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ミャンマー人一家の生活をシビアな眼差しで 藤元明緒監督『僕の帰る場所』日本外国特派員協会記者会見


映画情報どっとこむ ralph 昨年の第 30 回東京国際映画祭アジアの未来部門 にて日本人監督では初となる2冠を達成し注目された『僕の帰る場所』が、 10 月 6 日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開となります。
世界的な関心事項である”移民“という題材を、ミャンマーでの民主化の流れや、在日外国人の家族を取り巻く社会を背景に 描いた本作は、ミャンマー政府の厳しい検閲を通過し、企画から 5 年を経て完成しました。 監督は本作が長編デビューとなる新鋭・藤元明緒。演技経験のないミャンマーの人々を多数起用し、まるでドキュメンタリー を思わせる映像は、ミャンマー人一家の生活を優しく見守りつつ、シビアな眼差しを貫いています。

この度、日本外国特派員協会にて記者会見が行われました。
右から藤元明緒(監督)、ケイン・ミャッ・トゥ(母親役)、渡邉一孝(プロデューサー)

『僕の帰る場所』日本外国特派員協会記者会見
日時:9月20日(木)
場所:公益社団法人日本外国特派員協会
登壇:藤元明緒(監督)、ケイン・ミャッ・トゥ(母親役)、渡邉一孝(プロデューサー)

映画情報どっとこむ ralph 本作が日緬合作作品であることから「なぜミャンマーとの共同制作を考えたのか」という問いに関して、

渡邉P:本作の共同プロデューサーで出演もしている俳優・來河侑希より、ミャンマーで映画を撮らないかと話があった。 渡航経験もなく、ミャンマーのことを何も知らなかったので、インターネットや本などで調べ始めると日本人がアウン・サ ン・スー・チー女史や軍事政権については少し知っているが、どういう人たちがどんな場所で何を食べ何を話しているか、 生活のことは知られていないことに気がつきました。映画ならば、観客が感情移入する中でそれらの多くをスクリーンを通じて 発見していく作品を作ることができる。民主化の方針や、経済的にも”東南アジア最後のフロンティア”として、国が開い ていくことが注目されていたこともあり、資金もなく、映画のプロデュースもしたこともなかったが、国際共同制作企画の 監督募集をした。その中で、唯一脚本まで書き上げてきたのが藤元監督。ミャンマーを短時間で調べ世界観をつくり上げた ことに感心し、一緒に映画をつくることを決めた。結果、この映画のために会社と NPO をたて、多くの方々に支えられなが ら、製作委員会を作らない協賛と借金のみによる一社単独責任の体制を取り、5 年の歳月をかけることになりました。

と誕生秘話を明かしました。


続けて、今回の企画について

渡邉P:監督は日本人だが、国籍も文化も年齢も越えて、ミャンマー人の家族、子ど もに共感し、作品の根本を見出したことが素晴しいと感じている。ファミリーレストランやコンビニに行けば外国の方々を 多く目にしたりするが、東南アジアに限らずとも、日本人が外国人たちに感情移入していくことが圧倒的に少ない。映画館 に行けば、その0(ゼロ)の体験が1(イチ)になる可能性があります

と本作の魅力について語った。

15 ヶ国 25 以上の映画祭で上映され各国での反応を聞かれ

藤元監督:嬉しかったのはカウンくん(ボスタービジュアルの 少年)に感情移入する人がとても多かったこと。日本とミャンマー2つの国の話だが、どの映画祭でも国籍関係なくカウン くんに感情移入してくれた。移民/難民を背景にした話でもあるが、家族の目線から見えること以外細かく説明しておらず、制度を説明するために役者が演じることになってしまいます。

と説明。また多くの人の心を掴んで離さないラストシーンについては

藤元監督:少年の 物語に終始しない“家族”を捉えることについて、撮影現場で気付かされた重要なシーン。家族とは矛盾した人間個人の集合体しました。

と常に大切にしてきた“家族”というテーマについて言及した。

また母親役として出演したケインさんは、子役であり実の息子たちでもあるカウンくん、テッくんが現在 11 歳と 7 歳(撮影当時 7 歳と 3 歳)となり、2人とも映画が好きで機会があればまた挑戦してみたいと思っていることを話した。

