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映画『女は二度決断する』 松崎健夫熱弁をふるう!


映画情報どっとこむ ralph 第75回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞、第70回カンヌ国際映画祭ではダイアン・クルーガーが主演女優賞を受賞した、ドイツの名匠ファティ・アキン監督最新作『女は二度決断する』が、4月14日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAにて他にて全国公開となります。

この度、公開に先立ち開催した一般試写会の上映後に映画評論家・松崎健夫さんが登壇しました!

『女は二度決断する』開催概要
日時:4/4(水)
会場:ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター
登壇:松崎健夫(映画評論家)

映画情報どっとこむ ralph 『女は二度決断する』に関連するという作品のDVDを片手に登壇した松崎健夫さん。

MCから『女は二度決断する』について聞かれると

松崎さん:このジャンルはビジランテ(自警)もの。古くは1960年代のマカロニウエスタンに遡るのですが、超法規的手段で悪者を懲らしめる、という物語の傾向が流行ったんです。今でこそ、俳優としてだけでなく、監督としての地位も確立しているクリント・イーストウッドは、その当時イタリアに出稼ぎに来ていて『夕陽のガンマン』(1965年/セルジオ・レオーネ)などに出演し一躍ブレイク。そしてアメリカに戻ってからも『ダーティハリー』
(71/ドン・シーゲル)などに出演し人気俳優街道に乗っかるわけですね。イーストウッドはビジランテ出身者!

と話した。


解説はさらに続きなぜ今本作が作られるに至ったのは、

松崎さん:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85/ロバート・ゼメキス)では、1950年代への憧れが描かれているんです。マイカーやマイホームと言った、幸せな家や家族を象徴するアイテムが登場します。実際のアメリカも(少なからず事件はあったものの)、時代としては平和なイメージがあった。ところが60年代に入るとベトナム戦争の勃発や、それに付随する悲しい事件が頻発し、アメリカ国民は「自分の身は自分で守らねば!」という意識を持ったのだと思います。そこで先ほどのクリント・イーストウッドに戻る訳ですが、その当時の映画はハッピーエンドだけでは済まないものも多くなっていきました。

と時代の流れとそれに影響される映画の傾向について語った。

映画情報どっとこむ ralph そしてなぜ今『女は二度決断する』がドイツで作られたかについて

松崎さん:今のヨーロッパはまさに移民・難民の取り締まりや、右傾化の傾向とそれに反発する動きなど、社会が不安定な状態。『女は二度決断する』はファティ・アキン監督というトルコ系ドイツ人監督の手により作られましたが、アキン監督は常に自分のルーツを顧みて移民の目を持つ作品を手掛けてきました。
それは、『消えた声が、その名を呼ぶ』のように悲しいものもあれば、彼の陽気な性格が表れているような『ソウル・キッチン』『50年後のボクたちは』などもまた、よくよく見てみると同じキーワードが見えてくるんです。そんなアキン監督だからこそ、今の時代の真っただ中を描く、この作品を作ったのだと思います。

と世界情勢と映画がどのように関わっているのかを分かりやすく説明した。


主演のダイアン・クルーガーについて

松崎さん:ダイアン・クルーガーのこれまでに印象に残ってる作品は『ミシェル・ヴァイヨン』(03/ルイ=パスカル・クーヴレール)。綺麗な女優さんが出て来たな、という印象でお人形さんのようでした。ドイツ出身の彼女は、ハリウッド映画界で言うところのニコール・キッドマンやマーゴット・ロビーなどオーストリア出身女優や、南アフリカ出身のシャーリーズ・セロンと同じく“類まれな美貌の持ち主”。『トロイ』や『ナショナル・トレジャー』などの大ヒット作にヒロインとして出演し、実際そういう役しかしばらくは来なかったんだけど、彼女たちは自分で監督や作品を選んだ結果、そこから脱却してファティ・アキン監督のような作家性の強い監督と組むという道を自分で切り拓いた、自らの力で輝く方法を見つけたんです。アキン監督とダイアンの最初の出会いはカンヌで彼女から同郷のアキン監督に声をかけたのがきっかけだったそうですよ。『女は二度決断する』の主人公カティヤと通じるものがある。そのイメージをも自分で掴み取っていくということですね。

映画情報どっとこむ ralph 美しさと演技力、聡明さを含めダイアン・クルーガーを絶賛した!

