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秋山正子×白川優子 看護師トーク『人生、ただいま修行中』イベント


映画情報どっとこむ ralph この度、『ぼくの好きな先生』で知られるドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督の最新作『人生、ただいま修行中』が11月1日(金)より新宿武蔵野館他にて全国順次公開となります。
人生、ただいま修行中
この度、本作の一般試写会にて、”日本のマザー・テレサ”的存在で、今年フローレンス・ナイチンゲール記章を受章した訪問看護師・認定NPO法人マギーズ東京センター長の秋山正子さんと、オーストラリアの医療機関や国境なき医師団の派遣地で活動してきた看護師の白川優子さんをお招きし、トークイベントを実施しました。
『人生、ただいま修行中』秋山正子&白川優子トークイベント 『人生、ただいま修行中』一般試写会 上映前トークイベント
日時:10月21日(月)
場所:ユーロライブ
登壇:秋山正子さん(訪問看護師・認定NPO法人マギーズ東京センター長)、白川優子さん(看護師)

映画情報どっとこむ ralph 場内の大きな拍手に迎えられ、まずはじめに登場したのは、白川優子さん。日本で7年間看護師を勤めたのち、オーストラリアで看護師に、その後、国境なき医師団で活躍をしている。
『人生、ただいま修行中』白川優子トークイベント
日本との看護の違いについてまず、

白川さん:看護学生の教育の現場は日本とまるで違う。看護界でも有名なことですが、日本だと指導者と看護学生の距離が遠いというか、規律が厳しい。私が看護学生だったのは30年前で、当時は厳しく、教員に質問をすると、どこまで調べて、どこまで考えてやっているのか、と言われたこともある。それに比べると、オーストラリアやフランスの教育現場は、指導者があたたかく見守っていることが感じられて。でも、最近では日本も、フランスやオーストラリアの雰囲気のようになっていると聞く。

と話した。

また、映画で共感した点について尋ねられると、

白川さん:血圧を測るって、看護師にとって基本。今はそんなに考えないでできるけど、はじめては戸惑い、圧を強く入れすぎて、脈拍が聞こえなかったり、とかがあって。私もそうだったなぁ、と当時を思い出しました。看護師も卵の時代があって手の洗い方ひとつも、順番がある。看護師というと、頼れる、大きな存在だと思われるけど、そういう過程を経ていることを知ってほしい。

と本作の看護師の卵たちが奮闘する姿から、誰にでも初めてのことがあるということを感じ取ってほしいとコメント。

映画情報どっとこむ ralph 『人生、ただいま修行中』秋山正子トークイベント
続けて、秋山正子さん。まず本作を観た感想について、

秋山さん:看護師の卵の気持ちもそうですが、看護教員をしていたこともあるので、教師の立場でドキドキして観た。最後の第3部は看護だけではなく、対人の分野の仕事にもすごく参考になるなと。教師と生徒の面談が続くシーンが面白いので、ぜひそこに注目して観ていただきたいです。

とコメント。また、イギリス発祥の「マギーズキャンサーケアリングセンター」を日本に開設するなど、イギリスの看護現場にも詳しい秋山さん。海外と日本の現場の違いについて、

秋山さん:スタートは一緒だが、実習の場面がまるで違う。日本では学生は、見学実習が多い。海外は思い切り現場に出して、先輩や職場にいる方が横につく。この作品も、ハラハラするシーンがあるが、だんだん彼らが育っていく姿がみれて素敵。また、フランスはコミニケーションがウィットに富んでいるので、緊張している患者さんにかける言葉がいい。

とフランス文化ならではの点についても着目と話します。


映画情報どっとこむ ralph フランスらしい人種や宗教の多様性のある学生が出てくる本作。その点について

白川さん:オーストラリアも多文化、多人種の国だった。日本は島国だが、これからもっと外国人が増えるので、多様性に対応していかなければいけない。また、患者さんには中立な立場で、人種、宗教を乗り越えて、平等に医療を提供しなければいけない。国境なき医師団でも、国、民族、政府どうしが戦っていても、海外派遣スタッフ、現地の看護師は中立の立場で医療を提供している。シリア、イエメンなどでも中立で公平な医療を行ってきた。