映画情報どっとこむ ralph
僕の帰る場所

東京公開初日 10/6(土)にはポレポレ東中野では初日舞台挨拶も予定。

本日の登壇者に加え、主人公家族の兄弟カウン・ミャ ッ・トゥ、テッ・ミャッ・ナインなども登壇予定。(※詳細は後日発表)

また、ポレポレ東中野では公開中全ての回が日英字幕付きで上映となる。

ある在日ミャンマー人家族に起きた、切なくも心温まる愛の物語 東京の小さなアパートに住む、母のケインと幼い二人の兄弟。入国管理局に捕まった夫アイセに代わり、ケインは一人家庭を支えていた。 日本で育ち、母国語を話せない子ども達に、ケインは慣れない日本語で一生懸命愛情を注ぐが、父に会えないストレスで兄弟はいつも 喧嘩ばかり。ケインはこれからの生活に不安を抱き、ミャンマーに帰りたい想いを募らせてゆくが―。

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監督•脚本•編集:藤元明緒
出演:カウン・ミャッ・トゥ、ケイン・ミャッ・トゥ、アイセ、テッ・ミャッ・ナイン、來河侑希、黒宮ニイナ、津田寛治

撮影監督:岸建太朗 / 音響:弥栄裕樹 / 美術:飯森則裕 / ヘアメイク:大江一代 / 制作担当:半田雅也 / 音楽:佐藤和生 / スチール:伊藤華織 共同プロデューサー:キタガワユウキ / プロデューサー:渡邉一孝 吉田文人 コーディネーション(ミャンマー):Aung Ko Latt Motion Pictures 協賛:坂和総合法律事務所 株式会社ビヨンドスタンダード 長崎大学多文化社会学部 Ability South East Asia,Co.,Ltd. 株式会社熊谷組 協力:在ミャンマー日本大使館附属ヤンゴン日本人学校 ミャンマー映画祭実行委員会 / 特別協力:MYANMAR JAPON CO.,LTD. 後援:外務省 観光庁 国際機関日本アセアンセンター 一般社団法人日本ミャンマー友好協会 主催:特定非営利活動法人日本・ミャンマーメディア文化協会 / 企画•製作•配給:株式会社 E.x.N / 宣伝:佐々木瑠郁

2017 年/日本=ミャンマー/98 分/カラー/ステレオ/1:1.85/日本語・ミャンマー語/ドラマ/DCP
©E.x.N K.K. www.passage-of-life.com 文部科学省特別選定 (成人向き) 文部科学省選定 (家族向き、青年向き)


キスも違った!唐田えりかが語る東出昌大の1人二役。『寝ても覚めても』日本外国特派員協会記者会見


映画情報どっとこむ ralph 9月1日(土)より、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国 公開となる映画『寝ても覚めても』。

8月29日(水)日本外国特派員協会にて試写が行われ、濱口竜介監督、ヒロイン朝子を演じ た唐田えりかが記者会見に登壇しました。


日付:8月29日
場所:日本外国特派員協会
登壇:濱口竜介監督、唐田えりか

映画情報どっとこむ ralph 本年度のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された 『寝ても覚めても』。

「カンヌはどうでしたか?」の質問に、

濱口監督:映画好きとして今まで見てきた場に自分が立ててとても興奮し ました


唐田さん:初めての大きな役で、まさか自分が行けるとは。いまだに”寝ても覚めても”夢を見ているようです。

と、共に初のカンヌ映画祭での覚めやらぬ興奮を語った。外国人記者から、本作に登場するキャラクターについての質問が飛び交い、朝子が運命的な恋に落ちたミステリアスな麦(東出)の唐突な行動について、いかにこの人物 によって物語が大きくうごめくのか、仲本工事演じる平川の言動について、いかに彼が日本人の持つ一つの考え方を 代表しているかなど、丁寧に濱口監督が解説。

また、印象に残った台詞を問われ、

唐田さん:全部の台詞が愛おしいです。

と本作への愛を語った。


ヒロインの朝子として、一人二役を演じた東出昌大と共 演した感想を問われ

唐田さん:麦の時の東出さんは、危うくてすぐに消えてしまいそうな儚さがあって、一緒に いるのにいないような感じでした。一方で、亮平の時は、 愛に包まれているような感じで、同じ人なのに全然違いました。キスも違いました!