映画『女は二度決断する

2018年4月14日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!

“Aus Dem Nichts”
物語・・・
ドイツ、ハンブルク。カティヤはトルコからの移民であるヌーリと結婚し、幸せな家庭を築いていた。ある日、白昼に爆弾が爆発し、ヌーリと愛息ロッコが 犠牲になる。トルコ人同士の抗争を警察は疑うが、人種差別主義者のドイツ人によるテロであることが判明する。しかし、裁判は思うように進まない。突然愛する 家族を奪われたカティヤ。憎悪と絶望の中、カティヤの魂はどこへ向かうのか

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監督:ファティ・アキン
出演:ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、ヌーマン・アチャル、ウルリッヒ・トゥクール
2017/ドイツ/106 分
提供:ビターズ・エンド、WOWOW、朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド
©2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathé Production,corazón international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH


アカデミー脚本賞『君の名前で僕を呼んで』松崎健夫と中井圭がトークイベント


映画情報どっとこむ ralph 第90回アカデミー賞で4部門にノミネートされ、3月5日(日本時間)に行われた授賞式で、ジェームズ・アイヴォリーが最優秀脚色賞を受賞した『君の名前で僕を呼んで』。これで、64部門受賞 217部門ノミネート!(3/5現在)

その日本国内で最速となる一般試写会が3月5日(月)に都内で開催。上映後には映画評論家の松崎健夫さんと映画解説者の中井圭さんによるトークショーが行われました。


日程:3月5日(月)
場所:ユーロライブ
登壇:松崎健夫(映画評論家)、中井圭(映画解説者)

映画情報どっとこむ ralph まず話題はこの日の午前中に開催されたアカデミー賞授賞式のことに。

見事、ジェームズ・アイヴォリーが脚色賞に輝いたが、アイヴォリーといえば、『眺めのいい部屋』、『モーリス』『日の名残り』といった傑作を送り出してきた名匠であり、本作には脚本家、そしてプロデューサーとして名を連ねています。
本作は、北イタリアの避暑地で出会った2人の青年、エリオ(ティモシー・シャラメ)とオリヴァー(アーミー・ハマー)の恋を描いていますが、

松崎さん:これまでもいくつかの作品で、オブラートに包む形で同性愛的なものを描いてきた彼が、いま89歳にしてこうして脚本でこの物語を描いていることが意義深いですね。

と語り、中井さんは、アイヴォリー自身が同性愛者である点に触れつつ

中井さん:いまなお瑞々しさを、こうして物語にしていて、受賞も納得です。

と称える。

映画情報どっとこむ ralph さらに今回のオスカーで主演男優賞ノミネートのティモシー・シャラメに関しても絶賛!
日本でまだ知名度が高いとは言えないティモシーだが

中井さん:ここ10年以内で主演男優賞を獲ると言われています。

と語り、松崎さんは、NY大学出身で劇中の流暢なイタリア語やフランス語、ピアノ演奏など多才ぶりを称えつつ、何よりもその透明感について、ルカ・グァダニーノ監督の「彼のいましかない瞬間を撮りたかった」という言葉を紹介。

相手役を務めた、実生活では石油王の一族の御曹司であるハマーに対しても「1930年代の美形スターの系譜」という一般的なイメージに言及しつつ

松崎さん:彼自身はどう見られるかをわかっていて、挑戦的な役柄を選んでいる。

と語り、ティモシー、ハマー共に作品選びのセンスが卓越していると賛辞を贈る。

そして、中井さんは本作の“本質”とも言える部分として、惹かれ合う同性の2人を描いた作品ではあるが

中井さん:僕はこの作品を見て、LGBTを全く意識しませんでした。普通の恋愛映画と感じました。

と告白。

映画情報どっとこむ ralph 『ブロークバック・マウンテン』が作品賞を逃してから、昨年『ムーンライト』が作品賞に輝くまで、LGBTを扱った映画とアカデミー賞との相性、アメリカ社会の変化がたびたび論じられてきたが、もはや“LGBT”をことさらに強調しない同性による“ごく当たり前の”恋愛映画が製作され、評価される時代がようやく訪れたと言及し、松崎さんもこれに深く同意し

松崎さん:自然にこういう作品が候補に入るようなってきた。この20年くらい、戦い続けてきた人がいて、それを認めていこうという人たちもいて、それがこうして叶うようになってきた。ダイバーシティの考えがこういう作品を後押ししてる。

