映画情報どっとこむ ralph 「講談社青い鳥文庫」で累計発行部数300万部を誇る人気シリーズ「若おかみは小学生」。

4月よりテレビ東京6局ネットにて、本シリーズのTVアニメも放送され、大きな話題を呼びました!さらに、「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」等、数多くのスタジオジブリ映画の作画監督でも知られる高坂希太郎が『茄子 アンダルシアの夏』(03)以来15年ぶりとなる劇場公開作の監督を務めた劇場版『若おかみは小学生!』がついに9月21日(金)より全国公開となりました!

この度、映画公開を記念したトークイベントが新宿バルト9で行われ、高坂希太郎監督、齋藤雅弘プロデューサー、豊田智紀プロデューサーが登壇いたしました!上映後に行った熱いティーチインの様子をお送りいたします。

日時:10月5日(金)
場所:新宿バルト9
登壇者:高坂希太郎監督、齋藤雅弘プロデューサー(DLE)、豊田智紀プロデューサー(マッドハウス)

映画情報どっとこむ ralph 今回の舞台挨拶の決定後に座席は即完売し、急遽、追加舞台挨拶も決定するなど大盛況の本作。

満席の会場から盛大な拍手で迎えられ、高坂希太郎監督、齋藤雅弘プロデューサー、豊田智紀プロデューサーが登壇。

高坂監督:本日は雨の中、足を運んでいただきありがとうございます。監督を担当しました高坂です。

と挨拶し、続けて齋藤プロデューサー、豊田プロデューサーが挨拶し、イベントはスタートした。

Q. (監督へ)15年ぶりに劇場版映画の監督を務められましたが、作品が完成して順調に公開が進んでいる状況ですが、今のお気持ちはいかがですか?

高坂さん:最初にこの話をいただいた時に、ちょっと抵抗感があって、児童文学というものにあまり触れてこなかったし、目の大きなキャラクターにも接点がなかったので、「なんで私が若おかみ…」という感じで引き受けたんですが(笑)、やってみたら原作も良く出来ているお話だったので惚れ込んでつくっていました。原作のファンをターゲットにつくり、何とか形にしました。

Q.(プロデューサーのお二人へ)プロデューサーとして役割はどのような部分を担われているのか教えていただけますか?

齋藤さん:僕が製作委員会とかビジネス周りのプロデューサーを担っていました。

豊田さん:マッドハウスの現場で高坂さんやTVシリーズのスタッフと一緒に現場を回していました。

Q. 本作はテレビシリーズとの連動などいろいろ仕掛けがある作品ではあったと思いますが、どんな狙いがあったのかも教えて下さい。

齋藤さん:原作は非常に人気のある作品ではあったんですが、(発売から)少し時間が経っているという所もあったので、まずは『若おかみは小学生!』の映像化を盛り上げようという事で、劇場版とTVシリーズをセットで動かしました。当初は劇場版を先行にして動かしていたんですが、後からTVもあったほうがいいよねという話になり、割と軽い感じで決めちゃったんですが、同時並行で製作するというとんでもない大変な事になりました(笑)今回は、マッドハウスさんに劇場版とTVシリーズの両方をお願いしたんですが、それぞれ違うチームでつくっているので、当然、劇場版は高坂さんなりの色が出ていて、TVシリーズは増原監督と谷監督の解釈で違う展開なので、ひとつで二度おいしい作品になっています。

豊田さん:正直に言うと、劇場版の制作がスタートした段階で、TVシリーズの話もあったんですが、具体的にどうするか決まっていなかったので、高坂監督には普通に一本つくって下さいとお願いしました。それから一年程経って、TVシリーズを動かす事になったんですが、TVのスタッフには劇場版につなげるなど考えずに、TVシリーズとして割り切ったものをつくっていきましょうと言いました。TVシリーズの方が去年の夏くらいからアフレコがスタートしていて、高坂さんには、最初のアフレコシーンだけ見ていただきました。

高坂監督:(TVシリーズと劇場版のすり合わせについては)雑談程度には向こうの監督と話はしていましたが、特に作品に踏み込んだ話というのはなかったですね。

映画情報どっとこむ ralph Q. 劇場版とTVシリーズでキャストが被っている役に関しては、どのようにキャスティングしたんでしょうか?

