映画情報どっとこむ ralph 万田邦敏監督の新作映画『愛のまなざしを』。
その公開を記念して、11月13日に公開記念舞台挨拶を開催し、仲村トオル、杉野希妃、斎藤工、中村ゆり、藤原大祐、万田邦敏監督が登壇しました。
『愛のまなざしを』公開記念舞台挨拶
日時:2021年11月13日(土) 
会場:ユーロスペース 
登壇:仲村トオル、杉野希妃、斎藤工、中村ゆり、藤原大祐、万田邦敏監督
映画情報どっとこむ ralph 万田監督は、見終わったばかりの観客を前に、「ここに今映ったもの全てを撮りたいな、伝えたいなと思って作りました」と淡々とした言葉からも熱い想いを吐露。7万田邦敏監督_『愛のまなざしを』舞台挨拶『UNloved』、『接吻』に続き、キャスティングした仲村トオルについては、「仲村さんとは、『UNloved』の時にお会いして、かっこいい人だなと思って、その後『接吻』とゲスト出演の『ありがとう』という映画に出演していただきましたけれど、信頼関係というか、お互いのことをなんとなく『こんな人かな、本当は?』『案外こんなところがある。』『いい人だな。』だとか、思い合えたのかなと思いつつ、映画を作る機会があれば、絶対仲村さんに出ていただきたいと思っていました」と語った。

仲村も、万田組のオファーがきて、快諾したとのことで、「初めて『UNloved』という映画に出演した時、僕にとっては革命的な出来事だったんですけれど、”表に現れるものこそが表現である”というか、自分の意思とか正義とかを極力排除した結果、今まで見たこともない世界にいる自分というのがとても嬉しい経験だったので、『接吻』も大好きな作品ですし、今回も何の迷いもありませんでした」と相思相愛ぶりを披露した。2仲村トオル_『愛のまなざしを』舞台挨拶仲村がご自身のことを”操り人形”と言っている真意については、「僕が20代の頃は演出家やディレクターの方に対して、『俺は操り人形じゃねぇよ』というような意識を持っていたと思うんですけれど、自分の心と脳みそだけで体を動かそうとしていると、できる範囲のことが限られているなという行き詰まりみたいなものを感じ始めていたタイミングで万田監督と出会うことができました。人に操られる、もしくは人に言われた通りに肉体を操ってみるということがとても新鮮だったし、それまでの限界・壁の外側に出られたという感じがあった」と万田組の魅力を解説。

中村ゆりに、「あんなに熱烈に人に『愛して欲しい』と表現できる綾子が若干羨ましい」と言わしめた綾子を演じた杉野は、クランクアップ後も綾子が抜けなかったとのこと。杉野は、「愛をストレートに伝えて、言ってみれば子供っぽいキャラクターだった。なかなか綾子を愛せなくて、自分が演じた後も嫌だという感じが抜けなかったんですけれど、コロナ禍を経て、綾子の切実さというか、何がなんでも愛をもらいたい、認められたい、好きになって欲しいという感情って、彼女にとっては生きる術だった、あれをしないと生きていけなかったのかなと思って、撮影してから2年で少しずつ消化していった気がします。」と綾子の強烈なキャラクターについて語った。3杉野希妃_『愛のまなざしを』舞台挨拶

斎藤は、「小学2年の時、生まれて初めてカメラの前に立ったのが、実は万田さんの作品で、幼少期なんですけれど、色々な思いが詰まって、今ここに立たせていただいています。(その経験が)自分の血となり肉となり、現在に至るのかなと思っています。多くのエンターテイメントが消化にいいものを作りすぎていて、何も引っかからない離乳食のようなものが増えているような気がしていますが、僕は劇場でお客さんにひっかかる、消化できない、胃の中に腸の中に残る違和感みたいなものを持ち帰る帰り道が、一番の映画体験だと思います。この作品を見た時、歩いて帰りたくなり、豊かな経験できました」と自身の貴重な経験を語った。4斎藤工_『愛のまなざしを』舞台挨拶仲村と斎藤とは念願の共演だそうで、斎藤は、「デビュー当時、仲村さんの幼少期を演じさせて頂いたことがあったんですが、その時『UNloved』が公開して数年後で、そのタイミングで万田さんにお会いする機会があったんです。その後にトオルさんにお会いできたので、僕とトオルさんとは、”開口一番万田さんのお名前を出した”という出会いでした。」と二人と万田監督との特別な縁を披露。

中村ゆりは、仲村トオル演じる貴志の6年前に死んだ妻役で、「旦那さんが見ている幻覚のようでもありますし、何をヒントにやればいいのかと思ったんですが、監督がプランがあったので、私は言うことを聞いて動きました。旦那さんが思っている彼女と本当の生前の彼女はすごく違うんではないかと想像しました。」と夜ごと精神安定剤を服用する貴志の前に現れる薫役の難しさを語った。5中村ゆり_『愛のまなざしを』舞台挨拶
中村は、本作に、仲村の優しさが出ていると思ったそうで、「綾子の触れ方も、繊細に触れる方だと思いましたし、今回初めてお会いした時に、『僕は共演する方のことをWikipediaで調べる』と教えてくださって、私の出身地とかも把握してくださっていて、何て細やかな気遣いをされる方なんだろうと思いました。私もそれから真似して必ずWikipediaを見てから新しい方とお仕事をするようにしています」と裏話を披露した。