とこれまでの歴史的経緯を踏まえつつ、この変化がいかに大きなものかを強調した。松崎さんは、足を重ねて寝るというショットを、あえてティモシーひとりのシーンでも映しておいて、その後、2人が足を重ねるシーンに繋げていくことで

松崎さん:無意識に観客の中でそれが繋がっていて、嫌悪感を抱かせないように作ってある。

と指摘すると、

中井さん:行為そのものではなく、感情の機微を見せる描写が多く、そこも含めて上質な恋愛映画を見た気がしています。

とうなずく。
また、松崎さんはカメラの位置がやや低く、ティモシー演じるエリオの視線の高さで描かれていることに

松崎さん:観客の多くが自然とエリオの目線で感情移入するような画作りになっています。

と、すると

中井さん:全体的に奥行きのあるショットが多いですね。物語はシンプルだけど、関係性をセリフに頼ることなく観客に伝えている」とその卓越したカメラワークが映画の美しさだけでなく、感情までも描いていると語り「腕のない監督が撮っていたら、もっと平べったい物語になっていた。ルカ・グァダニーノの手腕が光ってます。

と監督の技術を称えた。


さらにメインの2人に加えて、マイケル・スタールバーグが演じたエリオの父親役の重要性についても言及!

松崎さん:お父さんはたびたびエリオにもオリヴァーにも『それでいいの?』という言葉を投げかけている。

と指摘し

松崎さん:20年前の映画なら、もうちょっと説教臭かったり、(2人の関係に)反対するキャラとして描かれていたはず。

と時代の変化と共に息子の性的な志向に対して、肯定的に捉える周囲の存在を描いている点の意義を語った。
映画情報どっとこむ ralph 最後に・・・

中井さん:この作品はLGBTの映画ではなく、ごく普通の恋人たちの作品。人間の機微を描いたエモーショナルな作品です。(LGBTを)特別視している状況がもう違います。

松崎さんはアカデミー賞で歌曲賞にもノミネートされた点を踏まえ、オリジナル曲に加えて、坂本龍一の曲や物語が展開する1983年公開の映画『フラッシュダンス』の楽曲が引用されていることも紹介し

松崎さん:サントラが素晴らしいです。

とサウンド面にも言及しイベントを終えました。

君の名前で僕を呼んで
原題:Call Me By Your Name

は4月27日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー。
  
cmbyn-movie.jp

物語・・・
1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。一緒に自転車で街を散策したり、泳いだり、午後を読書や音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの気持ちは、やがて初めて知る恋へと変わっていく。

賞レースを席巻中!現在、64部門受賞 217部門ノミネート!(3/5現在)

第90回アカデミー賞 4部門ノミネート(作品賞、主演男優賞、脚色賞、歌曲賞)/ 第71回英国アカデミー賞 5部門ノミネート(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、ライジングスター賞) / 第43回 ロサンゼルス映画批評家協会賞 主要3部門受賞(作品賞、監督賞、主演男優賞俳優賞) / 第75回 ゴールデングローブ賞 主要3部門ノミネート(作品賞(ドラマ部門)、主演男優賞、助演男優賞 and more.

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監督:ルカ・グァダニーノ(『ミラノ、愛に生きる』、『胸騒ぎsのシチリア』)
脚色:ジェームズ・アイヴォリー(『眺めのいい部屋』『モーリス』『ハワーズ・エンド』『日の名残り』)
原作:アンドレ・アシマン 「Call Me By Your Name」
出演:ティモシー・シャラメ(『インターステラー』、『Lady Bird(原題)』)、アーミー・ハマー(『コードネーム U.N.C.L.E.』)、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサールほか
2017年/イタリア、フランス、ブラジル、アメリカ/カラー/ビスタ/5.1ch/132分/PG12
©Frenesy, La Cinefacture 
提供:カルチュア・パブリッシャーズ/ファントム・フィルム 配給:ファントム・フィルム 


手塚眞が語る 父・手塚治虫とのリンチエピソード『デヴィッド・リンチ:アートライフ』公開記念イベント


映画情報どっとこむ ralph 新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか絶賛公開中の映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ』。

その公開を記念し、1月31日(水)に新宿シネマカリテにて第2弾トークイベントが、ゲストにヴィジュアリストの手塚眞さん、聞き手に映画評論家の松崎健夫さんを迎え、リンチについて、またご自身の映画作りについてトークが繰り広げられました。