唐田さんが撮影したオフショット


と語り。東出さんの演じる全く別の二役と共にいることで、全く違う感情 が自然と生じたようで、

唐田さん:すべて東出さんに助けられました。

と感謝を述べた。また、後半に観客を驚かす朝子 の“ある決断”をどのような気持ちで演じたのかを尋ねられ、

映画情報どっとこむ ralph 唐田さん:濱口監督からは、現場に入る前から“何も考えなく て良いです。とにかく相手の芝居を見て聞いてください”と言われていたので、現場では完全に“無”の状態でした。(その決断の瞬間も)計算などなく、その時、そうするし かなかった、気づいたらそう決まっていた、という感じで、反射的に体が動いていました。

と、いかに唐田自身が自 然と朝子と同化していたかをうかがわせた。
原作も、共同脚本も女性である本作。監督はどのように ヒロインの物語を撮っていったのかについて、

濱口監督:この物語は、女性でないと理解できないわけではないと思っています。自分も、朝子のように行動したいと思って撮りました。映画で女性を描くということは、女性を撮るということです。唐田さんを撮っていれば、自然と朝子が描けました。彼女はまさに朝子でした。現場 で非常に高い集中力で朝子を演じる彼女についていったら、カンヌまで行っちゃいました。

と唐田を撮ることが できた喜びと全幅の信頼を露わにした。



カンヌ国際映画祭に続き、今後もトロント、ニューヨーク、サンセバスチャンと各国での映画祭出品が決まっており、 また、すでに世界20カ国以上での公開が決定している本作。ますます世界を席巻中の『寝ても覚めても』が、いか に監督と役者の信頼関係によって生み出されていったのかが垣間見える会見だった。

映画『寝ても覚めても

9月1日(土)、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷シネクイントほか全国公開!

www.netemosametemo.jp


あらすじ
東京。亮平は、コーヒーを届けに会社に来た朝子と出会う。真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながらも朝子は惹かれていきふ たりは仲を深めていく。しかし、朝子には亮平には告げていない秘密があった。亮平は、かつて朝子が運命的な恋に落ちた恋人・麦に顔がそっくりだったのだ。


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出演: 東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知(黒猫チェルシー)/仲本工事/田中美佐子
監督: 濱口竜介
脚本:田中幸子 濱口 竜介
原作:「寝ても覚めても」柴崎友香(河出書房新社刊)
音楽:tofubeats
主題歌:tofubeats「RIVER」(unBORDE/ワーナーミュージック・ジャパン) 2018/119分/カラー/日本=フランス/5.1ch/ヨーロピアンビスタ
製作:『寝ても覚めても』製作委員会/ COMME DES CINÉMAS
製作幹事:メ~テレ、ビターズ・エンド
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:ビターズ・エンド、エレファントハウス
©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS


日本外国特派員協会 是枝裕和監督『万引き家族』記者会見


映画情報どっとこむ ralph 様々な“家族のかたち”を描き続けてきた是枝裕和監督が「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と語る渾身作『万引き家族』が6月8日(金)より全国公開となります。

そしてこの度、日本中を沸かせその興奮冷めやらぬ中、是枝監督が、外国特派員協会にて記者会見を行いました。
会場いっぱいに集まった日本外国特派員協会(FCCJ)に所属する記者たちからの質疑応答に応え、公開間近の本作に込めた熱い思いを語りました。

