この度、世界を挑発し続けるカリスマグラフィティアーティスト・バンクシーと彼の絵がもたらす影響力に迫るドキュメンタリー『バンクシーを盗んだ男』が8月4日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開となります!
そして、21日。映画『バンクシーを盗んだ男』ジャパンプレミアinカリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018にて行われました。 世界最速公開が日本で決定している本作のジャパンプレミアを開催!これを記念し、第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した「大家さんと僕」の作者・矢部太郎さん(カラテカ)と、過去に正体不明の謎の覆面アーティスト「バンクシー」に実際にインタビューをし映画『Banksy in NY』の翻訳を手掛けた鈴木沓子さんのトークショーを行いました。 日時:7月21日(土) |
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矢部さん:先生、先生といわれることが増えて慣れない日々ですが、手塚さんの名を汚さないように気を付けていきたいと思います。 とまず笑いを誘った。 今回は鈴木さんの紹介で矢部さんのイベントへの参加が決まったそうで・・・ 「大家さんと僕」のインタビューをした際に鈴木さんに「、バンクシーの翻訳されてますよね?」と矢部の方から鈴木に声をかけられたのがきっかけ。 鈴木さん:矢部さんがバンクシー!?と驚きましたが、あまり話ができなかったので、もっと話したいと思い紹介しました。 今日のイベント実現。バンクシーを好きな理由を聞かれ、 矢部さん:匿名でやっていることがすごいなと思っています。自分は名前を出して活動しているので、そこに感心しています。 と持論を語ると会場からは笑いがおきた。 矢部さんとバンクシーとの最初の出会いは青山のオシャレなお店に入ってしまい、買わないと出られないという空気を感じ偶然手にしたのがバンクシーのキャップだったという話を聞き 鈴木さん:今はもう、そういうものを売ったりしていないので、そのキャップすごい値段だと思いますよ。 と教えると 矢部さん:えーー!みつからないんですよ! と残念そう。 |
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これまでのバンクシーが関係した作品を観た感想を
矢部さん:作品も好きだし、やろうとしていることが崇高で志が高い。 とした。それに対して、 鈴木さん:絵を書くだけで満足してないところがすごいですよね。 と付け加えた。 バンクシーの代表作に関しての話になり、パレスチナに描かれている“フラワーボンバー”に関して 矢部さん:こういう状況でもユーモアがあって、見る人の気持ちをフワっとさせる感じがありますよね。この映画でも出てくる絵だけど、映画の中で描かれているそのままの状況で観るのがいいですよね。 とその作品をバンクシーが描いたその場所の姿のままみるのがいいと薦めた。 窓の男という作品が好きという矢部さんはその理由として 矢部さん:壁に書く大喜利としてかなり面白いですよね! とお笑い芸人らしいコメント。「窓大喜利って意味では、、」と他のニューヨークに書かれた絵を紹介した。鈴木さんにその絵の意味を聞くと と説明されました。 すると、 矢部さん:たまにテレビに出るものとして身につまされる思いですね。 と恐縮。本作でも描かれているように、バンクシー作品はすぐに切り取り持ち去られてしまいその場所に描かれた本来の絵の意味を失ってしまっているという事に触れると、 矢部さん:ここに描いてその場所込みでフリができているのに、そのフリが弱くなってしまったらボケたところで全然面白くないですから!すみません、芸人ぶってしまって。 とまた気がついたように恐縮し、会場からは笑いが起きた。 |
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そしてバンクシーにインタビューをしたことがあり、バンクシー作品に精通した鈴木さんは
鈴木さん:毎回バンクシー絡みの作品が出てくると、どこまでバンクシーは関わっているのか?という話になりますが、今回ははじめて反バンクシーのような要素もあってドキュメンタリーとして面白いですよね。 と話す鈴木さんに 矢部さん:バンクシーがこの作品に関わっていない可能性はあるんですか?色々なユーモアを感じる描写を観ると関わっていると僕は思います。 と正体不明のバンクシー作品らしいトークが繰り広げられた。 矢部さんがもしアートを残すならどこがいい?との質問には 矢部さん:匿名で絵を描くなら新宿の吉本興業本社を真っ白にして、この会社は真っ白なのかな...って思ってもらいたい。黒がいいですかね?どうだろう淡いグレーとかがいいかな?(笑) と矢部なりの社会風刺も飛び出した。 バンクシーに実際に会ったことがある鈴木さんにMCが恐る恐る印象を聞くと 鈴木さん:眼光が鋭く、きれいなクイーンズイングリッシュでストレートに世界をよくしたい、と語っていました。 と慎重に表現。 |
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最後に・・・ 矢部さん:バンクシーは世界にむけて描いていて、それによって狂ってしまう人がいたりして、でもそれもバンクシーの作品の一部で、そこから議論が生まれ、僕らの世界が変わっていくこともまたその一部。今日ここにいることも一部。みなさんも映画を観てバンクシーの一部になってください。 とコメント。 鈴木さん:元々アートは市民のものなのに、今は誰のものなのか?っていうのがわからない現状を知れる良い映画になっています。ぜひぜひみなさんに観ていただきたいです。 と語ってイベントを閉めました。
が8月4日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開 公式サイト:banksy-movie.jp |
監督:マルコ・プロゼルピオ ナレーション:イギ―・ポップ
配給:シンカ
提供:シンカ、スキップ、パルコ
協力:アニモプロデュース
宣伝:スキップ
2018年/イギリス・イタリア/カラー/デジタル/英語/93分//映倫区分:G