映画情報どっとこむ ralph 本日は、去る 4 月にインドネシアで行われた「『サタンジャワ』サイレント映画+立体音響コンサート」の音楽製作の 現場から、森永泰弘の2週間超のリサーチに合流したコムアイを交えてのフィールドレコーディングの様子をご報告す るとともに、来る 7 月公演の舞台出演が決定したインドネシアからの来日アーティストをご紹介します。 森永のネットワークを駆使し発掘・抜擢した 4 人の若手ミュージシャンによる多種多彩な民族楽器の調べ、舞台・映画 俳優として国際的な活躍が著しいグナワン・マリヤントによるマントラ/詩の朗読、そして、映画のみならず本邦初の 舞台演出を手がけるガリン・ヌグロホが選出した 3 名の映画『サタンジャワ』メインキャストがスクリーンから飛び出 し、歌唱と舞踊で彩りを添えます!
サタンジャワ
誰もまだ耳にしていない『サタンジャワ』立体音響コンサートの音楽を想像して いただくヒントになると思います。 1920 年代が舞台のこの映画は、サタンが登場する神秘的物語であり、インドネシアの舞台芸術を思わせる世界。上映 当日のホールでは、目の前で演奏されるインドネシアの伝統楽器と西洋の弦楽アンサンブルの演奏が、コムアイのボー カルとともに、最先端の音響技術により再生された音と融合し、立体化し、観客を包みこんでいきます。

映画情報どっとこむ ralph ■インドネシア フィールドレコーディング レポート

森永曰く「ガリン・ヌグロホとは長年の友人関係であり、僕が東南アジアの調査に行く際の教示者でもある。彼が長 年耕したフィールドの地に僕は幾度も足を運び、現地の音楽家やアーティストとの交流を支えてもらった」。本プロ ジェクトにあたり、森永泰弘が 10 年に渡ってインドネシアで築き上げたネットワークを駆使し、多方面にリサー チ。「群島国家の日本とインドネシアの異文化の繋がりを<今>の視点から問い直すアプローチを』との思いから、 ジャワ島西部に位置するジャカルタ・バンドゥンから、ジャワ島中部のジョグジャカルタ、そして東ジャワの端に位 置しバリの文化とも深く関わりのあるバニュワンギ、およびスラウェシ島へと足を運びました。 ジャカルタから南下、バンドゥンからは Tarawangsawelas(タラワンサウェラス)名のデュオで台頭を表しつつあ る若手演奏家のテグー・プルマナの導きで、世代を超えた現地ミュージシャンとセッションを。続くジョグジャカル タでは、ガジャマダ大学のハルヨノ教授にジャワ島の神秘主義について教示を受け、隣町のスラカルタを訪問、ヌグ ロホ監督選出の『サタンジャワ』出演俳優・舞踊家とも面談を重ねました。コムアイが合流したスラウェシ島におい ては、コーディネーターとともに南スラウェシのディープなリサーチ旅を敢行。マッカサルより南方の Limbung で は、ゲンドラン(両面太鼓)奏者として名高いダヤン・ミレを訪問、氏の厚意で、親族の結婚式前夜のセレモニー 「Korongtigi」に参列。インド舞踊や能楽にも明るいコムアイは、セレモニーで「Pakarena」と呼ばれる踊りを踊る 少女たちから扇の振付けを教わる場面も。また、ブギス族社会における宗教司祭 Bissu による儀式「Ma’bissu」も特 別に許可を得てレコーディングし、食事を囲んで談話。このほか、約4万年前のものとされる壁画と手形が発見され た「リアン・リアン先史公園」の洞窟内でもレコーディングを実施しました。最終地、東ジャワのバニュワンギで は、音楽家としてのみならず、教育者、指導者としても尊敬を集めるハイディ・ビン・スラメッの導きで、オシン族 のコミュニティを重点リサーチ。オシン族から2名の演奏家(ハイディ・ビン・スラメッ、アンドリ)の初来日が決定しました。