と看護師の信条や、これまでの活動の経験から多様性を語った。

秋山さん:訪問看護を新宿エリアでやっていて、通訳のボランティアさんをおかないと難しいことも増えてきた。医療を受ける立場だととても不安に感じていると思う。多種多様な人を相手に、どのようにして、一番気になっていることを引き出していくかが看護。言葉や人種を超えた相手の痛みに寄り添える看護師を目指すことが大事。

と看護をするうえでの普遍的な自身のモットーについて話した。

これから映画を観る方に、注目してほしい、感じとってほしいことについて

秋山さん:第3部の学生たちが育っていく場面で、人間味あふれる対話で向き合う教師たち。また第2部では、病棟だけでなく、外に出る場面も。フランスは入院をなるべく短くして、在宅で看護する流れにもなっている。病院だけではなく、色んなところで看護を展開しているところも観てほしい。

と魅力について語りました。

白川さん:看護師は病院で頼りになる存在だけど、奮闘や、葛藤をし、悩み、苦しんでいることを乗り越えている。また、看護学生を受け持つ病院が見つからないこともある。病院で働いていて、受け持ち看護学生の声がかかったら、ぜひ受け入れの協力をしてほしい。実習で受け持った患者さんは忘れられないし、学生にはまだ資格はないけれど一生懸命やる。それを頭に入れてほしいなと思いました。

と看護学生の立場に立ち、彼らをサポートして欲しいと語りました。

秋山さん:一生懸命、現場に臨む学生たちが、家では大変なことがあったり、悩みがあったりする。彼らのお母さんになった気分で、よくぞここまで育ってくれたなと思って、応援団の気持ちで観ていただければ。

と語り、イベントを締めくくりました。

映画情報どっとこむ ralph 【秋山正子(あきやま・まさこ)さん プロフィール】
1950年、秋田県出身。聖路加看護大学卒業。産婦人科病棟にて臨床経験後、大阪・京都で看護教育に従事。実姉の看とりを経験後、91年大阪・淀川キリスト教病院訪問看護室で研修および勤務、92年より東京・新宿区で訪問看護に携わる。2001年、ケアーズ設立。白十字訪問看護ステーション・白十字ヘルパーステーション統括所長として現場を訪問する傍ら、シンポジウムや講演会を通して在宅ケアや地域医療連携を推進している。30年後の医療の姿を考える会会長、NPO法人白十字在宅ボランティアの会理事長。著書に『在宅ケアの不思議な力』など。

【白川優子(しらかわ・ゆうこ)さん プロフィール】
1973年、埼玉県出身。日本で外科・産婦人科を中心に看護師として計7年間勤務。2003年にオーストラリアに渡り、06年にオーストラリアン・カソリック大学看護学部を卒業。その後約4年間、メルボルンの医療機関で外科や手術室を中心に看護師として勤務。2010年、国境なき医師団(MSF)に参加。外科チームの手術室看護師として、シリア、パレスチナ(ガザ地区)など、紛争地や被災地を中心に活動。2018年7月時点で9カ国、17回の派遣経験を持つ。2018年7月、初の著書『紛争地の看護師』(小学館刊)を上梓。8月より集英社イミダスにて、『「国境なき医師団」看護師が出会った人々~Message sans Frontieres ことばは国境を越えて』を連載中。同年10月よりMSF日本のフィールド人事部にて海外派遣スタッフの採用業務に従事。

