東京有楽町・日本外国特派員協会にて、第 73 回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門でワールドプレミア上映された「ざ・鬼太鼓座」デジタルリマスター(1981 年製作、2016 年デジタル化)の上映が行われました。 第7回東京フィルメックス 林英哲氏プロフィール |
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加藤泰監督の生誕100年を記念して、デジタルリマスターが行われた本作は、第7回東京フィルメックスにてジャパンプレミアが行われ、そして 2017 年 1 月 21 日よりの一般公開に先駆けてのお披露目となりました。
会場には、海外でも非常に人気の高い和太鼓奏者の林英哲氏のQ&Aセッションも行われ、 林氏の本作に対する想いに、質問が集中致しました。 まずは、今回の上映で本作を観るのは3 度目だという林さんは感想 を求められると 林さん:いま観ると演奏は未熟だし、若者の青春の記録の ようにしかみえないかもしれません。当時はまさかこの映画が未公 開になるとは思わず、必死に撮影を頑張っていました。映画が未公 開になったことで、私の運命が変わりその後の人生に大きな影響を 与えられたので、私にとって少しの勇気を出さなければ久しぶりにこの映画を観るという気持ちにはなれませんでした。 と述べられまし た。次に、加藤泰監督の代名詞でもあるローアングルを始めとした、演奏の場面において様々な場所にカメラが 置かれていることに対してパフォーマンスに影響があったか尋ねられた林氏は、 林さん:企画の段階では日本のミュージカル映画にしようということで出発しました。普通のミュージカル映画だと別録りした音に合わせて映像を撮りますよね。ただ、当時加藤監督からは全てのシーンでカメラが回っているところで生の演奏をしてくれと要求されました。劇中の音は全て生録音です。当時の私は、カットが切り替わるときに音が繋がらなくなることを とても心配しました。テンポが違ったり、次のアクションとずれが通じたり。カットがかかる度に演奏を止めて、セ ッティングのために 1 時間ぐらい待たなきゃいけない事もありました。特にクライマックスは汗をかいて顔真っ赤にして演っているのを『はい、続きからもう一度』と言われても出来ないんです。だから、カットの続きからで はなく最初から演奏して汗が出てきて顔が真っ赤になってからカメラを回してもらいました。現場は本当に大 変でしたね、久しぶりに見て思い出しましたよ。 |
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また、当時については
林さん:このグループは、元々音楽をするために集まっ たのではなくて、学生運動の延長で自由な面白い大学を佐渡ヶ島に作 ろうと資金集めがスタートでした。当時美術学生だった私も積極的にやる つもりはなく、人が足りないということで入りました。この映画はそれを一切 説明していないので、これだけ時代が経ってしまうと分からないと思いま す。大変強力なリーダーシップをとる人が代表だったから、彼に忠実に従 うということだけが任務でした。 と振り返りました。最後に当時の若者が伝 統的な音楽に向かう心情を尋ねられると 林さん:私をはじめとして、当時のメンバーたちは伝統芸能には全く興味がありませんでした。というよりは、やら ざるを得なかったんです。これが大学を創るために役に立つことなんだと 信じていましたから。 と、どの質問に対しても海外記者に丁寧に答えられていました。 |
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『ざ・鬼太鼓座』デジタルリマスター
2017 年 1 月 21 日(土)より東京・ユーロスペースにて 名古屋・シネマスコーレ(2 月 4 日~)、大阪・シネ・ヌーヴォ(3 月 11 日~)他にて順次公開です。 |
出演:河内敏夫 林英哲 大井良明 藤本吉利 高野巧 風間正文 近藤克次 鎌田豊数 富田和明
小幡キヨ子 小島千恵子 梅沢容子 山本春枝 鈴木春美 森みつる
監督:加藤泰
脚本:仲倉重郎
撮影:丸山恵司 照明:野田正博
録音:西崎英雄 編集:冨宅理一
電子音楽:一柳慧 美術:梅田千代夫
美術デザイン:横尾忠則
製作主任:池田義徳
題字:粟津潔 製作:田耕
プロデューサー:田中康義
制作:松竹/松竹映像センター
技術協力:IMAGICA
配給:松竹メディア事業部
©1989「ざ・鬼太鼓座」製作委員会