日付:6月6日
場所:日本外国特派員協会(FCCJ)
登壇:是枝裕和監督

映画情報どっとこむ ralph パルムドール像を抱え会見場にやってきたこともあり、多くの拍手で迎えられ登場した是枝監督。

まず、映画委員会委員長のキャレン・セバンズより、本作に対する批評や政治的な様々な意見が世界で飛び交っている現状について質問が及ぶと、
是枝監督:僕自身、この映画ははじめから社会的、政治的なことを喚起してつくっているわけではない。なので、こんなリアクションが起きるとは思ってもいなかった。カンヌでの審査員たちの会話の中では、演出や役者やスタッフなど全ての調和がよかったといってくれたこと、審査員の女優たちがこぞって、この映画に出演する女優たちを褒めてくれたことが嬉しかった。2000年代に入って、海外の映画祭に出品するようになり、日本映画は社会性、政治性がないことについて批判が含んだ形で指摘された。でもそれは現実。なぜならば、そのような映画をつくっても、日本では興行に結び付かないからだ。そのことが、日本の幅を狭くしていることは自覚していた。2000年代以降は、ファミリードラマにこだわってつくっていた。しかし、ここ二年はファミリードラマに一度ピリオドを打ち、今回は現在が抱える社会問題に“家族”というものをおいて考えてみたいと思った。恐らく、21年ぶりのパルムドール受賞ということもあり、僕が思っている以上にメディアに取り上げられ、普段、映画はみないような方もこの映画を知っていただいていることから、物議を醸している状況のようだ。しかし、通常の枠を超えて多くの方にも届いていることについては前向きに捉えています。

と回答。

その後、協会員である記者たちからの質疑応答に応えました。

映画情報どっとこむ ralph
Q,脚本を書くにあたってどんなリサーチをしたのか?

実在した事件を元にしたわけではないが、ここ数年、“家族”を巡って起きている事件は元にしている。<犯罪でしかつながれなかった家族>というフレーズが思い浮かんだとき、まずは「年金詐欺」をベースに、優しさで集まっているわけではなく、お金を目的として集まっている家族という設定にした。そこから、家族で万引きをしているという事件の裁判の記事の中で、「釣り竿だけお金を払わず家の中に置いてあった」という一文だけでまとめられているのが、とても気になった。釣り場屋さんには申し訳ない話だが、そのとき、きっとその盗んだ釣り竿で親子は釣りを楽しんだんだろうなというイメージが浮かんだ。一番印象に残っているのは、養護施設に訪れたとき、小学生の女の子がふとランドセルから絵本の「スイミー」(レオ・レオニ作)を取り出し、突然それを読み始めた。職員の方は、迷惑だからやめなさいと止めたが、その女の子は結局その絵本を最後まで読み切った。その姿に感動し、スタッフみんなで拍手をしたら、その女の子がとても嬉しそうに笑った。きっと、この子は本当の親に聴かせたいのだろうと思った。それが頭から離れなくて、映画の中でもこの出来事を反映したシーンを書き加えた。

Q,新しい企画が欧州で展開されると耳にしたが、言える範囲で構わないので教えてほしい。

まだ正式発表の前なのに、色々と漏れていて不思議だ(苦笑)。秋にフランスでフランスの役者と映画を撮ろうと思っている。6月からはパリに渡って準備を始める予定だ。まだ発表前なのに、なぜか役者のギャラまで情報が出回っている(会場笑い)。来月までには何かしらの形でお知らせできると思う。

Q,今回の映画は、政治を生業とする方が観衆にいると想定してつくられたのか?

その考えは全くありません。僕はTVをやっている時代から先輩に、母親でも友人でも誰でもいいから、誰かひとりの為に作品をつくれと言われてきた。それが、結果的に伝わると20代の頃に教えられた。今、その質問を受けてはっきりとわかったことがある。この作品は、「スイミー」を読んでくれたあの女の子の為につくっている。

Q,見えない花火を見上げるシーンが大好きなショットだ。是枝作品の多くは、ある意味“家”が主人公であると捉えているが、“家”についてのこだわりを教えてほしい。

花火のシーンは、審査員のひとりであった、チャンチェンも好きだと言ってくれた。審査員長だったケイト・ブランシェットがいっていた言葉を借りるならば、今回は「invisible people=見えない人々」の物語をつくっている。見えない、聞こえないものを観る側がどう捉えるかがモチーフにあった。花火のシーンは、そのモチーフの中心にあると思う。撮影で使った家が見つかったことは、成功に好転している。あの家は、実際にある家とその家の中はセットもつくっているが、ロケとセットの見分けがつかないくらい精密につくられており、作品をみると、正直どっちが本当かもわからないほどで、それほどあの家がこの作品の中に馴染んでいた。こちらの要望に応え、あの家を見つけてくれたスタッフとそれを精巧に再現してくれた美術スタッフには感謝の気持ちでいっぱいだ。あの“家“がこの映画において、もう一方の主役だったのは間違いないと思う。

Q,ご自身が現地でみたコンペティション作品の中で、賞を獲るべきだと思った作品はあったか?