映画情報どっとこむ ralph 『人生、ただいま修行中』

英題:Each and Every Moment
11月1日(金) 新宿武蔵野館 他全国順次公開
人生、ただいま修行中
フランスで200万人を動員した世界的ヒット作『ぼくの好きな先生』や『パリ・ルーヴル美術館の秘密』などで知られ、フレデリック・ワイズマンらと並ぶ現代ドキュメンタリー最高峰の一人、ニコラ・フィリベール監督。小さくも多様な日常の中にあるかけがえのない瞬間を優しさに溢れた眼差しで捉えてきた彼の、11年ぶりとなる待望の日本公開作です。舞台はパリ郊外の看護学校。まだ頼りになるとは言い切れない。けれど誰かのために働くことを選んだ看護師の卵たち。つまずき、時に笑い、苦悩しながら成長していく彼らの姿は、いつしか今を生きる私たちの物語へとつながっていく。誰もが、初めてを経験し、失敗しながら生きていく。人生は学びと喜びの連続であることを教えてくれる感動の奮闘ドキュメンタリー。ニコラ監督は2016年、塞栓症を患い救急救命室に運ばれ、一命をとりとめた経験から、医療関係者に敬意を表すべく、医療関係者、特に看護師と共に映画を撮ることを決意しました。

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監督・撮影・編集:ニコラ・フィリベール
2018年/フランス/フランス語/105分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/日本語字幕:丸山垂穂/字幕監修:西川瑞希 
配給:ロングライド
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
公式サイト: longride.jp/tadaima/   
©️Archipel 35, France 3 Cinéma, Longride -2018





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河瀨直美監督&ニコラ・フィリベール監督『人生、ただいま修行中』トークイベント


映画情報どっとこむ ralph この度、『ぼくの好きな先生』で知られるドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督の最新作『人生、ただいま修行中』が11月1日(金)より新宿武蔵野館他にて全国順次公開となります。
『人生、ただいま修行中』河瀨直美監督&ニコラ・フ このたび、本作の公開を記念して、ニコラ・フィリベール監督の11年ぶりとなる来日が決定!さらに、2020年東京オリンピック公式映画監督への就任も話題の河瀨直美監督を対談ゲストにお招きし、トークイベント付き特別試写会を開催。

河瀨監督が1997年に行われた第50回カンヌ国際映画祭にて、『萌の朱雀』でカメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少の27歳で受賞したとき、審査員の一人を務めていたのがなんとニコラ・フィリベール監督だったという縁があり実現したこのイベント。カメラ・ドール後、河瀨監督は同映画祭で、2007年に『殯(もがり)の森』でグランプリを受賞、2013年に同映画祭コンペ部門の審査委員を日本人監督として初めて務め、2015年には、「ある視点」部門のオープニングを『あん』が飾り、2017年には『光』がコンペティション部門にノミネートされるなど、輝かしい功績を重ねてきました。その礎ともいえるカンヌ映画祭最初の受賞を後押ししたニコラ監督と、今回、2007年のカンヌ以来12年ぶりの再会を果たしました。

