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諏訪敦彦監督『ライオンは今夜死ぬ』観る人全員が違う感想をもってほしい!トークイベント


映画情報どっとこむ ralph ヌーヴェルヴァーグを代表する名優ジャン=ピエール・レオーを主演に迎え、『M/OTHER』『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督が『ユキとニナ』から8年ぶりに撮り上げた、仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』が絶賛公開中です。

鑑賞直後のお客さんの質問に諏訪敦彦監督自らが回答したQ&Aイベントが行われました。

トークイベント開催
日時:2月7日(水)
場所:YEBISU GARDEN CINEMA
登壇:諏訪敦彦監督

映画情報どっとこむ ralph 本作は、南仏を舞台に、死を演じられない年老いた俳優ジャンが、訪れた屋敷でかつて愛した女性の幻影と再会し、地元の子どもたちと共に映画制作をすることになる。やがて残された時間、ジャンは「死」と向き合い「生」の歓びを知っていく心温まるストーリー。

◉ジャン=ピエール・レオーから日本の皆様へメッセージ!
先週パリで本作の主演、ジャン=ピエール・レオーと久々の再会を果たしたという監督は、レオーから預かってきた日本の観客へ向けたメッセージを、彼を真似て伝えますと話し出しました。

諏訪監督:敬愛する諏訪監督の作品で主演が出来て、とても嬉しいです。俳優として多くの人たちが直面する試練ともいえる“困難な課題”を、この作品に出演することで前向きに考えることができました。それはつまり、“いかに一人の俳優が神話から伝説になるか“ということです。ありがとうございました。

と、ゆっくりと言葉を紡いだ諏訪監督。

その姿はどこか劇中のレオーを彷彿させ、会場からは思わず拍手がおきました。

映画情報どっとこむ ralph ◉Q&A では監督の本音がポロリ!

そんな中、Q&Aへ。

Q:本作はいろんなことを感じる映画でした。未来へのメッセージか?はたまた老いることへの前向きなメッセージなのか?諏訪監督自身はどういったことを伝えたかったのでしょうか?

諏訪監督:映画というものは“何かを伝えたい”為にある道具なわけじゃない。絵画だってどう思われるかを考えていないですよね?映画は人間が心理的に画面から何か感じることで初めてリンクするものだと考えています。

と我々からすると、目からウロコな発言を!

諏訪監督:この映画は見た人がいろんな見方をする映画です。『はっきりしてよ!』と思う人もいることでしょう。それもわかります。でも現実と映画は区切られていない。だから『こう思ってほしい』という具体的な思いはありません。みなさんがそれぞれ自由に、何かを感じて欲しい。だからそんな感想を聞けて嬉しいです。

と、監督が感謝を述べる場面も。

そしてフランスで行われた子供向けに行われた試写会で、彼らが好き勝手に感想を述べる姿が、自由で素晴らしいと思ったと語る監督。

諏訪監督:ジュリエットを見て、『あれは幽霊じゃない!だって手が透けないじゃないか』って言うのです。その自由さがいいですよね。

続いて、

Q:諏訪監督の中で、前作から本作を撮るまでの8年間。何があったんでしょうか。

諏訪監督:映画監督にとって8年というのはあっという間。時間が経ったという感覚はないけれど、自分の中に変化はあったかもしれません。『こんな明るい映画を撮ったのですか』と三浦友和さんにも驚かれましたけど、子どもたちとレオーのおかげで『何でもありだな!』と思えたことは、僕をいろんなものから解放してくれました。

と、監督の中の変化を経て本作が生まれた経緯を明かしました。

映画情報どっとこむ ralph ◉ジャン=ピエール・レオーが本作への思いを綴った文章を監督が披露!

フランスのカイエ・デュ・シネマでジャン=ピエール・レオーがメールインタビューに応じ、その貴重な内容を披露した監督。監督自身が言葉の美しさに感動をしたという一節を読み上げました。
諏訪監督:子供たちとの共演、あなたにとって他者と演じるということは?という問いにレオーは『諏訪監督が今作で提案した子供たちとの共演というアイディアはとても素晴らしかった。子供たちの驚くべき自然さはある種の脅威とも言えます。ですが、子供の時から演技を初めた私は、今回子供たちと演技をすることよって、当時感じていた演じる喜びを再び感じることができました。私は子供たちとともに諏訪がもつ幻想的な世界へ入って行きました』。

とジャン=ピエール・レオー自身が、自由溢れる子供たちとの共演に影響され、喜びに満ちた撮影だったと明かしました。

終了時間が過ぎても観客からの質問を丁寧に答えた監督。監督の口から伝説的俳優、ジャン=ピエール・レオーの多くの言葉を聞いた観客は大満足な様子でした。

物語・・・

生きることは素晴らしく、死はふたたび出会う場所。

南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子ど もたちが屋敷に忍び込んできて…

子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。

YEBISU GARDEN CINEMAほか絶賛公開中!


