映画情報どっとこむ ralph 東の羽生、西の村山と称されながら29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖の一生を描いた話題の映画『聖の青春』。

映画の公開を記念して羽生善治王座と「聖の青春」の原作者:大崎善生氏によるトークイベントが行われました。

村山聖さんと親交の深かったお二人。トークイベントでは、村山さんと濃い時間を過ごしたお二人からさまざまなエピソードが飛び出しました。

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映画「聖の青春」公開記念イベント
羽生王座と映画「聖の青春」原作者大崎善生氏、村山聖九段を語る

日時:10月19日(水)
場所:日本経済新聞社東京本社2階SPACE NIO
登壇:羽生善治王座、大崎善生(映画「聖の青春」原作者、元「将棋世界」編集長)

映画情報どっとこむ ralph 会場に用意された席数を大きく越え、約400人という大勢の一般客が詰め掛けた本イベント。開始前から立ち見の観客で会場は満杯となり、会場の外からイベントを見る観客の姿も。

羽生さん:村山さんとは十代の頃からの貴重な思い出がたくさんありますね。実際に彼と接していた一人として、『聖の青春』が映画化されたことをとてもうれしく思っています。今日は大崎さんとさまざまな思い出を話せれば。

とご挨拶。続いて挨拶した大崎さんは、本作の原作を執筆した当時を振り返り、

大崎さん:実は村山さんの師匠である森信雄さんに本の為に何かを聞いたことはなかった。それは森さんが毎日のように村山さんの話をしていたからなんです。

と、村山さんと森さんの師弟愛を感じさせる裏話を明かしました。

最初に村山さんが上京する前の大阪での生活に話が及んだお二人。

大崎さん:「彼は半径数百メートルで生活していたようなひとだった。

と、振り返り、大阪にある村山さんが借りていた部屋は、大家の好意で今も残っているそう。

大崎さん:村山さんが住んでいた前田アパートという場所が今でも残っていまして、大家さんが好意で空けたままにしてくれているんですね。いまでも全国からファンが訪れて、多いときは1日に2人来ることも。村山さんの部屋に入って、感極まって泣き出すファンもいるんですよ。

羽生さん:彼に連れられて行きつけの食堂に行ったことを憶えています。

村山さんが地元愛の強い人物であったことを話しています。

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そして、村山さんが東京に行こうと思った理由について

大崎さん:実は、『羽生さんと同じ空気を吸いたい』という理由だったんですよ。

と語ると

羽生さん:本当ですか!? 初めて知りましたよ!

驚く場面も。

羽生さん:一番最初にお会いしたときのインパクトが強かったです。プロになりたての頃の指す将棋は、とても荒削りで対局中もすごく苦しそうなんです。でも、指す将棋はとんでもなく冴えていて、その二面性に異質なタイプなんだなと感じました。

と続け、特別な存在として見ていたことを明かしました。

実は村山さんが生前、最後に負けた相手でもある羽生さん。その対決を振り返り、

羽生さん:9割方(自分が)負けていたが、最後に信じられないミスが出て、村山さんとしてはかなり残念な一局だった。彼の手の動きが印象的で今でも覚えています。

と、村山さんが残した強烈な一手を思い出し心を熱くさせた様子でした。

また、村山さんが亡くなる前、父親にせがみ病を押して広島まで羽生さんに会いに行った話になると

羽生さん:まさか最後になるとは夢にも思っていなかったですね。村山さんは、ひょっこり現れて、ひょっこりいなくなるという印象だったのできっとまた会えると思っていました。

と、それが最後になってしまったことを惜しみました。

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左:羽生善治 右:東出昌大
左:羽生善治 右:東出昌大

最後に・・・

羽生さん:自分が出る映画を観た際は不思議な感覚でした(笑)自身を演じた東出昌大さんの演技に対し、20代の頃の自分の仕草やクセを本当によく研究していましたね。多くの人に観てほしい作品。

と締めました。

映画『聖の青春』

11月19日(土)丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国公開です。

satoshi-movie.jp

左:松山ケンイチ、右:村山聖
左:松山ケンイチ、右:村山聖

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聖の青春ティザー松山ケンイチ  
東出昌大 染谷将太 
安田 顕 柄本時生 鶴見辰吾 北見敏之 筒井道隆
竹下景子/リリー・フランキー

原作:大崎善生(角川文庫/講談社文庫) 
監督:森 義隆『宇宙兄弟』『ひゃくはち』 
脚本:向井康介『クローズEXPLODE』『陽だまりの彼女』
主題歌:秦 基博「終わりのない空」 AUGUSTA RECORDS/Ariola Japan
(C)2016「聖の青春」製作委員会 
配給:KADOKAWA
   

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