日時:1月31日(水)
会場:新宿シネマカリテ
ゲスト:手塚眞(ヴィジュアリスト)
聞き手:松崎健夫(映画評論家)

映画情報どっとこむ ralph ゲストは 映画『星くず兄弟の新たな伝説』の監督で、ヴィジュアリストの手塚眞氏、聞き手に映画評論家の松崎健夫氏が登壇。リンチについて、またご自身の映画作りについて熱いトークが繰り広げられました。

本作は、映像作品のみならず、絵画、写真、音楽など様々な方法で表現活動を続けているデヴィッド・リンチが、美術を専攻した学生時代の「退屈」と「憂鬱」、悪夢のような街フィラデルフィアでの暮らし、そして長編デビュー作『イレイザーヘッド』に至るまで自ら語ったドキュメンタリー映画。

本作の感想を聞かれ

手塚さん:リンチの学生時代の友人としてジャック・フィスクが出てきて感動しました!彼は『ファントム・オブ・パラダイス』やテレンス・マリック監督の美術監督で、リンチとは学生時代に途中で袂を分かつんですよね。その後フィスクは世界的に活躍し、『キャリー』のシシー・スペイセクと結婚しちゃったりする(笑)。リンチが『イレイザーヘッド』を撮っていた頃、フィスクはもちろん、それまでの仲間たちがもう既にバリバリ活躍していたはずだから、リンチは相当口惜しさがあったんじゃないかな。

と分析。それに対し

松崎さん:私の映像制作時代の師匠は撮影監督の栗田豊道さんなんですが、栗田さんがちょうどリンチと同じころAFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)に通っていて、聞いた話だと “デヴィッド ” とかという変人が卒業もせずにずっと映画を作っていると。それが後の『イレイザーヘッド』だったそうです。

と松崎さんもリンチの学生時代について語った。

映画情報どっとこむ ralph また、本作が『イレイザーヘッド』で終わる、ということをどう思うかという質問に

手塚さん:少年時代とか、監督デビューした当時の話など、そのところがリンチにとって“良き思い出” になっているからでしょうね。むしろ『イレイザーヘッド』から後の話はまだ語り切れない、時間が経たないと話せないものがあるのではないんでしょうか。その気持ちは僕もよくわかるんです。

答えた。

また、自著『父・手塚治虫の素顔』(新潮文庫刊)で父・手塚治虫先生とリンチについて語り合ったエピソードに触れ

手塚さん:父は本当に映画が好きでよく観ていたのですが、『ブルーベルベット』を観て“僕は大嫌いだ!学生映画だ”と、怒っていました。リンチの映画は編集がすごく変わっていて、普通はやっちゃいけない手法を平気でやる。僕はそこが好きだったんですが、父には“安っぽい”と映ったようです。

と話した。


映画情報どっとこむ ralph リンチと自身の共通点について聞かれると

手塚さん:全く逆。リンチは映画作家である以前からアーティスト。アートを志してその中で映画を発見していく。僕は最初から映画を撮りたくて、映画にしか興味がなかった。映画をやっていくなかでアートを見つけていった。

と説明、現在公開中の『星くず兄弟の新たな伝説』について話が及ぶと、

手塚さん:もともと『星くず兄弟の伝説』は、僕にとって「アクシデント」みたいなもの。近田春夫さんに頼まれて作り始めた。素人同然の人たちが集まって、さらにその知り合いなんかが出演した作品が、たまたまバブルの時代に乗っかって“商業映画”になってしまい、さらに今でいう“カルト映画”的な評価を受けた。新作ではその約30年後を描いてるわけですが、とにかく自由な作品になった。それに、リンチが『イレイザーヘッド』以降についてまだ語っていないように、僕も10年前だったら『星くず兄弟の伝説』の続編は作ってなかったし、話す気にすらならなかったと思います。

と自身を振り返った。

映画『デヴィッド・リンチ:アートライフ
原題:David Lynch: The Art Life

は 新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか絶賛公開中。

リンチが紡ぐ「悪夢」はどこから生まれるのか?

