現在開催中のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。
若手映像クリエイターの登竜門となっている「コンペティション」は、長編部門、短編部門、アニメーション部門構成。 今回、長編コンペに出品されている東京藝術大学大学院映像研究科出身の堀江貴大監督の長編映画『いたくても いたくても』。 7月18日(月・祝)上映され、堀江監督、主人公の星野を演じた嶺豪一、葵役の澁谷麻美、ライバル戸田役の吉家翔琉、実況担当役の芹澤興人、同僚・吉田役の礒部泰宏さんが登壇してのQ&Aが行われました。
『いたくても いたくても』
通販会社の映像制作部で働く星野は、社長が突如始めたプロレス同好会に先輩とともに引きずり込まれる。星野から何かを見出した社長は、社運をかけプロレスと商品紹介を融合させた新番組を始める。
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MC:プロレスに対するこだわりは? 堀江監督:アクションを撮ったことがなくて、プロレス・格闘研究会に入っている友人が多くて。それで今回撮ってみました。プロレス部分で描き切れなかったので新作の短編『はなくじらちち』に盛り込んでいます。 MC:最近では珍しいスタンダードサイズ(4:3 アナログTVで普通だった画面)で撮影したのは何故か? 堀江監督:撮影は中国人の女性カメラマンで謝君謙(シャー・クンケン)さんという方なのですが、一緒にロケハンをしている時に『日本の家屋をきれいに撮りたい』とを提案されたんです。それから、子供のころに観ていたプロレスが4:3だったので、その憧れもあります。 MC:プロレスやってみていかがでしたか? 嶺さん:空手をやっていたんですが、プロレスに挑戦するのは初めてでしたので、肉体改造に苦労しました。練習自体は面白かったのですが、筋肉がなかなかついてくれなくてプロテインを飲んだりしましたね。 吉家さん:冬、横浜みなとみらい21の辺りで、よく2人で練習をしました。練習が終わってふと夜空を見上げると、観覧車がきれいで……『僕たち、何やってんだろうな……』と思ったりしたことも今はいい思い出です。 MC:実況は? 芹澤さん:1日で後から入れたのですが・・・・ああいう実況になっているのが、味になっているかもかもしれません。 堀江監督:実は当時は、嶺さんが映画監督でもあるとは知らなかったんです。俳優として、とても存在感があったので、ぜひまた一緒に映画を作りたいと思っていました。 MC:女性の描き方、脚本を2人で書かれていますが。 堀江監督:基本僕が書いて、木村が決定稿までの流れで、僕が星野を、木村が女性の心情やセリフは彼がという感じですね。 自身が演じた葵という女性を、 澁谷さん:今日、作品を再見して改めて思ったのですが……きつい女性ですよね(笑)。葵は、相手のことをちゃんと思っているんだけど、接し方がきつくなってしまう女の子なんです。そういう部分に私自身も、『こういうことってあるなあ』と共感しつつ演じました。 MC:嶺さんは監督でもありますが?キャスティングは 堀江監督:オーディションに前作に来ていただいてご一緒して、今回は一緒にやりたかったのでお願いしました。実は監督としての嶺さんはあまり知らなかったんです。澁谷さんは、空気感が映画を作ってくれるのではないかとキャスティングしました。 |
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MC:どんな監督ですか?
嶺さん:変わっている設定を見ている監督が面白いなと。 澁谷さん:監督は根っからの人間好きな人。 吉家さん:普遍的な人間の感情を大切にしている方ですね。優しい人ですね。自由にやらせてくれますし。 芹澤さん:穏やかな空気は出していますがマイペースで頑固。でもちゃんと見ていてくれる監督です。 礒部さん:個性的な方が多くて、個性を出したくて衣装合わせの時に、監督に『メガネをかけてみてもいいですか?』と尋ねたんです。すると、すごく喜んでくださって、いい人だな。俳優の意見を大切にしてくれる方なんだなあ、と思いました。 と和やかムードにに語った。舞台裏のエピソードを披露してくれた。 MC:俳優に好きにやらせての間の取り方とか黒沢清監督の手法を取り入れています? 堀江監督:それはないんですけど、黒沢さんの作品大好きなので、無意識に刷り込まれているのかもしれません。 黒沢清監督も、好きな作品とおっしゃっている『いたくても いたくても』は次回、7月22日(金)14時30分より多目的ホールにてQ&A付きで上映されます。 過去記事: |
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<SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016 開催概要>
会期:2016年7月16日(土)~7月24日(日) 公式サイト:
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