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一般試写会&トークイベント

本年度ゴールデングローブ賞にノミネート、豪華ハリウッドスター&スタッフが集結した話題作『She Came To Me』の邦題を『ブルックリンでオペラを』として、4月5日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋ほかにて日本公開となります。

その豊かさと可能性に胸が躍る、ハッピーな超話題作!
この度、一般募集でご招待した試写会にて、映画ライターの村山章、映画評論家の森直人が登壇するトークイベントが行われました。
ブルックリンでオペラを
『ブルックリンでオペラを』一般試写会
日程:3月28日(木)
会場:ユーロライブ
ゲスト:村山章(映画ライター)、森直人(映画評論家)

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村山章、森直人登壇

この度実施したイベントでは、抽選でご招待した100名以上のお客様を、いよいよ来週に控えた公開に先駆け試写会に招待。

映画ライターの村山章さん、映画評論家の森直人さんが登場し、作品を観終わったばかりのお客さまの温かい拍手に迎えられトークショーが始まった。
本作はレベッカ・ミラー監督が手がける、個性豊かなキャラクターたちが織りなす一筋縄ではいかないラブコメディ。森さんは監督の前作である『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』のグレタ・ガーウィグが演じた主人公もかなり破天荒なキャラクターだったことを懐古し、「レベッカ・ミラー監督の作品の登場人物は、通常のコードを吹き飛ばすようなキャラクターが大量に投下されていて。いい大人が間違ったことをする様子を面白おかしく眺めるウディ・アレンスタイルですよね」とレベッカ・ミラー監督の作風を解説。さらに「もう一方では、1930年から40年代にかけて作られたスクリューボール・コメディというジャンルがあって。ハワード・ホークス監督の『ヒズガールフライデー』とか、ジョージ・キューカー監督の『フィラデルフィア物語』とかがそれに当たるんですが、エキセントリックな展開が多いんですよね。ハリウッドがそれをやめてどんどん正しいことをしようとしているところで、このニューヨーク・インディーズの作品が現代のスクリューボール・コメディとして、滅びてきている中間的な都市型コメディを時代に合わせてやってくれているんです」と語った。

一方で村山さんからは監督の前作までとの舞台の違いについて指摘が。「『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』の舞台はマンハッタンがベース。『50歳の恋愛白書』はマンハッタンからコネチカットに行く話で、やっぱりニューヨークといえばマンハッタンだった。でももう今はマンハッタン島の物価、家賃の上がり方が恐ろしくて。ジェントリフィケーションといって、外から資本がどんどん入ってきて、元々住んでいた人たちが追い出されてしまう現状があるから、マンハッタンの舞台の民情劇って本当に難しくなっている」と、本作でブルックリンが舞台に選ばれた背景を考察した。

そして話題は、本作で主演だけでなくプロデューサーをも務めるアン・ハサウェイの話に。「最近は『バービー』のマーゴット・ロビーも主演とプロデューサーを兼任していたように、自分が出演している、していないとか、脇役だとか関係なしに面白い映画を作りたいんだって人がすごく増えた」と話す村山さんに対し、森さんも「それはハリウッドならぬ映画界全体の危機感からじゃないですか。特に(本作のような)中間的な映画はすごく作りにくくなっていて、劇場公開しないまま配信であまり観られないまま終わる作品も多い。そこに使命感を持ってアン・ハサウェイは取り組んでいるんじゃないかな」と分析した。

本作の中で好きなキャラクターについて聞かれると、「トレイ(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)だよね!」と意気投合するふたり。トレイは劇中で、パトリシアとスティーブンの息子・ジェームズとその彼女テレザの仲を引き裂こうとするいわば悪役的な立ち位置であるが、村山さんは「決して裕福ではないけれどそれなりに頑張って、自分の力でのし上がってきた立派なはずの人が、何かに対してルサンチマンがあって、血の繋がっていない娘の恋人を性犯罪者に仕立て上げようとして。心の拠り所に愛国心というか、正義感を持って傾倒してしまう感じがすごくリアルでした」とただの悪役ではないことを力説した。

また、エンドロールに流れるブルース・スプリングスティーン書き下ろしの主題歌「Addicted Romance」について村山さんはクレジットが流れるまで彼の歌声だとわからなかったことを明かし「やっぱりスプリングスティーンは、シャウトしながら激しいロックを歌うイメージだけれど、実はすごく器用だし音楽性が豊かな人。我々が思っていないような歌唱法で新曲を書いて、この映画にそっと寄り添っているんだよね」と作品に沿って書き下ろされた楽曲を称賛した。
そんな素晴らしい主題歌は、マリサ・トメイ演じる恋愛中毒者のカトリーナに向けて捧げられている。村山さんは「このマリサ・トメイのキャスティングの安心感はすごいよね。この年代の役には色々な可能性があるんだと感じさせてくれる」と、スパイダーマンシリーズのメイおばさんを始め、演じるキャラクターの幅広さを振り返ると、森さんも「マリサ・トメイも人間像を拡張している感じがありますよね。だから(演じるキャラクターが)不決定なんじゃないかな」と分析した。

最後に・・・
この作品について、村山さんは「監督の作品では登場人物がちゃんと間違ったことをする。でも人間はその間違ったことをしても肯定されてもいいというメッセージがあるんだと思います」と話すと、森さんも「ある種仏教的なお話でもありますが、業の肯定ということですよね。」と監督の本作に込めたメッセージを分析した。さらに村山さんは、どうしても気になるシーンがあり本作を3回も鑑賞したことを明かした上で、「3回観ても気が付けていない伏線があって、一筋縄ではいかないレベッカ・ミラー作品は面白いですね」とトークショーを締めくくりました。

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『ブルックリンでオペラを』

原題:She Came To Me

4月5日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋 他全国公開

公式HP :
@BrooklynOpera/

主演は、アン・ハサウェイ。
脚本に惚れ込み、出演と共に、自らプロデューサーもつとめています。
数々の作品を大ヒットへと導いた彼女が20年越しの願いを叶えて組んだ監督は、『50歳の恋愛白書』などを手掛けたロマコメの名匠レベッカ・ミラー。

共演は、大旋風を巻き起こした大人気TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」でゴールデングローブ賞を受賞したピーター・ディンクレイジと、アカデミー賞受賞俳優のマリサ・トメイ。

本作の重要なモチーフとなる現代オペラなどの音楽を手掛けたのはグラミー賞を2度受賞した偉才、ブライス・デスナー。

そしてロック界の重鎮、ブルース・スプリングスティーンが書き下ろした主題歌「Addicted to Romance」が、本年度ゴールデングローブ賞歌曲賞にノミネート。

アートとカルチャーの最先端の街ニューヨーク・ブルックリンに住む一見幸せそうな夫婦。
2人に訪れた突然の出会いがそれぞれの人生にもたらす、〈想定外の愛〉とは!?
時に予想だにしないサプライズをくれる人生。
ブルックリンでオペラを

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監督・脚本:レベッカ・ミラー 
音楽:ブライス・デスナー「カモンカモン」「レヴェナント: 蘇えりし者」
撮影:サム・レヴィ「レディ・バード」「フランシス・ハ」
出演:アン・ハサウェイ「プラダを着た悪魔」「レ・ミゼラブル」、ピーター・ディンクレイジ「シラノ」「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ、マリサ・トメイ「いとこのビニー」「スパイダーマン」シリーズ
2023年/アメリカ/英語/102分/ビスタ/カラー/5.1ch/原題:She Came To Me/日本語字幕:高内朝子/G  
提供:松竹、楽天
配給:松竹
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