福山功起監督の長編2作目『鉄の子』が2月13日(土) 角川シネマ新宿、MOVIX川口ほか全国順次公開となります。
主演に田畑智子さんを迎え、福山功起監督が自身の実体験を元にしたちょっぴり切なく、ほろ苦い新たなホームドラマに創り上げています。 そして、この度、監督にインタビューいただき『鉄の子』についてお聞きしました。 |
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Q:監督ご自身の体験が元だとお聞きしましたが、長編2作目にこの題材を持ってこられた理由は?
福山監督:僕の作品は自主映画の頃から「家族」をテーマに、毎回どこかしら自分の体験が入っているのですが、今回は企画の段階から子どもの物語にしようと思っていたので、最初から自分の子ども時代の体験を元にしたプロット作りとなりました。自分の体験を通してだからこそ描くことのできる「家族」を新しい切り口でお客様に届けたいと思いました。 Q:SKIP作品なのでデジタル撮影での作品ですが、観たところフィルムテイストが強く思えますが意図などはございますか? 福山監督:撮影の谷口和寛さんと脚本の段階から映像のテイストについては密に打ち合わせをしました!職人の町「川口」の風情にも合った、デジタルだけどなんか懐かしい。そんな絵に映れば嬉しいです。
福山監督:脚本の段階から主演の母親役では沢山の女優さんを想像しておりましたが(なにせ自分の母親が頭をかすめて、なかなかイメージが固まらずにいました……)、制作会社さんから提案して頂いた、田畑智子さんの写真を見て即決でした! 田畑さんに合わせて年下のだらしないけど憎めない旦那さん役(笑)……裵さんでまた即決でした! 演出で困ったことはなかったです。映画の世界に長くいる女優さん、俳優さんと一緒に仕事をすると勉強させられることばかりでした。そしてとても楽しく演出ができました。 |
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Q:子役の二人がとてもハマっていますが、オーディションでの選考理由は。
福山監督:ませた小学生の真理子役は舞優ちゃんにすぐ決まりました。陸太郎役はとても選考が難しかったです。何せ僕の子ども時代ですから……姉弟みたいなバランスがいいなと。身長と元々その子が持っている雰囲気で選びました。イケメンを選ばせて頂いたのはご愛嬌でお願いします。 Q:子供の二人を撮るにあたり特に演出に心がけたことなどありますか? 福山監督:「子ども」からはみ出さないように心がけました。セリフで伝えるよりも「表情」や「間」で伝えたいと思っていました。 Q:スギちゃん役がいないと、「鉄の子」が成り立たないほどキーになっていますが、彼をこの役に投じたのは? 福山監督:はじめは渋い俳優さんのイメージでしたが、ロケハンで鋳物工場に行くと気さくな優しい職人さんばかりだったんです。製作のアルタミラピクチャーズさんからスギちゃんの名前が挙がり、本物の職人さんと色々お話をさせて頂いた経緯があっての「あっ、スギちゃんいい!」となりました。 Q:離婚同盟の約束内容は実際に? 福山監督:実際にあったことと、記憶を少しデフォルメしているところもあるかもしれません。逆に実際よりソフトに描いているとこもあります。 |
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Q:監督の想いとして観てもらいたいポイントなどありましたらお願いします。
福山監督:一番近くにいる「家族」という存在はとても厄介で愛おしいと思います。決してスケールの大きな作品ではありませんが「家族」を僕の視点で真っ直ぐに描いた映画だと思います。田畑智子さん演じる「やよい」をはじめ、ままならない日常に流される大人たちの葛藤はもちろん、大人の事情に翻弄されながらも、熱い鉄のようにたくましく生きようとする陸太郎と真理子の心の動きや表情に注目して頂きたいなと思います。観てくださったお客様の心に必ず何かを届けられると信じています。 Q:次回作の構想などあれば話せる範囲でお聞かせください。 福山監督:次回作は北陸ロケで長編を予定してます。雪の世界を撮るのがとても楽しみです。これからもお客様に「伝える」映画を心がけて精進したいと思います。ありがとうございました。 |
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物語・・・ 両親の再婚により同い年のキョウダイとなった小学生、陸太郎と真理子の二人が、「リコンドウメイ」を組んであの手この手で両親を離婚させようと奮闘し、鍛えられて強くなる鉄、風を吹き込まれて赤く煌めく鉄をアクセントに、親の身勝手に振り回されながらも懸命に生きる方法を探す子どもたちと、ままならない日常に流される大人とが形成する、ある“家族” を描くヒューマンドラマです。 『鉄の子』 は、2月13日(土) 角川シネマ新宿、MOVIX川口ほか全国順次公開です。 公式サイト:www.tetsunoko.jp |
田畑智子 裵ジョンミョン
佐藤大志 舞優
スギちゃん
監督:福山功起
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ
製作:埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ
配給:KADOKAWA 2015年/日本/74分
©2015埼玉県/SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