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ふくだももこ監督が活弁シネマ倶楽部に

『炎上する君』のふくだももこ監督が“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に再々登場。
本作の劇場パンフレット用のインタビューを手がけた文筆家・折田侑駿が番組MCを担当し、制作の経緯やキャスティング、作品に込めた想いなど、深堀りトークを繰り広げている。
ふくだももこ監督が活弁シネマ倶楽部に『炎上する君』
 本作は、『おいしい家族』(2019年)で商業デビューを果たし、『君が世界のはじまり』(2020年)、『ずっと独身でいるつもり?』(2021年)などの映画作品をコンスタントに発表しつつ、テレビドラマの演出も手がけるふくだ監督の最新作。もっとも敬愛する作家・西加奈子の同名小説を原作とし、主演にうらじぬのを迎えて初タッグを組んだ。物語の舞台は、個性豊かな人々の集まる街・高円寺。ここで、うらじ演じる梨田とファーストサマーウイカ演じる浜中のコンビが自由と開放を追い求め、無自覚な差別や偏見、ラベリングに傷つく人々を救っていくさまが描かれる。

 本作について「自分の気持ちが入り過ぎている」と語るふくだ監督。彼女にとって憧れの西の小説の映画化は思いがけないことであり、ずっとファンであったうらじが主演俳優として存在することで、本格的に企画が立ち上がったらしい。約20ページの短編小説が約40分の短い映画に仕上がったが、完成までの道のりは平坦ではなかった。企画が動き出そうというところにコロナ禍が。実現に向けて少しずつ再始動し出したものの、仕事と育児を両立させることの困難に精神的に追い込まれ、一度は監督から降りることも考えたのだという。それでも監督として立つことができたのは、この原作とうらじの存在があったからだ。

 脚本はリライトを重ね、原作で描かれている“ルッキズムに傷つく親友同士の梨田と浜中が、足元が燃えている男の噂を聞きつけ探し始める”という骨格はそのままに、ふくだ監督がいまの社会に対して訴えたいメッセージを体現するものとなった。これについてMCの折田は「原作とはガラリと印象が違う。原作というより原案という位置づけではないか」と述べている。

 さらに折田は「ふくだ監督の作品からは、伝えたいメッセージが明確に感じ取れる。そしてそれが、作り手である監督自身とイコールで結びつく」と述べる。過去作に共通するふくだ監督の作家性などにも言及しつつ、「本作は約40分という短い作品だからこそ、その部分が端的に感じ取れる」とも。これにふくだ監督は「ひとパンチひとパンチが強い。お客さんにどう受け取ってもらうのかを望むのは傲慢だと思います。でもやっぱり私自身、作り手の魂が感じられる作品が好きなんです。作り手の考えと作品が直結している作品が」と語っている。

 この動画では、原作を脚色するうえで力を入れたポイントや、キャスティングの妙、原作同様に物語の舞台となっている高円寺という街の魅力についても言及している。

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■活弁シネマ倶楽部■

活弁シネマ倶楽部 公式HP:
https://katsuben-cinema.com/

活弁シネマ倶楽部 公式ツイッター:
@katsuben_cinema

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『炎上する君』

2023年8月4日(金)シネクイントほか全国順次公開

https://enjyo.lespros.co.jp/

あらすじ
高円寺の高架下。アップテンポなダンスチューンに合わせ、おもむろに脇毛を見せながら踊り狂う二人の女性・梨田と浜中。彼女たちは唯一無二の親友である。高円寺の銭湯「なみのゆ」。梨田と浜中は湯に浸かりながら「50代の男性と14歳の少女の真剣な恋愛」や「政治家の女性蔑視発言」「医学部での女性受験者の一律減点」など、炎上が相次ぐ女性への抑圧に日々憤っていた。
 ある日、浜中とお笑いライブに出かけた梨田。場内が爆笑に包まれる中、容姿や恋愛経験を揶揄されるお笑い芸人の傷ついた表情を、梨田は見逃さなかった。その帰り道、全身脱毛の告知が書かれたポケットティッシュを手にした梨田はふと思う。「なぜ彼は見た目を変えなければならないのだろう。恋人がいないことがそんなにダメなことなのだろうか。そしてなぜ私は体中の毛を無くさなければならないのだろう」。その日を境に、梨田と浜中は脇毛をたくわえ、ダンスをすることで自分たちを解放するようになる。誰のためでもない自分のために脇毛を生やし、晒す二人。
 商店街でのダンスイベントの帰り、梨田と浜中は居酒屋でバンドの打ち上げに遭遇する。メンバーからの無自覚なラベリングに傷つき、店を飛び出した女性トモに、梨田は思わずこう叫ぶのだった。「君はなにも悪くない」と。そんな折、浜中が高円寺周辺ばかりに出没する「炎上する男」の噂を聞きつけてきた。噂はどうやら真実味を帯びており、二人は一度でも男を目にしたいと好奇心を頼りに探し回る。ぼうぼうと足が燃える男。その男は、一体何者なのだろうかーー。
炎上する君

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キャスト
うらじぬの ファーストサマーウイカ
齊藤広大 中井友望 南久松真奈
大下ヒロト 中山求一郎 當山美智子
大中喜裕 千綿勇平 桜井鉄也 夏 定森安南 山本彩実
影山徹 あやかんぬ 国海伸彦 清水てっぺい 宗綱弟 山田果歩
林周雅 服部大成 坂口彩夏 岡田優 財田ありさ 野田佳代 湊さやか

スタッフ
監督・脚本:ふくだももこ
原作:西加奈子「炎上する君」(角川文庫/KADOKAWA)
劇中歌:ゆっきゅん『DIVA ME』
エンディング曲:ゆっきゅん『NG』
音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
撮影:平見優子 照明:加藤大輝 録音:原川慎平 美術:黒羽陽子 小道具:廣川千都
編集:山本彩加 スタイリスト:江森明日佳 ヘアメイク:花村枝美 音響効果:井上奈津子
助監督:土橋沙由里 制作担当:比良岡弘雅 監督補:坂口彩夏 スチール:水津惣一郎
エグゼクティブプロデューサー:本間憲
企画・プロデュース:菊地陽介 プロデューサー:柴原祐一 ラインプロデューサー:濱松洋一
企画協力:小林順 風間智恵子(株式会社KADOKAWA)
宣伝:平井万里子、矢部紗耶香 宣伝デザイン:高垣美月
制作プロダクション:ダブ 製作:レプロエンタテインメント
配給:レプロエンタテインメント 配給協力:インターフィルム
©LesPros entertainment
2022年/日本/42分/カラー/5.1ch

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