に相談すると、病院からのカルテでなく本人を見て、肺がんよりも肺気腫を疑い処置すべきだったと指摘される河田。結局、自分の最終的な診断ミスにより、敏夫は不本意にも苦しみ続け生き絶えるしかなかったのかと、河田は悔恨の念に苛まれる。
長野の元で在宅医としての治療現場を見学させてもらい、在宅医としてあるべき姿を模索することにする河田。大病院の専門医と在宅医の決定的な違いは何か、長野から学んでゆく。
2年後、河田は、末期の肝臓がん患者である本多彰(宇崎竜童)を担当することになる。以前とは全く違う患者との向き合い方をする河田。ジョークと川柳が好きで、末期がんの患者とは思えないほど明るい本多と、同じくいつも明るい本多の妻・しぐれ(大谷直子)と共に、果たして、「痛くない死に方」は実践できるのか。

出演者  
柄本佑 坂井真紀 余貴美子 大谷直子 宇崎竜童 奥田瑛二
大西信満 大西礼芳 下元史朗 藤本泉 梅舟惟永 諏訪太朗 田中美奈子
真木順子 亜湖 長尾和宏 田村泰二郎 東山明美 安部智凛 石山雄大 幕雄仁
長澤智子 鈴木秀人

スタッフ
監督・脚本:高橋伴明  原作・医療監修:長尾和宏
製作:内規朗、人見剛史、小林未生和、田中幹男
プロデューサー:見留多佳城・神崎良・小林良二
アソシエイトプロデューサー:鈴木祐介、角田陸  企画協力:小宮亜里
音楽:吉川忠英 撮影・照明:今井哲郎 美術:丸尾知行 録音:西條博介
編集:鈴木歓 助監督:毛利安孝 制作担当:植野亮 装飾:藤田徹 衣裳:青木茂
ヘアーメイク:結城春香 医療協力:遠矢純一郎、井尾和雄
制作:G・カンパニー  配給・宣伝:渋谷プロダクション
製作:「痛くない死に方」製作委員会
尺:112min  
©「痛くない死に方」製作委員会

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『けったいな町医者』

公式サイト:
@kettainamachiisha
けったいな町医者
あらすじ
1995年、病院勤務医として働いていた際に、「家に帰りたい。抗ガン剤をやめてほしい」と言った患者さんが自殺をした。それを機に、阪神淡路大震災直後、勤務医を辞め、人情の町・尼崎の商店街で開業し、町医者となった長尾和宏。病院勤務医時代に1000人、在宅医となってから1500人を看取った経験を元に、多剤処方や、終末期患者への過剰な延命治療に異議を唱える”異端”。

暦を過ぎた長尾は今も、24時間365日、患者の元に駆け付ける。そんな長尾の日常をカメラで追いかけたのは、新型コロナが猛威を振るう直前の2019年末。転倒後、思うように動けなくなり、以前自分の旦那を看取った長尾を往診に呼んだ女性や、肺気腫に合併した肺がん終末期の患者さんなどの在宅医療を追った。
リビング・ウィル(終末期医療における事前指示書)と長尾の電話番号を書き残し、自宅で息を引き取ったばかりの方の元に駆けつけた際の貴重な映像も交え、昼夜を問わず街中を駆け巡る長尾の日々を追うことにより、「幸せな最期とは何か」「現代医療が見失ったものとは何か」を問いかける、ヒューマンドキュメンタリー。

出演:長尾和宏
ナレーション:柄本佑
スタッフ
製作:人見剛史、内槻朗、小林未生和
エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介、見留多佳城
企画:小林良二 企画協力:小宮亜里
プロデューサー:神崎良、角田陸
監督・撮影・編集:毛利安孝
制作会社:G カンパニー
配給・宣伝:渋谷プロダクション

尺:116min
(c)「けったいな町医者」製作委員会

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