公式上映後は、有難いことに多くの取材依頼があり、他の作品を観る時間が全くなかった。観た中でいえば、『万引き家族』が一番よかったかな(笑)(会場笑い)。

映画情報どっとこむ ralph 会見最後には、是枝監督は6月6日が誕生日ということで、協会からバースデーケーキがプレゼントされるサプライズもあるなど、お祝いムードな会見となりました!

Happy Birthday & Congratulation!
Maestro KOREEDA

映画情報どっとこむ ralph また、外国人の方々からのたくさんのお問い合わせを受け、この度、英語字幕版の上映が決定!
6月21日(木)に是枝裕和監督が登壇する舞台挨拶付上映をTOHOシネマズ六本木ヒルズにて実施予定。6月23日(土)より新宿バルト9にて上映開始となります!

6月8日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

公式サイト:
gaga.ne.jp/manbiki-kazoku

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。
冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。

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原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント)
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ / 松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ /緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 ・ 柄本明
/ 高良健吾 池脇千鶴 ・ 樹木希林
配給:ギャガ
(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro. 


柄本佑、冨永昌敬監督が登壇『素敵なダイナマイトスキャンダル』日本外国特派員協会記者会見


映画情報どっとこむ ralph 「写真時代」「NEW self」など、伝説的なカルチャー・エロ雑誌を世に送り出した編集長・末井昭氏の自伝的エッセイを、俳優・柄本佑を主演に迎え、冨永昌敬監督が映画化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』。本作は、7歳の時に母親が隣家の若い息子とダイナマイト心中するという壮絶な体験をした末井青年が、工員、キャバレーの看板描きと職を転々としながら、70〜80年代のサブカルチャーを牽引する伝説の雑誌編集長となっていくまでを描いた青春グラフィティです。

3月17日の公開に先駆け、この度、日本外国特派員協会にて記者会見を行いました。


「素敵なダイナマイトスキャンダル」日本外国特派員協会 記者会見
日時:3月14日(水)
場所:公益社団法人日本外国特派員協会
登壇:柄本佑、冨永昌敬監督

映画情報どっとこむ ralph 試写した直後の外国特派員に大きな拍手で迎えられた冨永昌敬監督と柄本佑による記者会見。

Q.エッセイが元だとは信じられないような話が展開されますが、どのくらい脚色をされましたか?

監督:末井昭さんは自伝的要素のあるエッセイをたくさん書かれています。ですからネタはたくさんありましたし、本に書いてないこともお話を伺いました。すべてを描こうとすると2時間の映画に収まらない。僕としては脚色したつもりはないですが、本来は5人いた人物を1人にしてみたり、まとめた感じはあります。末井さんの周りには、触れずにはいられないような面白い人がいます。ご自身の人間観察の目が秀でているのだと思います。主人公を追いかけつつ、周りの人たち、影響を与える人たちをいかに少人数で描くか。自分では脚色したとは思っていないですが、そういう意味では脚色しましたし、脚色して面白くなったと思います。

Q.実在の人物である末井昭を演じるにあたって、どのように役を研究されましたか?

柄本さん:最初にお話を頂いた時に、末井さんのエッセイの表紙にある女装姿を見て、単純に「俺と似ているな」と思いました。監督とお会いして、「実在の人物だけど佑くんのままでいいから」言われ、顔も似ているし大丈夫だと思いました。研究という意味では本を読んで、末井さんのお話を聞いて、末井さんを見るということが研究だったのかもしれません。現場に末井さんが6日間くらいいらっしゃって最初は緊張したんですが、いるものはしょうがないというか、いらっしゃるんだから逆になるだけ末井さんを見ておこう、と。人と話したりしているところよりも、末井さんが一人で佇む姿の方が参考になったと思います。

Q.登場人物が怪我をしていたり、曇ったメガネをかけていますが、意図は?