『ツイン・ピークス The Return』で再び世界を騒がせる、映画界で最も得体の知れない監督――その「謎」が「謎」でなくなる、かもしれない。

映像作品のみならず、絵画、写真、音楽など様々な方法で表現活動を続けているデヴィッド・リンチ。「その頃の僕の世界はとても小さく、近所の数ブロックに全てがあった」ハリウッドにある自宅兼アトリエで語られる過去。「恐怖が垂れ込める意地の悪い街」フィラデルフィアでの日常。その中に潜む「恐怖」「苦悩」は、まるでリンチ作品の登場人物のような姿で私たちの前に現れては消えていく。

アメリカの小さな田舎町で家族と過ごした幼少期、アーティストとしての人生に憧れながらも溢れ出る創造性を持て余した学生時代の退屈と憂鬱。後の『マルホランド・ドライブ』(2001 年)美術監督である親友ジャック・フィスクとの友情。生活の為に働きながら、助成金の知らせを待った日々。そして、当時の妻ペギーの出産を経てつくられた長編デビュー作『イレイザーヘッド』(1976 年)に至るまでを奇才デヴィッド・リンチ自らが語りつくす。

映画情報どっとこむ ralph 手塚眞監督作品
三浦涼介×武田航平『星くず兄弟の新たな伝説』初日舞台挨拶
http://eigajoho.com/96607


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監督:ジョン・グエン、リック・バーンズ、オリヴィア・ネールガード=ホルム(『ヴィクトリア』脚本)
出演:デヴィッド・リンチ
配給・宣伝:アップリンク
2016 年/アメリカ・デンマーク/88 分/英語/DCP/1.85:1/
   


落合賢が語ったベトナム映画の今。『草原に黄色い花を見つける』イベントで


映画情報どっとこむ ralph 本イベント行く予定だったのですが、その前のイベントが50分おしで行けなかったので、オフィシャルレポートでご紹介!

新宿武蔵野館にて公開中の映画『草原に黄色い花を見つける』。公開2日目となる8月20日、新宿武蔵野館にて特別トークショーが行われ、ベトナム映画『サイゴンボディガード』を監督した日本人映画監督・落合賢さんと映画評論家の松崎健夫さんが登壇しました。

日付:8月20日
場所:新宿武蔵野館
登壇:落合賢、松崎健夫

映画情報どっとこむ ralph 本作『草原に黄色い花を見つける』について

落合監督:僕が拝見させていただいたベトナム映画のなかでトップ3には入る作品です。ヴィクター監督はベトナムでは若いんですけど巨匠なんです。僕自身にも兄貴がいて、兄貴とよくプロレス技だったり空手でよく泣かされてたんですが(笑)兄貴の愛はずっと感じ続けてきたというところがよくわかるなと思いました。

と語ると、

松崎さん:冒頭の石を投げているシーン、あれが結果的に弟が悪気もなければ純真で打算もなくて兄貴のほうがいろいろ考えて行動しているという布石になっている、あたまから後の展開をにおわすようになっていてうまいなと思いました。

と付けたします。


ベトナム映画産業について

松崎さん:ベトナムの映画市場のなかに落合監督のように日本人の監督が入ってきているとか、このヴィクター監督もアメリカ出身で母国に帰って映画を撮っている、そういう外からの才能を受け入れて映画を撮っている感じがするんですが、落合監督はベトナムで撮られたときにそういう感じを受けましたか?

落合監督:そうですね。一つ目はベトナムの映画産業っていうのがうなぎ上りだということ。それでもまだ年間4,50本で、日本でいったら400~500本作られているので1/10くらいのサイズではあるんですけど、コンテンツをすごく求めていると。ベトナムの観客が「ベトナムの映画を見たい」と思っている状態なんです。これはヴィクター監督が作り上げた市場でもある気がするんですね。ここ10~15年の間ですごく増えてきているので。ベトナムで作っている監督と海外で勉強した監督というのはやっぱり文法が違うというのはあります。それぞれ映画っていうのは僕はコミュニケーションの一つだと思いますし、文法っていうものがあると思うんですね。邦画には邦画の文法があって、ハリウッドにはハリウッドの文法がある。その中でベトナムの、言葉と同じように文法が作られ始めている状態なんですけどそれがまだしっかりできていない感じなんですね。海外からきた監督は逆にハリウッドの文法を物語として伝えていくというのがしっかりできている。その脚本の地盤が違うというのが一番大きな点じゃないかなと思います。

映画情報どっとこむ ralph ベトナムにとっての80年代

松崎さん:落合監督の「サイゴンボディガード」でも1980年代の音楽を引用されていて、この映画の舞台も80年代後半。ベトナムの人はこの時代をどういう風に受け止めるのかな?と思ったんですが?

