2016年、『淵に立つ』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞に輝いた深田晃司監督が、同作で多数の女優賞に輝いた筒井真理子を主演に迎えて制作した最新作『よこがお』がついに7月26日(金)より公開!
このたび、7月27日(土)東京・新宿のテアトル新宿にて、公開記念舞台挨拶を実施し、深田監督、筒井真理子さんをはじめ、共演の市川実日子さん、池松壮亮さん、吹越満さんが舞台挨拶に登壇しました。 『よこがお』公開記念舞台挨拶イベント |
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本作公開二日目となるテアトル新宿には朝一番の回にも関わらず、超満員のお客様を前に舞台挨拶がスタート。
筒井さん:映画と一緒に旅をしてくださってありがとうございます。 と感激の面持ち。上映後に拍手が起こったことを聞くと 筒井さん:満員の、本作を心待ちにしてくださったお客様の前で過ごせることは幸せです。すでに映画を見た方から『今までにみたことがない映画だった』という感想もきいていて、この映画はいろんな見方ができる映画だと思います。時間があれば喫茶店でもいって、皆さん一人一人に感想を聞きたいくらいです! と筒井さん。 市川さん:この作品は頭で考えたりするのではなく、自分の生理的反応が現れるというか。きっとこの帰り道もいろいろな感情が生まれてくる・・・あれ何をいってるのかわからなくなちゃった(笑)。今日はありがとうございます! と話し、隣に立つ筒井さんと笑いあう姿も。一方で 吹越さん:実は今日の朝5時くらいまで飲んでいまして、舞台挨拶何かやらかしちゃったら、と思っていましたが、先ほど控室で池松くんも朝4時まで飲んでいたと聞いたので(笑) と続け、場内を和ませる。 今回、本作で深田組初参加となった市川さんは、今回演じた基子という役について 市川さん:基子というキャラクターは、こういうことを思ったから、こういうことをした、とつなげようと思ってもつながらない。理屈ではなく(筒井さん演じる)市子を好きだという気持ちだけ持っていこうと思った。 と演じた感想を吐露。 同じく初参加の池松さんは、本作を観た感想について聞かれると 池松さん:脚本はものすごく綿密で、螺旋階段のように感情が作られていて、キャラクターと一緒に登っていくと、きちんと連れていかれるような、すごく作りこまれた素晴らしい作品でした。 と独特の表現でコメント。 また自身の役については 池松さん:誤解を恐れずに言うと、この物語世界に加担しないことが、一番加担できることなんじゃないか、と思った。(自分が演じた)和道というキャラクターも被害者なのか加害者なのかわからない。深田さんの作品は、無自覚や無意識を抽出していると思いました。 と続けた。 吹越さん:とりあえずひどい話だな、嫌だな、と思って観ていた。何で『よこがお』ってタイトルなのか、ずっと考えていたけれど、人って対面するだけでなく、たまたま隣にいる人とかってコミュニケーションとっていないし、横顔だけですよね。その人が抱えているもの全部なんてわからないんですよ。自分の演じた市子の婚約者戸塚も市子のことを全て知らない。切ないんだけど、言ってみれば人ってみなそうなんです。人に言えないこともあるし、言えるんだけど人に言わずにいる。なんか人間って素晴らしいんだなと思いました。 と話すと、深田監督もその言葉に大きくうなずいていた。 さらに 吹越さん:深田監督の演出はすごく繊細。人って会話していると、ついうなずいてしまうじゃないですか、それを『今うなずくのやめてください』と言われ(笑)。でも信用できると思いました。 と現場でのエピソードも語られた。 |
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ここで、改めて本作が第72回ロカルノ国際映画祭国際コンペティション部門に正式出品することになったことが伝えられると、会場からは大きな拍手が!
筒井さん:72回もの歴史があり、商業に偏らず自由な精神を72年も続けている映画祭でこの作品を選んでいただけて、本当に光栄です! 深田監督:ずっと憧れていた映画祭で、僕が信頼する同世代の濱口監督などすでに参加している。今回選ばれてとても嬉しいです。ただ現地の物価が高いということでビビッています。監督が作品のことを全て知っているか、というとそうではなくて、作り手と作品の関係って、親と子と関係に近い。親が子供のことを全部しっているわけでなく、子供の友達からその評判をきいてこういう面もあるんだと知るように。お客様に観てもらって、そのリアクションを聞いて初めてわかったりすることがよくあるので、ツイッターなどで感想を書いていただけたら嬉しいです」と深田監督。最後に「闇営業の問題などどんどん情報が更新されていく最近のマスコミによる報道をみていると、本作は今の時流にフィットしている映画だと実感しています。ぜひ映画館でみてほしい! と熱い思いとともにイベントが締めくくられた 『よこがお』 公式サイト: |
出演:筒井真理子/市川実日子 池松壮亮/須藤蓮 小川未祐/吹越満
脚本・監督:深田晃司
配給:KADOKAWA
2019/111分/カラー/日本=フランス/5.1ch/ヨーロピアンビスタ
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