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トークイベント

2017年の軍事クーデターで、独裁者ロバート・ムガベ大統領が辞任し、エメルソン・ムナンガグワを暫定大統領に任命したジンバブエ共和国。映画『プレジデント』は、クーデター後初となる大統領選の行方を現職のムナンガグワに挑戦する野党MDC連合の党首ネルソン・チャミサの姿を通して記録したドキュメンタリー。アップリンク吉祥寺にて公開中ほか全国順次公開中。
 
8月18日のトークイベントには、同じアフリカのギニアの駐日ギニア共和国大使館顧問であるオスマン・サンコンが登壇。元宝塚歌劇団星組の汐月しゅうが司会を務め、本作を観ての感想、本編で描かれているジンバブエと同じく、長期政権→クーデター→軍事政権という道を辿っているギニア出身者として、日本人へのメッセージ等をお聞きしました。
オスマン・サンコン『プレジデント』
トークイベント
日時:8月18日(金)
場所:アップリンク吉祥寺
登壇:オスマン・サンコン、汐月しゅう(MC)

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オスマン・サンコン登壇

「日本とアフリカは離れているから、あまり情報が入らない。」と、2018年のジンバブエの大統領選に密着した本作が日本で公開されていることに喜びを示した。
オスマン・サンコン『プレジデント』
劇中、第3代大統領に就任した与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF党)の代表ムナンガグワは「平和で信用できる公正な選挙を行う」と公言するが、サンコンは、「民主主義と言っているのは嘘!」と一刀両断。ジンバブエでは、来週8月23日に新たな大統領選が行われる。今回も、本作で描かれているのと同じ、現職のムナンガグワと(今回は新党「変革の市民連合」から出馬している)チャミサの一騎討ちとなる。サンコンは、「大統領というのは、オバマのように2期までで退いて、アドバイザーになればいい。」と話した。「僕はギニア大使館の顧問。田中角栄の時代の昭和47年に日本で大使館を作ったのは僕。」と驚きのエピソードも飛び出した。

本作は、ジンバブエの前回の大統領選では、殺害予告に、銃声と、暴力的な展開になる様子が克明に描かれている。サンコンは、「一番大事なのは平和。何かあっても、お互い話しあい、コミュニケーション!」と訴えた。

サンコンは観客に向け、「日本を愛しています。自分の国(民主主義)を守って!」とメッセージを送り、トークイベントは終了した。

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『プレジデント』

アップリンク吉祥寺にて公開中ほか全国順次公開

公式サイト:
https://president-jp.net/

公式ツイッターアカウント:
@PRESIDENTjp2023

公式Facebook:
@PRESIDENTjp2023

監督はユニセフやユネスコのメディア・コンサルタントとしても活躍するデンマーク出身の女性監督カミラ・ニールセン。ジンバブエの新憲法制定に向けた権力闘争を追った前作「Democrats(民主主義者)」(2014年)はトライベッカ国際映画祭で最高賞を受賞するなど高評価を受けた。その続編とも位置付けられる本作は、ジンバブエの、民主化を求める国民と与党の激しい対立を臨場感をもって映し出し、サンダンス国際映画祭でワールドシネマ・ドキュメンタリー審査員特別賞を受賞した。
『プレジデント』

『プレジデント』
独裁者ムガベから政権を奪取した際、ジンバブエの軍事指導者たちは、自分たちが支配権を握るのではなく、国民選挙で民主化を確保すると口では約束。独立以来ジンバブエを支配してきた与党を倒すべく、40歳の弁護士であるカリスマ、ネルソン・チャミサは、リチウム、プラチナ、金、ダイヤモンドなど60種類もの鉱物資源があるにもかかわらず、国民は貧困に喘いでいるジンバブエの国を変えようと動く。
 
何十年もの間、腐敗した政治があらゆる手段を用いて権力にしがみついてきた中、自由で公正、かつ透明な選挙は本当に行われるのか。殺害予告に、銃声と、国内外が注目した選挙戦はさながらサスペンス映画の様相を見せる。民衆が真の民主主義を勝ちとることはできるのか。カミラ・ニールセン監督が前作に引き続き、権力闘争の核心に迫る。
 
<あらすじ>
1980年の独立以来、37年間にわたりジンバブエ共和国の政権を支配していたムガベ大統領がクーデターにより失脚。後継者として同国第3代大統領に就任した与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF党)の代表ムナンガグワは翌2018年に行われる大統領選において「平和で信用できる公正な選挙を行う」と口では公言する。対する野党、民主変革運動(MDC連合)はモーガン・ツァンギライ党首のもと選挙に備えるが、大統領選の4ヶ月前にツァンギライ党首が癌で死去、MDC連合の新党首として若きカリスマと呼ばれるネルソン・チャミサが任命される。変わらぬ支配を目論む与党と、長年の腐敗に疲弊し、国内政治体制の変革を求める民衆に後押しされる野党。多くの国内外のマスコミや国民が注目するなか、国の未来を決める投票が始まるが……。
『プレジデント』

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ネルソン・チャミサ、エマソン・ダンブゾ・ムナンガグワ、ロバート・ガブリエル・ムガベ、ジャスティス・プリシラ・チグンバ、モーガン・ツァンギライ
監督:カミラ・ニールセン 製作:シーネ・ビュレ・ソーレンセン、ジョスリン・バーンズ 製作総指揮:ファンディウェ・ニュートン、ダニー・グラバー 撮影監督:ヘンリック・ボーン・イプセン 編集:イェッペ・ボッドスコフ2021年/デンマーク・ノルウェー・アメリカ・イギリス/115分/カラー/シネマスコープ/英語、ショナ語/配給:NEGA
2021 © Final Cut for Real, Louverture Films & Sant & Usant
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