映画情報どっとこむ ralph “映画を語る”WEB 番組「活弁シネマ倶楽部」の最新作が本日 20:00 から配信。映画『嵐電』の監督・鈴木卓爾が出演。

『活弁シネマ倶楽部』『嵐電』鈴木卓爾監督

『嵐電』は京都市の西に位置する四条大宮、嵐山、北野白梅町を結ぶ「京福電気鉄道嵐山線(通称:嵐電) 」をキーワードに展開される恋愛群像劇。嵐電が走る沿線には数々の名作を生んできた大映撮影所や現在も使用される東映京都撮影所など、日本映画の基盤をつくりあげてきた撮影所が点在している。本作では、そんな映画づくりとは切っても切り離せないスポットで繰り広げられる人間模様を繊細かつリアルに描いている。

鈴木監督は本作のテーマである嵐電について「(京福電鉄に)勝手に撮らせて下さいと言いに行った。タイアップや出資の申し出でもなく、“ただ嵐電が撮りたい”という想いだった。」と監督としての純粋な想いを語っている。また、現在も運行している電車での撮影ということで「NG だと次は(電車が来るまで)50 分待たないといけない。それに合わせて、まるで電車と一緒に芝居しているように振る舞っていた。 」と撮影の裏側を明かす場面も。

動画内では、鈴木監督が『嵐電』での新しい挑戦についても語っている。鈴木監督は「『ジョギング渡り鳥』や『ゾンからのメッセージ』では普通の映画の撮り方はしないし、したくないし、もう嫌だ。コントロールされて映画がつくられていく状況を見ていられないし、やりたくもないと思っていた。 」と過去作を振り返り、加えて、 「 『嵐電』は、もう一度、日本映画の撮り方の中で、自分自身を再生させようという気持ちもすごく強くあって、学生とプロの俳優がお互いの持っているものを持ち寄って、何が生まれるかを見てみたかった。 」と、胸の内を吐露している。

トークはさらに進み、京都造形芸術大学映画学科准教授でもある鈴木監督の、チームでの映画づくりに対するこだわりも垣間見える。鈴木監督は「脚本というのはなにも書いていない。書いていない部分をどうやって捉えていくのか。その捉え方は実は脚本には書いていない。脚本と同じぐらい重要な作業が、現場にやってきたスタッフたちによって、全く透明な脚本がもう一冊渡されているようなもの。それが、世界観。企画の段階からその世界観は用意しておく。ストーリーと登場人物だけでは映画をつくることはできない。」とチームでの映画作りを強調する。

そして自身の脚本執筆については「脚本に名前を載っけるのは『ゲゲゲの女房』以来2回目なんです。だから、『ゲゲゲの女房』と『嵐電』を観てもらうとだいたい似ているんです。」 と言及している。

活弁シネマ倶楽部は今夜 20:00 より YouTube にて配信が開始される。

映画情報どっとこむ ralph 監督・脚本・プロデューサー:鈴木卓爾 プロフィール

1967 年、静岡県生まれ。京都造形芸術大学映画学科准教授。長編映画作品に『私は猫ストーカー』(09 年)、『ゲゲゲの女房』(10 年)、『ジョギング渡り鳥』(16 年)等がある。2018年、SF 映画『ゾンからのメッセージ』を全国で公開中。少し不思議な人間外世界を意識した世界観の中に、ささやかな人々のドラマを描き、フィクションの地平を拡張し続ける。俳優としても活躍し、『容疑者 X の献身』(08 年)、『セトウツミ』(16 年)、『あゝ荒野』(17年)など、多数の作品に出演している。

映画情報どっとこむ ralph 『嵐電』

http://www.randen-movie.com/

イントロダクション
京都を走る嵐電の中で、溝口健二監督に「映画に出ませんか?」とスカウトされ、『武蔵野夫人』(1951 年)や『新平家物語』(1955 年)に出演をした俳優・西田智を父に持つ、京都の嵐電界隈に住む映画製作者・西田宣善の発案からこの映画はスタートしました。例えばF・W・ムルナウの『サンライズ』(1927 年)、例えばアキ・カウリスマキの『浮き雲』(1996年)などのように、古今東西を問わず、市街電車の走る情景は非常に映画的な装置として、観客を魅了して来ました。西田は、撮影所のある街で起きるラブストーリーを、鈴木卓爾監督に依頼しました。

鈴木は 2016 年より京都造形芸術大学映画学科の准教授に就任、京都に住み込み街の空気を吸収し、『嵐電』のシナリオ開発を開始。学生と映画のプロフェッショナルとが一緒になって制作される映画学科の劇場公開映画制作プロジェクト「北白川派」で『嵐電』を制作する事になりました。

2018 年 2 月から 3 月、京都市、東映京都撮影所、嵐電の京福電気鉄道株式会社、嵐電界隈にお住まいの方々の協力を得て、撮影が行われました。

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2019 年/日本/114 分
監督:鈴木卓爾
音楽:あがた森魚
出演:井浦新、大西礼芳、安部聡子、金井浩人
製作:ミグラントバーズ、オムロ、京都造形芸術大学
制作協力:北白川派 特別協力:京福電気鉄道株式会社、東映京都撮影所、右京じかん
後援:京都市
配給・宣伝:ミグラントバーズ、マジックアワー
(c)Migrant Birds / OMURO / Kyoto University of Art and Design
     

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