映画情報どっとこむ ralph ■ コムアイ(舞台出演)出演に寄せて
コムアイinインドネシア
1 万 7 千もの島々が、星屑のように散らばるインドネシア。 一つの島を覗いてみても、たくさんの誇りを持った部族 が暮らしているのがわかります。わたしが訪れたスラウェシ島には、死を祝うトラジャ族、黒装束のカジャン族、商 いの得意なブギス族、といった具合で、この 21 世紀でも、それぞれに魅惑的な生活様式、儀礼、音楽、舞踊、装束 を持ち、テレビ番組の「世界ふしぎ発見!」だったら、インドネシアで一年は持つとおもいます。 そして、今回の短 い旅では興味のありそうなドアがたくさん見えてきて、それを開けることは全く追いつかず、宇宙に放り出されたよ うな気持ちになりました。本の目次が見えてきて、わくわくしたところで帰ってきたような。土ぼこりの立つ田舎の 村で異邦人として存在し、旅芸人として踊り、奏で、遊び、全身でその土地のリズムを身体に吸収してきました。も う忘れてしまったけれど。 このインドネシアという、蒸し暑い宇宙を一つにまとめられるガリン・ヌグロホ監督の作 品はどれも素晴らしく、その中でもわたしのお気に入りとなった『サタンジャワ』、観客全員を宇宙船に乗せ、インドネシアの旅にお連れできるように、船長の森永さんと計画を練っていきたいとおもいます。

映画情報どっとこむ ralph 公演概要
『サタンジャワ』 サイレント映画+立体音響コンサート
日時 2019 年 7 月 2 日(火)14:00 開演/19:00 開演 (2 回公演、各回 30 分前開場)
※ ポストパフォーマンストーク有

劇場:有楽町朝日ホール
映画監督:ガリン・ヌグロホ
音楽・音響デザイン:森永泰弘

舞台出演者:コムアイ KOM_I(ボーカル)、グナワン・マルヤント Gunawan Maryanto(詩の朗読・マントラ)、ルルク・アリ・プラセティオLuluk Ari Prasetyo(歌唱・映画のサタン役)、ヘル・プラワントHeru Purwanto(歌唱・映画の主人公男役)、テグー・パルマナ Teguh Permana(弦楽器タラマンサ)、斎木アンサンブルほか

※映画の役名がある方は、映画にも出演しています。
サタンジャワ-SETAN-JAWA

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舞台演出 ガリン・ヌグロホ 音楽・音響デザイン 森永泰弘 舞台出演 コムアイ(ボーカル/水曜日のカンパネラ) ルルク・アリ・プラセティオ Luluk Ari Prasetyo (歌唱・舞踊/映画:サタン役) ヘル・プルワント Heru Purwanto(歌唱・舞踊/映画:主人公(男)役) ドロテア・クイン Dorothea Quin(歌唱・舞踊/映画:主人公(女)の母親 役) グナワン・マルヤント Gunawan Maryanto (詩朗読/マントラ。舞台・映画俳優/吟遊詩人) テグー・ペルマナ & アクバル・ネンディ Teguh Permana & Akbar Nendi (タラワンサ&カチャピ) ハイディ・ビン・スラメッ &アンドリ Haidi Bing Slamet & Andori(太鼓ほか) 斎木なつめ(バイオリン)、小林妙子(バイオリン)、惠藤あゆ(ヴィオラ)、谷口宏樹(チェロ)、 吉良都(チェロ)、増田久未(ガムラン)、小出稚子(ガムラン)他
主催:国際交流基金アジアセンター
共催:公益財団法人ユニジャパン
後援:駐日インドネシア大使館
音楽・音響製作:concrete 制作:(株)オカムラ&カンパニー

映画『サタンジャワ』

2016 年/70 分/モノクロ/サイレント 映画監督 ガリン・ヌグロホ

映画製作:Garin Nugroho Workshop, Turning World
共同製作:AsiaTOPA – Arts Centre Melbourne, Melbourne Symphony Orchestra, Esplanade Theatres on the Bay, Singapore

サタンジャワ場面写真 Photo Erick Wirasakti あるいは Photo by Erick Wirasakti
ガリン・ヌグロホ監督 顔写真 © 佐藤基
森永泰弘 顔写真 © Takashi Arai

主催:国際交流基金アジアセンター
共催:公益財団法人ユニジャパン
後援:駐日インドネシア大使館

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