昨年2016年東京国際映画祭で審査員特別賞と主演女優賞をダブル受賞し、世界の映画祭でも絶賛の声が相次ぐ映画『サーミの血』が、2017年9月16日(土)より、新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほかにて全国順次公開いたします。
この度、監督のアマンダ・シェーネルのインタビューが到着しました!
何もかも捨てスウェーデン人になった多くのサーミ人が、その後本当の人生を送ることが出来たのかと疑問を抱いていたアマンダ監督が、故郷を離れた者、留まった者への愛情を主人公少女視点から描いた物語が、本作『サーミの血』です。 |
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Q:自分はサーミ人なのにサーミを嫌う者がいます。
シェーネル監督:アイデンティティを変えた者と、留まった者との対立が、私の一族の中にまだあるのです。 Q:監督のお父さんはサーミ人で、お母さんはスウェーデン人だそうですね。 シェーネル監督:そうです。言語について言えば、スウェーデン人になりたかった祖父母がサーミ語を話すことをやめてしまったので、家ではサーミ語を話すことはありません。学校の母国語の授業で、サーミ語を読むことはしましたが。でも、父方の家族のほとんどは今もトナカイ猟師なので、私も親戚がトナカイを屠畜するところなどを見て育ちました。 Q:この映画は事実をもとにしている部分もあるのですね。 シェーネル監督:単なる作り話ではなく、私の一族の年長者たちから発想を得た部分が大きいのです。存命している老齢の親類の中には、自分もサーミ人なのにサーミを嫌う者がいます。つまり、アイデンティティを変えた者と、留まった者との対立が、私の一族の中にまだあるのです。両者は互いに話をしません。 それと、数年前に祖父母と、彼らの兄弟姉妹や彼らと同じ寄宿学校に行った人たちをインタビューしました。その時に聞いた話も、この映画の中に混ざっています。映画で描かれていることの中には、サーミの血を引くものなら誰でも、今も実際に体験することがあります。例えば、パーティーでヨイクを唄わされることなど、私もよくあります。 私は主人公のエレ・マリャについての映画を作りたかったわけで、サーミ人についての映画にしたかったのではありません。 Q:なぜタイトルを『サーミの血』にしたのですか? シェーネル監督:私は主人公のエレ・マリャについての映画を作りたかったわけで、サーミ人についての映画にしたかったのではありません。『サーミの血』と聞くと、その血にどんな意味があって、どんな重要性があるのか、人からどう見られるのか、という疑問が沸きますよね。 私自身、普段からしょっちゅう「どれだけサーミの血を引いているのか?」と質問されて、「それ関係あるの?」と聞くと「ある」と言われます。 “血”という言葉を入れたかったのは、確かに少女の成長物語ではあるけれど、可愛らしさより思春期の少女の持つ暴力性と過酷な人生の側面を伝えたかったからです。エレ・マリャだけでなく、思春期の少女は誰でも自分の身体を嫌う時があると思うのですが、その身体的な面も描きたかったからです。 【プロフィール】 |
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映画『サーミの血』 原題:Sameblod 2017年9月16日(土)より、新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開 家族、故郷を捨ててでも 北欧スウェーデン、知られざる迫害の歴史─ 1930年代、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績も良く進学を望んだが、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げる。そんなある日、エレはスウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。トナカイを飼いテントで暮らす生活から何とか抜け出したいと思っていたエレは、彼を頼って街に出た──。 公式HP: facebook: Twitter: |
監督・脚本:アマンダ・シェーネル
音楽:クリスチャン・エイドネス・アナスン
出演:レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、ユリウス・フレイシャンデル、オッレ・サッリ、ハンナ・アルストロム
後援:スウェーデン大使館、ノルウェー王国大使館
配給・宣伝:アップリンク
2016年/スウェーデン、ノルウェー、デンマーク/108分/南サーミ語、スウェーデン語/DCP/シネマスコ─プ
2016 NORDISK FILM PRODUCTION
2016年 東京国際映画祭 審査委員特別賞/最優秀女優賞
2016年 ヴェネツィア国際映画祭 新人監督賞/ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞
2016年 トロント国際映画祭 ディスカバリー部門 正式出品
2017年 ヨーテボリ国際映画祭 最優秀ノルディック映画賞/撮影賞
2016年 テッサロニキ国際映画祭 ヒューマン・バリュー賞
2017年 タイタニック国際映画祭 最優秀作品賞
2017年 ミネアポリス・セントポール国際映画祭 観客賞 ミッドナイト・サン 二位
2017年 ニューポートビーチ映画祭 外国映画賞
2017年 リビエラ国際映画祭 監督賞/観客賞
2017年 サンタバーバラ国際映画祭 最優秀ノルディック映画賞
2017年 シアトル国際映画祭 審査員大賞/最優秀女優賞
2016年 ハンブルグ映画祭 ヤング・タレント賞 ノミネート