映画情報どっとこむ ralph ドイツの名匠ファティ・アキン監督最新作『女は二度決断する』が4/14(土)より(ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、 YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開中)大ヒット中!

公開後のTwitterには、「ファティ・アキンは信用しているが、これまた傑作が来た。」「ここまでストレートで迷いのない語り口で見せてしまうのはただただ脱帽。」「ファティ・アキン監督が遂に正面切って人種差別主義者、ネオナチへの憎悪を作品で爆発させた!」などのファティ・ファン監督ファンからの称賛も多いのと同時に、「ファティ・アキンはじめて観たけど、今年ベスト級の傑作じゃないの」と初めてファティ・アキン監督作の鑑賞で衝撃を受けた声も。

と言うことで!ファティ・アキンのオフィシャルインタビューをご紹介。

映画情報どっとこむ ralph 実に構想20年以上もかけてつくられた『女は二度決断する』。監督はこの映画で何を描こうとしたのか。

Q.この映画を撮ろうと思った経緯について

アキン監督:僕はドイツに住んでいる。ドイツには、人種差別的問題が多くあるんだ。そういった思想を持っている人もたくさんいる。移民の両親を持った僕らは彼らのターゲットになる可能性もあるわけだよね。ずっと僕はそのことが頭の中で引っかかっていて、いつかフィクションでも、そういったものを含んだテーマで映画を撮りたいと思っていた。そうして、アイディアが思う浮かぶまではなかなか時間がかかったけど、ひとつ思いついたらスラスラと書き進められたよ。

Q.それは2015年以降状況が悪化していることも関係しているのでしょうか?

アキン監督:そうともいえるね。カンヌでは“いまの時代を最も表した”とも称されました。でも僕自身はこのテーマ、人種差別やネオナチのことは、高校生の時に考え付いた話。最近顕著かもしれないけど、自分たちにとっては今に始まった話ではなく、90年代から抱える国全体の問題とも思っているよ。

Q.ドイツにおいて、移民難民問題は深刻だと思いますが、悪いことだけではないと思います。多文化共生のポイントは?

アキン監督:一番大事なのは「対話すること」。ある地域にいるグループがいて、そこに新たなグループが入ってこようとする。そんなときに怖がったり、邪険にしたりしてはいけない。まずは「なぜ怖がっているのか?」というのを明らかにしなければいけないし、「なぜ怖がられているのか?」も理解しなければいけない。僕が思うに、映画というのは、人々を一つにしてくれるもの。劇場で多くの人々と一緒に観て、分かり合えないのなら討論できるのだから。そして「対話」あるところに「平和」がある、と僕は思っているよ。

Q.主人公を男性ではなく女性にしたのはなぜでしょうか。

アキン監督:最初は男性で書いてたんだ!俳優で、僕の友人でもあるデニス(デニス・モシット、カティヤ友人弁護士役)でさ。でも行き詰まったものだから女性に書き換えたら、スラスラと書けるようになったんだよ!“母親”という強い要素が推し進めるものが多くあったんだよね。僕が男だから女性と仕事をするってことも非常に興味深いんだ。

Q.サウンドトラックを手掛けた、ジョシュ・オム(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)について

アキン監督:まず、僕がめちゃくちゃファンなんだ。今作の最初の草稿は東西ドイツが統一されたときにあった。ネオナチが台頭してきた頃。僕はそのとき学生だったから、ネオナチを描くってときに、どうしてもこのジャンルの音楽が頭の中に流れてたんだよ。だから今作でも90年代の音楽を取り入れたいとおもっていて、じゃあ、90年代から今なお人気なのは誰だろう?と考えたときにジョシュ・オムがいたんだ。ジョシュ・オムと連絡とって、この映画の最初のラフの段階で送ったんだ。そしたら、すごい気に入ってくれて。そしたらすぐにサントラを書いてくれて、それはもう素晴らしかった。この映画はアグレッシブさとメランコリックなものが合わさっているものだと思っていて、まさに、そんな曲をジョシュは作ってくれたんだ。

Q.エンディング曲がすごく評判がいいです。どんな思い込められていますか?

アキン監督:ジョシュに勧められたんだよ。 劇中の曲は僕のアイディアだったけど、エンディングは何にしようか、ってことが全然思いつかなくて。それで彼に聞いてみたら、これがいいんじゃない?と勧められたのがあの曲だったんだ。すごいピッタリで、あぁ、ジョシュが本当にこの作品のことを理解してくれているんだな、って思ったよ。

Q.ダイアンと印象に残っていることを教えてください。

アキン監督:2012年のカンヌでダイアン・クルーガーに初めて会ったんだ。カンヌ国際映画祭で『トラブゾン狂騒曲~小さな村の大きなゴミ騒動~』が上映され、小さなビーチパーティーを開いていたときに、ダイアンがドイツ語で僕に話しかけてきた。そして彼女は僕に、機会があれば僕の映画に出演したいと言ってくれた。僕は喜んで約束し、4年後にその時が来たんだ。『女は二度決断する』の主演女優を探しているときに、ダイアンを思い浮かべ、彼女に脚本を送ったよ。悲しい話をするのだけれど、ダイアンが撮影中に継父を亡くして、打ちひしがれていたんだ。でも彼女は、それを乗り越え、糧にして撮影していた。偶然にも僕も撮影中に義理の父を亡くしたものだから、この作品はお互いにカタルシス的な想いがあって、僕らの個人的な想いが画面越しに伝わるんじゃないかな。

と語っていただきました。

映画情報どっとこむ ralph

女は二度決断する

2018 年 4月14日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!

是非、ゴールデンウイークに観る映画1本に加えてみてください!

突然の悲劇により最愛の家族を奪われた女。絶望の中、彼女がくだす決断とは――。
本作は『イングロリアス・バスターズ』『トロイ』などのハリウッド超大作やヨーロッパ作品にも出演する国際女優ダイアン・クルーガーが、初めて母国ドイツでドイツ語の演技に挑戦した野心作。監督は30代で世界三大映画祭の主要賞を受賞し、本作でゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞と快進撃を続ける名匠ファティ・アキン。

ドイツで実際に起こった連続テロ事件に着想を得て生まれた本作。突然のテロにより最愛の家族を失った女性、彼女を嘲笑うかのような犯人、思うように進まぬ裁判…。深い絶望の中、やがて彼女はどんな決断を下すのか。その衝撃のラストは大きく胸を揺さぶり、世界中で議論が巻き起こっている。人間の強さ脆さ、切なさに共感し、心に突き刺さる傑作サスペンスである!

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監督:ファティ・アキン
出演:ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、ヌーマン・アチャル、ウルリッヒ・トゥクール

2017/ドイツ/106 分
提供:ビターズ・エンド、WOWOW、朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド

(c)2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathe Production,corazon international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH

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