本作がデビュー作で、今日が初の舞台挨拶となった藤原は、「僕のことをWikipediaで調べても出てこなかったと思うんですけど」と、ウイットに富んだコメントをして会場を笑わせる大物ぶりを披露。「本作は、2年前に撮った作品で、初めてのオーディションで掴み取った役で初めて芝居でした。だいぶ大きくなったんではないでしょうか?」と話した。父親役の仲村は藤原のサインをもらった理由を聞かれ、「将来価値が出ると思って」と答え、会場も爆笑の渦に包まれた。6藤原大祐_『愛のまなざしを』舞台挨拶

最後に仲村が、「本当にこんなに一人一人の方に『どうでしたか?』と聞きたくなる映画は滅多にないです。いつか文字にできたら、SNSをやっている方は、僕らへの手紙を書くような感じで書いていただけたら、検索して読ませていただこうと思います」と満席の観客にメッセージを送った。

映画情報どっとこむ ralph 万田邦敏監督の新作映画

『愛のまなざしを』

公式HP:
aimana-movie.com


 妻を亡くしたことで、もう二度と誰も愛せないと思いつめ、生と死のあわいを彷徨うように生きる精神科医の前に現れたのは、彼を救済するかのような微笑みをたたえた女だった。堰を切ったかのように女に溺れていく男、愛を求め続けても誰からも返されることなく孤独の果てを彷徨ってきた女。二人はそれぞれの日常を捨て、激しく求めあう。しかし、女には別の顔が存在した…。男が信じた愛は、そこに確実に存在したのか。そしてそれは「愛」そのものであったのか――。
 これまでも強烈な自我を持つ女性を軸に、狂気ともいえる愛を描いてきた鬼才・万田邦敏監督が、カンヌ国際映画祭にてW受賞した『UNloved』、比類なき傑作『接吻』に続き、共同脚本・万田珠実と三度目のタッグを組んだ。「愛」の本質を見つめ、人間の性とエゴをあぶりだした愛憎サスペンスが誕生した。

亡くなった妻に囚われ、夜ごと精神安定剤を服用する精神科医・貴志(仲村トオル)のもとに現れたのは、モラハラの恋人に連れられ患者としてやってきた綾子(杉野希妃)。恋人との関係に疲弊し、肉親の愛に飢えていた彼女は、貴志の寄り添った診察に救われたことで、彼に愛を求め始める。いっぽう妻(中村ゆり)の死に罪悪感をいだき、心を閉ざしてきた貴志は、綾子の救済者となることで、自らも救われ、その愛に溺れていく…。しかし、二人のはぐくむ愛は執着と嫉妬にまみれ始め、貴志の息子・祐樹(藤原大祐)や義父母との関係、そしてクリニックの診察にまで影響が及んでいく。そんな頃、義弟・茂(斎藤工)から綾子の過去について知らされ、さらに妻の秘密までも知ることとなり、貴志は激しく動揺するのだった。自身の人生がぶれぬよう、こらえてきた貴志のなかで大きく何かが崩れていく。失った愛をもう一度求めただけなのに、その渦の中には大きな魔物が存在し、やがて貴志の人生を乗っ取り始める。かたや綾子は、亡き妻にいまだ囚われる貴志にいらだち、二人の過去に激しい嫉妬をいだく。彼女は貴志と妻の愛を越え、極限の愛にたどりつくために、ある決断を下すのだった――。

精神科医・貴志を演じたのは、万田監督作品『UNloved』『接吻』でキーパーソンを好演した仲村トオル。貴志からの愛を渇望する綾子役は、監督、プロデューサーとしても精力的に活動する杉野希妃が演じ、女の業を表現した。死んだ姉に焦がれ、綾子の登場により翻弄されるも真実をつかもうとする内山茂役には、監督、プロデュースなど肩書を超えて活躍する斎藤工。映画やドラマ、舞台でしなやかな演技力が光る中村ゆりが、六年前に亡くなった貴志の妻を演じる。貴志の息子・祐樹役として十代の繊細な心の揺れ動きを表現した藤原大祐は、オーディションで役を掴み、本作で映画デビューを飾っている。その他、片桐はいり、ベンガル、森口瑤子など、ベテランが脇を固める。また音楽を長嶌寛幸が担当、愛の不確かさを見事表現した。
『愛のまなざしを』ポスター

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仲村トオル 杉野希妃 斎藤工 中村ゆり 藤原大祐 万田祐介 松林うらら ベンガル 森口瑤子 片桐はいり監督:万田邦敏 脚本:万田珠実 万田邦敏 企画・制作協力:和エンタテインメント 制作:キリシマ1945 配給:イオンエンターテイメント 朝日新聞社 和エンタテインメント製作:「愛のまなざしを」製作委員会(ENBUゼミナール 朝日新聞社 和エンタテインメント ワンダーストラック イオンエンターテイメント はやぶさキャピタル)
2020年/日本/日本語/102分/英題:Love Mooning/HD/カラー/Vista/5.1ch/
(c) Love Mooning Film Partners 
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