この度、ウイスキー好きも映画好きも楽しめ、大人のユーモアたっぷりの映画『ウイスキーと2人の花嫁』の公開に先駆けて、現代日本でのウイスキー研究者の第一人者であり、NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」で監修を務めたウイスキー評論家の土屋守さんをゲストに迎え、バーテンダーの方々を対象にウイスキー試飲付きのスペシャル試写イベントを開催しました。 日時:1月24日(水) 場所:渋谷・ユーロライブ 登壇:土屋守(ウイスキー評論家) 土屋守さんプロフィール |
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土屋さん:1989年に初めてスコットランドを訪れたときに、世界でも有名なスコッチのミニチュアコレクターの家を訪ねました。ボトルコレクションはあまりしない人なのに、<SSポリティシャン号>からダイバーが引き揚げオークションにかけられたボトルを落札して大切にディスプレイしていたのが印象的だった。このとき、実際にあった事件のことを初めて聞いて興味をもち調べるようになった。こんなに面白いことが本当にあったのかと、またそれが「Whisky Galore」という小説になり映画になっているということを知りとても驚いた。
と熱く語り、 土屋さん:「Whisky Galore」ゲール語でウイスキーがいっぱいという意味のタイトルの小説は、1947年にスコットランドの小説家によって書かれた。イギリスではロングセラー、ベストセラーとなり知らない人はいない物語で、それを基にして1949年に『Whisky Galore』というモノクロの映画が作られた。この映画は残念ながら日本では一度も公開されていない。モノクロ版の映画を手に入れたが、日本では再生できず見ることができなかった。そんな中、リメイクされた映画があらたに公開されると知り、「生涯のまたとない好機であり応援団としてぜひ協力したい。」という思いから、本日のイベント登壇も実現したのだという。本当に長く生きてきた甲斐がありました。 と喜びが溢れていた。本作の背景である<SSポリティシャン号>座礁事件の背景については、 土屋さん:ウイスキーがない世の中は生きるに値しないと病気になる人もたくさんいたというくらいウイスキーを愛する人々にとって、ウイスキーの配給が止まったことは前代未聞の未曾有の事態だった。そこで、座礁した船に26万本ものウイスキーが積まれていると知って島民は色めきだった。本作ではこの実際にあった事件を軸にして、人々をつなぐウイスキーの存在がとてもよく描かれている。全編ウイスキーへの愛に溢れており、こんなにウイスキーが飲みたくなり、ここまでウイスキーを描いた映画はこれまでないと思う。ウイスキーに関わる者としては必ず通らないといけない映画です と絶賛した。 |
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本編の鑑賞前に知っておくとより面白く観賞できるポイントとしては、
土屋さん:モノクロ版の『Whisky Galore』ではすべて本物の銘柄のロゴでウイスキーが20種類以上登場しています。本作ではわざと少し名前をかえて実際にはない銘柄になっているので、それを見つけてみるのも面白いと思います 話イベントを終えました。 映画『ウイスキーと2人の花嫁』 2月17日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー 公式HP:
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監督:ギリーズ・マッキノン『グッバイ・モロッコ』
脚本:ピーター・マクドゥガル
出演:グレゴール・フィッシャー『ラブ・アクチュアリー』、ナオミ・バトリック「ランズエンド -闇の孤島-」、エリー・ケンドリック『17歳の肖像』、エディ・イザード『ワルキューレ』、ショーン・ビガースタッフ『ハリー・ポッター』シリーズ、ケヴィン・ガスリー『サンシャイン/歌声が響く街』、ジェームズ・コスモ『T2 トレインスポッティング』
原作:コンプトン・マッケンジー「Whisky Galore」 (1947)
<原題:WHISKY GALORE!/2016年/イギリス/英語/98分/ビスタ/字幕翻訳:安本熙生>
配給:シンカ
© WhiskyGaloreMovieLimited2016