監督:原作にヒントがありました。主人公が若い頃に働いていたキャバレーでは店長や女の子、お客さんの揉め事が多かったそうです。みんな裕福ではないし、生活のためになりふり構っていられない。体を張って仕事をしている。彼らに限らず50年前の日本にはそういう人々が大勢いたと思います。そういうなりふり構っていられない人を描くために、メガネを曇らせました。今は、メガネを拭くための専用の布があります。でも、僕の想像ですが、当時は服や指で拭いていたと思うんです。メガネはただの道具で、見えればいい。少々怪我をしても仕事は休まない。そういう人たちが、他人の視線が気になっている自意識過剰な若い頃の主人公を見る。そういう視線に晒されるという繰り返しが、彼を鍛えていったのだと思うんです。彼が成長すると、メガネが曇っている人は出てこない。昔の日本人はメガネが曇っていたのではないか、という僕の想像の説に立脚しています。

Q.これほどチャーミングな柄本さんを始めてみました。柄本さんの魅力でしょうか。それとも、末井さんにお会いしたことが影響しているのでしょうか?

柄本さん:チャーミング、だったかなあ(笑)?嬉しいですが、意識はしていませんでした。監督が男性的な方で、現場で迷いがなく、確信めいている男性的な方で、僕は内面が女子なので「安心して抱かれていればいいな」と。それが面白くて、撮影中はノンストレスでした。そういう部分がチャーミングに写っているのかもしれません。

映画情報どっとこむ ralph 芸術は爆発だったりすることもあるのだが、僕の場合、お母さんが爆発だった―

素敵なダイナマイトスキャンダル』。

3月17日(土) テアトル新宿、池袋シネマ・ロサほか全国公開!
dynamitemovie.jp

バスも通らない岡山の田舎町に生まれ育った末井少年は、7歳にして母親の衝撃的な死に触れる。肺結核を患い、医者にまで見放された母親が、山中で隣家の若い男と抱き合いダイナマイトに着火&大爆発!!心中したのだ──。青年となり上京した末井昭は、小さなエロ雑誌の出版社へ。のち編集長として新感覚のエロ雑誌を創刊。読者の好奇心と性欲をかきたてるべく奮闘する日々の中で荒木経惟に出会い、さらに末井のもとには南伸坊、赤瀬川原平、嵐山光三郎ら、錚々たる表現者たちが参集する。その後も発禁と創刊を繰り返しながら、数々の雑誌を世におくりだしていく……。昭和のアンダーグラウンドカルチャーを牽引した稀代の雑誌編集長の実話を元に綴られた自伝的エッセイ「素敵なダイナマイトスキャンダル」がまさかの映画化!ダイナマイト心中という衝撃的な母の死。この数奇な運命を背負って、転がる石のように生きていた青年が辿り着いた先は──。

稀代の雑誌編集長の《笑いと狂乱》の青春グラフィティ。

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柄本 佑 前田敦子 三浦透子 峯田和伸 松重 豊 村上 淳 尾野真千子
中島 歩 落合モトキ 木嶋のりこ 瑞乃サリー 政岡泰志 菊地成孔 島本 慶 若葉竜也 嶋田久作

監督・脚本:冨永昌敬 原作:末井 昭「素敵なダイナマイトスキャンダル」(ちくま文庫刊)
音楽:菊地成孔 小田朋美
主題歌:尾野真千子と末井昭「山の音」(TABOO/Sony Music Artists Inc.) 
配給・宣伝:東京テアトル 
2018年/日本/138分/5.1ch/ビスタ/カラー/デジタル/R15+
©2018「素敵なダイナマイトスキャンダル」製作委員会 
     


オダギリジョー、阪本順治監督 日本外国特派員協会で映画『エルネスト』記者会見


映画情報どっとこむ ralph 今年2017年に没後50年を迎えるキューバ革命の英雄“エルネスト・チェ・ゲバラ”。

革命家、反帝国主義のカリスマとして、また、革新を想起させるシンボルとして今もなお世界中でゲバラの存在は明確に息づいている。そんな彼の“意志”に共感し、ボリビアの軍事政権との戦いで、1967年8月に25歳の若さで散った実在の日系人、フレディ前村ウルタードの知られざる生涯を、日本・キューバ合作で描く映画『エルネスト』。

