本日より『エンドレス・ポエトリー』が新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷にて公開。
公開を記念し、新宿シネマカリテにて「縷縷夢兎(るるむう)」のデザイナー東佳苗さんと、「電影と少年CQ」のメンバーゆっきゅんさんを迎え、トークイベントを開催が行われました。 日時:2017年11月18日(土)15:00の回上映後 |
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本作は、ホドロフスキー監督自身の青春時代を描いた自伝的映画。青年期の葛藤や父との確執、初恋や友情を描き、88歳の監督とは思えないほど瑞々しく描いた作品。
10代の時に初めて観た作品が『エル・トポ』だったという 東さん:その時は、うまく咀嚼できなくただの衝撃だったのですが、だんだんと理解してきました。あの時は、ホドロフスキーがどうしようもない時期だったと思うんですよね。やりたいことがあるのにお金が集まらなくて、“カルト映画”だからっていろんな人に切り捨てられて…。そういった事を経て前作の『リアリティのダンス』や『エンドレス・ポエトリー』のような作品が生まれ、それをとても分かりやすい言葉で伝えてくれるのがとてもうれしかった。 と熱弁。 一方、本作で初めてホドロフスキー作品を観たゆっきゅんさんは ゆっきゅんさん:正直本当に驚きました。こんな作品があるのかって!これまでホドロフスキーを勧められることは度々あったのですが、僕は人から勧められたものを観るタイプではないので(笑)。ただこの作品は本当に素晴らしくて、それから過去の作品も観ました。 と話す。 |
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家族で映画を作るということに
東さん:自分の息子や娘に、全裸になったり、いろんな行為をさせる(笑)というのは普通に考えて常軌を逸しているのに、家族とか関係なくすっと観れるというのはすごい領域。ホドロフスキーにしかできないと思います。きっとホドロフスキーは、自分に言い聞かせるように、息子たちに自分の言いたいことを伝えているのかなと思います。自分が生きて死ぬまでに、伝えたいことを全部伝えることが出来ないと思うから。 と解説。 それに対してゆっきゅんさんも深く同調し、 ゆっきゅんさん:僕はかわいいものが大好きでワンピースを着たり、女の子の趣味とされるものが好きなんですが、映画に登場するような父親だったら大変だった。僕は自分の父親や家族からの抑圧はなかったし、家族以外にも“私には自由に生きる権利がある”とずっと主張し、周りも理解していた。でもそれはきっと時代もあると思う。僕がホドロフスキーの青年時代に生きていたら、きっと自分を解放できていないと思います。 と主人公のアレハンドロと重ねる場面も。 また、デザイナー以外にも、映画監督としても活動している東さん 東さん:2年前に作った『ヘビーシャビーガール』という作品はホドロフスキーに精神的に影響をうけて作りました。それはまだ完結していないので、なんとも言えないんですが、夢を追いかけ、夢を手にし、成功するにはどうしてもお金が必要で、でも、お金のために心を売るという事は絶対したくないという瀬戸際に今も対面しています。やりたい事のために、何かを失ってもやりつづけるという意気込みを、ホドロフスキーから感じました。そして永遠に作り続けないとゴールはなく、ずっと作り続けなければならないという精神的な影響をうけました。 とホドロフスキーからの影響を力説した。 |
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映画『エンドレス・ポエトリー』
11月18日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開中 世界に潜むマジック・リアリズムを追い求め続ける。 舞台は故郷トコピージャから首都サンティアゴへ。 撮影監督は『恋する惑星』(94年/ウォン・カーウァイ監督)など、手持ちカメラを使った独特の映像で知られるクリストファー・ドイル。 公式サイト: |
監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
撮影: クリストファー・ドイル
出演:アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・ターブ、イェレミアス・ハースコヴィッツ
配給:アップリンク
(2016年/フランス、チリ、日本/128分/スペイン語/1:1.85/5.1ch/DCP)
(C) 2016 SATORI FILMS, LE SOLEIL FILMS Y LE PACTE
アダン・ホドロフスキー,パメラ・フローレス,ブロンティス・ホドロフスキー,レアンドロ・ターブ,イェレミアス・ハースコヴィッツ