落合監督:これは僕の主観なんですが、ベトナムの人たちにとって80年代というのはすごく重要な期間であって。75年にベトナム戦争が終わってそこから10年たって、すこし生活のゆとりであったりアメリカからのエンターテイメントがいろいろ入ってきて。そこでひとつ文化の盛り上がりみたいなものがあった時期だと聞いていました。そんな中で80年代のアメリカの曲が有名だったりするんですね。逆にビートルズとかは知名度が低かったりして。80年代はベトナムにおいて特殊な時代だったんじゃないかなと思います。

松崎さん:ベトナム戦争の影響というのはどうしても逃れられないと思うんですね。まだ40年くらい前の話で。日本だと第二次世界大戦を経験した人がもういなくなっていて問題だというのと逆に、ベトナムには戦争を経験してそれを潜り抜けた人がまだまだいるっていうことは時代として描いているという一つの理由じゃないかと思うんです。この映画でも土地柄というのはすごく重要視されているんですけども、その北か南か、ベトナム戦争のときの対立構造のようなものって、いまだにベトナムであるのかどうか、感じた感想を教えてもらえたら。

落合監督:北はハノイで、南はホーチミン、サイゴンと呼ばれている場所なんですけども、北と南の区別というのはすごく大きくて。ハノイは政治の中心地、サイゴンは商業の中心地で言葉も全然違うんですね。大阪と東京以上に方言が強かったりする。あとベトナムというのはベトナム戦争で世界中に移民が流れていった。ヴィクター監督の祖先もそういううちの一人で、最終的にアメリカにわたって。アメリカに渡ったりヨーロッパに渡った才能というのがいま40年後にして初めて戻ってきている。そういう意味では海外からの戻りというのがすごく大きくて、外に出た人たちが戻ってきてベトナムでつながりを作ろうとしている。日本でも最近日系人であったりする人たちが日本に戻ろうとする活動をちょっとずつやってはいるんですがまだ日本では騒がれてはいないかなと思いますね。


ベトナムの映画製作事情

松崎さん:ベトナムの役者たちはどんなところで演技を学んでるんですか?トレーニングはされてないんですか?

落合監督:されてない人がほとんどでしたね。ただ、有名な方は舞台をやられていたという人が多くて、「草原に黄色い花を見つける」と「サイゴンボディガード」に出ている役者さんでかぶっている役者さんも何人かいらっしゃるんですけど、そういう人たちは舞台の稽古の中で培ってきた演技方法を使っていたりしましたね。

松崎さん:スタッフの人たちはどういうバックグラウンドの人たちなんですか?

落合監督:スタッフの人たちは本当にピンキリで、経験がある人もいればそこらで朝つかまえて来た人たちもいたりして(笑)だいたいスタッフ100人くらいいる中で、ベテランの人もいれば、17,8歳の高校卒業したばかりの人たちもいるという感じですね。ただ、ハングリー精神がすごく強いかなと思いました。「いい映画を作ろう」「ベトナムの映画で、文化、言葉、人間性を世界中に送り出してやろう」という、「ベトナムを世界に知ってもらおう」という思いがすごく強いですね。

と、ベトナム映画界の今ががよくわかるイベントとなりました。

映画情報どっとこむ ralph 映画『草原に黄色い花を見つける

原題:Toi thay hoa vang tren co xanh

新宿武蔵野館にて絶賛公開中、全国順次公開

物語・・・
ティエウとトゥオンは、いつも一緒に遊んでいる仲の良い兄弟。思春期を迎える12才の兄・ティエウは、幼なじみの少女・ムーンのことが気になっているが、うまく想いを伝えることができない。そんなある日、ムーンが家の不幸からしばらく兄弟の家に身を寄せることになる。一緒に過ごす時間にティエウの恋心は募るばかり。しかしトゥオンとばかり遊ぶムーンを見て、嫉妬したティエウは、遂に取返しのつかないことをしてしまって。


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監督:ヴィクター・ヴー
脚本:ヴェエト・リン、ヴィクター・ヴー、ドアン・ニャット・ナム

出演:ティン・ヴィン、チョン・カン、タイン・ミー、マイ・テー・ヒエップ
2015/ベトナム/カラー/103分
配給:アルゴ・ピクチャーズ
©2015 Galaxy Media and Entertainment. All rights reserved.
     