10月6日(金)に公開されます。今回、日本外国特派員協会での試写&記者会見が行われ、オダギリジョーさんや阪本順治監督が登壇しました。果たして、本作を特派員たちはどう見たのか・・・
日時:9月19日(火)
場所:日本外国特派員協会
登壇:オダギリジョー、阪本順治監督

映画情報どっとこむ ralph 民間のプロダクションがなく、国の機構と組まなければならないキューバでの撮影は約1か月半。キューバ市内を中心にハバナ大学やチェ・ゲバラ霊廟などの国内各所での大規模に実施された本作。

監督と小田切さんのプロファイル紹介があった後、質問に!

Q:日本キューバ合作は48年ぶり。なぜ今このストーリーを語ることにしたのか?
阪本監督:エルネストと言う言葉は、真剣と言う意味です。目的を決めた上での真剣。いま政治的な立場にいようがいまいが、目的を決め今を生きなきゃというメッセージを語るべきかなと。切っ掛けはフレディ前村ウルタードと言う人を知ったことから。日本人の血を引いた人間がチェゲバラと共に亡くなった日本人が無くなったと。彼の生き方がエルネストであり、今ボクたちが失っている生き方ではないかと。


Q:なぜ広島を最初と最後に?

阪本監督:広島にチェが献花したこと。一つの事実。その後、フレディ前村がキューバを訪れ大学生活に入りキューバ危機が起こり。その二つの事柄を構成することで、核に対する定義ができると思ったのです。多分、キューバ危機に、広島で献花したチェだけが感じた思い。脳裏をよぎったと思うんです。

Q:戦争の描き方に対して意識されたのは?

阪本監督:政治とか 戦争が描かれていますが、その実は、その中にいる人を描いているんです。キューバ危機に触れますが。何も知らされてなかった学生。フレディー、名もなき学生目線でキューバ危機を描きたかった。

Q:オダギリさんは「明るい未来」で、最後のショットは、チェゲバラのTシャツを着てぶらついてます。チェとの関係はどう思います。
オダギリさん:そう言われれば。最後ゲバラですよね。今思い出しました。この映画の話を友達にしたらオダギリがゲバラをやるのって?ゲバラの格好が似合うと思う人がいるかもしれません。ゲバラのポスターも部屋に貼ってますし、Tシャツも持ってます。

映画情報どっとこむ ralph Q:実話ベースだと思いますが、どこまで脚色しますか?例えば、「過ちは繰り返しません。」主語をはっきりしろと言いますが現実?

阪本監督:嘘でいいかというとそうではなくて、全て取材と資料調査の結果。事実を分かったうえで再現するのではなく、精神とか空気を伝えるのに必要であればフィクションを組み込みます。ご質問にあった冒頭の言葉は随行記者のメモからです。書き残していたんで、そのセリフを盛り込みました。
Q:映画の話、キューバに持ち込んだ時の反応は?

阪本監督:合作はできます。と言われて、主役が日系人だといえ、日本人の監督が撮影することに違和感ありますか?と聞くと全くない。キューバでは最近ではあの時代を映画がふれていない、「自分たちの映画」としてやりましょうと言われました。


Q:この役の準備はどうしましたか?
オダギリさん:このお時間までお酒を飲まないでいた甲斐がありました(笑)。芝居をいかにスペイン語で成立できるか。協力してくれたのは3-4人くらいの共演者が、彼ら一人一人が描くフレディ像で読んでくれて、監督と僕で、これに近いかなと。そうしたアプローチが結果的にフレディー像を明確にしたと思います。本当にありがたかったです。

と役作りを行ったことを明かしました。

エルネスト

10月6日(金)TOHOシネマズ 新宿他全国ロードショー

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脚本・監督:阪本順治
出演:オダギリジョー、永山絢斗、ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ、アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス

配給:キノフィルムズ/木下グループ
2017年|日本・キューバ合作|スペイン語・日本語|DCP|ビスタサイズ|124分

(c)2017 “ERNESTO” FILM PARTNERS.