河瀨直美監督&ニコラ・フィリベール監督トークイベント
日時:10月10日(木)
場所:日本シネアーツ試写室
登壇:ニコラ・フィリベール監督、河瀨直美監督

映画情報どっとこむ ralph 場内の大きな拍手に迎えられ登壇したフィリベール監督と河瀨直美監督。フィリベール監督は、映画にちなんで白衣を着てのサプライズで登場!まずはじめに、フィリベール監督は一言、「今日はみなさんに、そして直美とここにいることが嬉しい。奈良からわざわざ来て頂き、久しぶりに感動の再会です。」と語る。続けて河瀨監督は「12年ぶりの再会。このイベントの話を頂いて必ず行こうと思った。フィリベール監督は、『萌の朱雀』でカンヌでカメラ・ドールをとったときの審査員。わたしの受賞を推してくれた人だった。」と再会に喜びを語り、和やかな雰囲気でトークがスタート。
まず河瀨監督は、お互いの作品の共通点について「対象をコントロールしないこと。それは私たちの人生と同じで、コントロールするべきでないから。そうした驚きや発見のなかで、自分も成長していく。その似通っている部分がわたしたちの作家性なのかなと感じた。」と語る。ニコラ監督も「直美の作品と僕の作品は違うようにみえて共通点が多い。それは、撮影の時に、出演者に対して、こうしてほしい、ああしてほしいと言わない。アドリブが多いし、お互いに何かを撮りながらつくりだしていく、即興的な撮影方法。アプローチが、意外性やサプライズ、人生の偶然、出会いの偶然が侵入してくる余地がある。カメラの目の前にいる人がどんなことをしたいかを考え、僕と一緒に遊んでいただく気持ちで撮っている。」と撮影手法の観点から、お互いの共通点についてコメント。続けて河瀨監督は、「ドキュメンタリーは日常。カメラを介在してくことは、ある種の脅威だったり武器で、日常ではなくなる。でもフィリベール監督の作品は、カメラがほんとうにあるのかな、と思うくらい、日常どおりの会話している。そこまでの関係性を結ぶことが大切。観察映画と言いながら、カメラを置いているだけでは撮れない。」とドキュメンタリーについて語る。

それを受けてフィリベール監督は、「観察といっても学者のようにじっと見て考えるのではなく、私自身、撮影するときは、同時代の人に、自分から出会いにいく。本作の舞台は看護学校だけれど、観る人は自分のことに関係する話だなと感じると思う。なぜなら医療や看護の枠を超えた人間関係を描いているし、誰かをケアするという普遍的なこと描いている。ケアというのは、人間関係の話で他者や自分を発見することだからね。」と誰にも共通するテーマについて描いていると話した。続けて、河瀨監督の「この映画は成長物語でもある。注射が打てるとか表面的なものではなく、人間としての成長。去年より今年、先より今など、カメラを通してそれを伝えるのは至難の技。その瞬間にカメラが介在しているんだなと感じました。」と緻密な分析に、すかさずフィリベール監督は「その通りです。(笑)すごく感動してしまいました。」と喜ぶ微笑ましい姿をみせた。
そして、映画づくりについて尋ねられると、河瀨監督は「人生を成長させるもの。観客のみなさんに届けたいという思いでつくっている。そこに、自分ごとという感情をつくらないと、社会がこういうものを欲している、流行っているという観点で作品を作ると、消費されてしまう。経済ではない豊かさが人間社会のなかにあり、それが芸術であり映画。だから、人生をかけて映画をつくりたい。」と語り、フィリベール監督は、「世界に出会いに行くということ。カメラを持つことで他者に歩み寄ること。映画をつくることで他者への恐怖感が減るわけではないが、克服しようと努力している。他者を説得しようと思っているのではなく、いつも怖いと思って映画をつくっている。まだ学んでいる途上。さまにこの作品のタイトルの『人生、ただいま修行中』。その修行に一歩踏み出してくれるのが、映画撮影。」と未知へ足を踏み出す一歩として、映画を撮り続けると思いを語る。

最後に、ニコラ監督から「会場の皆さん、そして直美も遠いところから足を運んでいただきありがとうございました。」と感謝の思いを語り、

河瀨監督は「来年、オリンピックの監督をします。フィリベール監督にいろいろ学ばせて頂きました。ドキュメンタリーや、フィクションというカテゴリーを超えて、作家として、オリジナリティのあるものをつくっていくことが使命」と今後の制作のうえでの意気込みを語り、イベントは大盛況のもとに幕を閉じました。

映画情報どっとこむ ralph 人生、ただいま修行中
英題:Each and Every Moment

11月1日(金) 新宿武蔵野館 他全国順次公開
人生、ただいま修行中
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監督・撮影・編集:ニコラ・フィリベール
2018年/フランス/フランス語/105分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー/日本語字幕:丸山垂穂/字幕監修:西川瑞希 
配給:ロングライド 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本  公式サイト: longride.jp/tadaima/   
©️Archipel 35, France 3 Cinéma, Longride -2018




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