映画系W松崎 健夫&まこと が登壇!映画『ハイドリヒを撃て!』


映画情報どっとこむ ralph 第二次世界大戦のさなか、ヨーロッパ全土を恐怖に陥れたナチス高官ラインハルト・ハイドリヒの暗殺事件を描いた史実サスペンス。

8月12日より公開の映画『ハイドリヒを撃て!』のトークショーがおこなれ、映画評論家の松崎健夫さんと放送作家/映画活動家の松崎まことさんが登壇しました!

映画『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』トークショー
日時:8月2日(水) 
場所:ユーロライブ
登壇:松崎健夫(映画評論家)、松崎まこと(放送作家/映画活動家)

映画情報どっとこむ ralph 映画の上映後、拍手のなか登壇し本作の感想を求められると、今立て続けに公開されている戦争映画と比較しながら

松崎健夫さん:またナチスの映画かよ、と思うかもしれませんが、命を失った一人一人のドラマがあるので、何一つとして同じものはない。戦争は一つの命を大事にしなきゃいけないのに、全く大切にされないのだと感じました。

と話し、

松崎まことさんは本作と同じくハイドリヒ暗殺事件を題材にした『死刑執行人もまた死す』『暁の7人』と比較しながら

松崎まことさん:『死刑執行人もまた死す』が作られたときはプロパガンダ的な意味合いもあったが、この作品は当時のチェコの人々がどのように感じていたのかが描かれている。そうゆう点では『暁の7人』と近いのかもしれないけど、主演二人がイケメンだし、より映画的になっていますね。

と話した。

映画情報どっとこむ ralph そして、

本作の監督ショーン・エリスに話が及ぶと

健夫さん:この監督は元々フォトグラファーで、『フローズン・タイム』などアーティスティックな作品を撮っていた人なのですが、これを観て、こんな作品も撮れる人なんだと思いました。

と言うと、

まことさん:ある種CM的なものを撮っていた人がこの題材を選ぶというのもね。

と同意。

健夫さん:今ヨーロッパが不穏な状況になっているからこそ今この映画を撮らなくてはいけないと思う若い監督が出てきているということに意義がありますよね。

と強く話すと、

まことさん:日本も他人事みたいに言ってられないよね。

と相槌をうちました。

健夫さん:300年後に『2017年は戦前』と書かれてほしくない。もちろんこの映画は昔の話として描かれているけど、今に通じる話としても見れます。

と言うと、

まことさん:今のに付け加えると、こうゆう局面になったとき、『絶対に裏切らない自信はあるか』という問いかけもありますよね。だからこそ、こうなる前に止めなくてはならないということも描かれていますよね。

と話した。

映画情報どっとこむ ralph 最後に、本作の見どころを

健夫さん:この映画を観て、『暁の7人』なども観るとより理解が深まります。あと、アクションシーンもいっぱいあるので、最近のナチス映画の中では一番見やすいと思います。

と話した。

まことさん:この作品を通して現代に起こっていることに楔を打ち込んでいるのがショーン・エリス監督のすごいところです!!

と興奮気味に話しました。

映画『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』
原題:Anthropoid 

は8月12日より新宿武蔵野館他順次公開

公式HP:shoot-heydrich.com


物語・・・
第二次世界大戦直下、ナチスはヨーロッパのほぼ全土に占拠地域を広げていた。ヒトラーの後継者と呼ばれ、ナチス第三の実力者であるラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた。イギリス政府とチェコスロバキア亡命政府はハイドリヒ暗殺計画を企て、ヨゼフ(キリアン・マーフィ)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)ら七人の兵士の暗殺部隊を、パラシュートによってチェコ領内に送り込む。ヨゼフとヤンはプラハの反ナチス組織や家族と接触し、暗殺計画を進めていく。ついに無謀なミッションは実行されるが、ハイドリヒ襲撃に憤慨したナチスは常軌を逸する残虐な報復を始める―――。

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監督・脚本:ショーン・エリス
出演:キリアン・マーフィ、ジェイミー・ドーナン、ハリー・ロイド、シャルロット・ルボン、アンナ・ガイスレロヴァー
配給:アンプラグド
宣伝:アンプラグド・サルーテ・シャントラパ 
2016年/チェコ=イギリス=フランス/120分/5.1ch/シネスコ/カラー

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