豊田さん:キャスティングに関しては、音響製作の担当者が同じだったので、監督たちも交えて、誰にしようか話が進みました。小林星蘭さん他メインキャストはオーディションで選び、サブキャストは音響製作側から何名か提案いただいて、監督たちが人選していきました。

Q. 公開直後、大人でも泣けるなどSNS上では大絶賛が続き、ツイッターのツイート数でも映画カテゴリーで1位をとるほどの盛り上がりぶりです。会場にも大人のお客様がたくさん駆け付けていただいています。この盛り上がりを受けて、今のお気持ちを教えてください。

高坂監督:本当につくって良かったなとしみじみ思っています。原作ファンに訴求すればいいなと思っていたので、色々な方のご意見やアドバイスをいただきながらつくった、奇跡のような作品だと思っています。原作者の令丈さんのアドバイスもありましたし、吉田玲子さんの素晴らしい脚本や、プロデューサーの意見などもまとめてつくった作品でした。自分だけでつくっていたら全然違うものになっていたと思うので、本当にタイミングよく色んな人の意見を統合することができて良かったと思っています。

齋藤さん:(監督の話を聞いていて)ダビングが終わった後に、最後にシーンを付け足したいんだと言われた時は、さすがに止めました(笑)高坂さんの目指すフィルムを尊重したいなという気持ちでいました。児童文学が原作で、小学生の特に女の子に人気のある作品なんですが、男女問わず幅広い年齢層の方に受け入れられて、形にして世に送りだして良かったなと思います。

豊田さん:スタートした時は色々なスタッフに「高坂監督がこれをやるの?」と言われ、それから3年かかって出来上がって、感無量です。ありがとうございます。

Q. (監督へ)グローリー・水領は未来のおっこをイメージしているとおっしゃていますが、当時、原作を読んでいたおっこ世代の読者がグローリーに成長したという意味なんでしょうか?

高坂監督:そこまでの意図はなかったんですが、色んなお客様が来るので、統一感に欠けるという面があると思うんですね。そういう意味合いから、ある種、内容を現在のおっこ・未来のおっこ・過去のおっこにしたら統一感がでるんじゃないかという意識でつくりました。

Q. グローリー・水領はアニメファンにすごく人気がありますが、その辺りは意識されていたんですか?

高坂監督::仕掛けにうまく引っかかってしめしめと思っています(笑)彼女の色々なメイクにもちゃんと反応してくれて嬉しいですね。最初に露天風呂のシーンで眉毛をなくした方がいいんじゃないかと思ったんですが、それは女性スタッフに止められました(笑)

Q. 温泉プリンの元ネタになったカラオケバー「フレンズ」のママの起用理由を教えてください。

高坂監督:スピンオフも含めて原作ファンに訴求したいなという下心があり、当初からターゲットにしていたので作品に盛り込みました。

Q. 原作はエピソード数も多いですが、ストーリーを選ぶ基準や泣く泣く諦めたエピソードはありましたか?

高坂さん:90分厳守と言われていて、シナリオ段階では、お客さんとして秋に稲田老人が来る予定だったんですが、絵コンテの段階で入れられないという事になり、最終的には稲田老人の要素もミックスした木瀬親子が来るという事になりました。

豊田さん:最初に高坂さんがプロットを書いて、その段階では藍竜もいたんですが、作品には入らない事がわかり、なくなりました。

高坂監督::思いついたイメージをどんどん絵にしていきました。話すよりも絵に描いた方が説得力があると思い描きました。エンディングでイメージボードが使われているんですが、人前に出すための絵ではなかったので最初は反対したんですが、最後は押し切られました(笑)でも今は良かったなと思っています。

Q. 「ホモ・デウス」の原書の表紙が登場していて大変驚きましたが、登場させた経緯はありますか?

高坂監督::「サピエンス全史」で好評だったユヴァル・ノア・ハラリさんの著書なんですが、真月の未来へ思考を巡らせるというキャラクター性を表現する意味で、キャッチャーかなと思い、こっそり仕込んでおいたんです。でも、見つかって権利問題になりました(笑)

豊田さん:高坂監督に「消しましょう」と言ったら、「嫌だ」と言われました(笑)

齋藤さん:ビデオ編集を何日かやって、最終日の午前中に原作者のハラリさんから使用許諾のメールを直々にいただきました。どのシーンに出てきたか分からない方は、二度三度と見てほしいですね(笑)

映画情報どっとこむ ralph 普段は聞けない制作の裏側など貴重な話も飛び出し、終始和やかな雰囲気の中イベントは進行。

本編には入らなかったが、監督が追加したかったシーンの話題も出て会場は大いに盛り上がった。

最後に代表して

高坂監督:皆さんご覧いただき本当にありがとうございました。

と駆け付けたファンへ向け、真摯な気持ちを伝え、大盛況の中イベントの幕を引いた。

若おかみは小学生

絶賛公開中

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原作:令丈ヒロ子・亜沙美(絵)(講談社青い鳥文庫『若おかみは小学生!』シリーズ)

監督:高坂希太郎
脚本:吉田玲子、音楽:鈴木慶一 他

キャスト:小林星蘭、水樹奈々、松田颯水、薬丸裕英、鈴木杏樹、ホラン千秋、設楽統(バナナマン)、山寺宏一 他

主題歌:藤原さくら「また明日」(SPEEDSTAR RECORDS)

製作:若おかみは小学生!製作委員会
アニメーション制作:DLE、マッドハウス 配給:ギャガ

©令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会

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