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監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン

2017 年/フランス=日本/103 分

配給:ビターズ・エンド
© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END



三浦友和が登壇『ライオンは今夜死ぬ』は死を扱う優しい映画と


映画情報どっとこむ ralph ヌーヴェルヴァーグを代表する名優ジャン=ピ エール・レオーを主演に迎え、『M/OTHER』『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督 が仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』が、YEBISU GARDEN CINEMA にて絶賛公開中です!

この度は公開を記念し、 99年に諏訪監督⻑編2作⽬『M/OTHER』で主演を務めた三浦友和さんと諏訪監督のトークイベントを行いました。当時の思い出を振り返り、今だから語れる当時の 撮影秘話や諏訪作品の魅⼒、そしてそれぞれの俳優論、監督論についてたっぷりと 語っていただきました!

『ライオンは今夜死ぬ』トークイベント
日時:1月26日(金)
場所:YEBISU GARDEN CINEMA
登壇:三浦友和、諏訪敦彦監督

映画情報どっとこむ ralph 『M/OTHER』以来、2⼈は本会場で19年ぶ りの再会。

本作の舞台は南仏コート・ダジュール。 南仏好きで3度も訪れているという三浦さんは、本作の感想を聞かれ、
三浦さん:2 度も観てしまいました。ワンカット目から独特の光と⻘い海が映り込んできて、“あ、南仏だ”と引き込まれましたね。『M/OTHER』は暗い照明の演出だったので、諏訪監督らしくない演出だなと思って驚いてしまいましたが(笑)。ジャン=ピエール・レオー演じる老優と子どもたちが対等に見えて、あんなに老いているけど、彼は実は子どもなんだなと思いました。私も今年 66 歳になりますが、実は中学生からずっと変わってない自覚がある(笑)。でも、役職についたり、部下ができたりするとそれらしくしなきゃと、“大人”を演じるようになってしまうんですよね。

と語ると、

諏訪監督:おっしゃる通り、本作を作りながら、子どもに戻っていい。無邪気に作っていいんだ!ということに気づかされましたね。

三浦さん:そして、“死”が描かれているのにまったく説教くさくない。そしてエンドロールで自由に考えさせられる映画。とても“優しい映画”だと感じましたね

と、感想を述べました。

映画情報どっとこむ ralph 話は20年前の『M/OTHER』の話に。全編即興の⻑回しの撮影だったという『M/OTHER』の撮影現場。出演依頼を受けて

三浦さん:“即興でやるってどういうこと?”と、ものすごい興味を持ったんですが、不安でいっぱいでした。脚本がないことに堪りかねて、私が脚本を書いてしまったほど。でも、その脚本を構成に組み込んでもらえるのかと思ったら、無視されてまったく別の内容になってましたね(笑)。

と、当時の撮影秘話を明かした。

対して、

諏訪監督:『ライオンは今夜死ぬ』でも、ジャン=ピエールはもちろん、子どもたちにも即興の演技をしてもらった。子どもたちもジャン=ピエールも予測不可能な演技の連続でしたね。

と諏訪監督。そして、俳優に何を求めているのかという率直な質問に対し、
諏訪監督:やっぱり、この人からいったいどんなものがでてくるんだろう、と自分が予測できない人に魅力を感じます 。『M/OTHER』では、三浦さんの演技が映画全体を変えていってくれたし、共演者の思いがけない新たな演技も引き出してくれたと感じています。

と、監督が三浦さんの魅力について語った。

映画情報どっとこむ ralph 三浦さん:“死をどう演じたらいいのかわからない”という、冒頭シーンでの俳優の主人公の問いに対し、メイク担当の女性が“演じてはだめ”と答える台詞がとても素晴らしかった。この答えは、僕たち俳優にとっての永遠のテーマでもあるので、冒頭から一気に引き込まれました。ものを作るということは作為の塊なのに、私たち俳優は何もしていないように何かをしなければならないんですよね。私たちの仕事は“あの人の演技上手かったね” と言われてはまだまだなのではないかと思っています。個人的には “あの役が憎たらしかった”“素敵な人だった”と感じてもらえることの方がずっと嬉しい。

と言う三浦さんに対して、

諏訪監督:映画の作り手として、私も同じことを感じますね。本作をパリで 200 人の子どもたちに見せたとき、映画の途中で拍手をしたり、最後のエンドロールでは手拍子をしながら観てくれた。そんな風に自由に観てもらえるのはとても嬉しいし、羨ましいなと思います。私の映画をヨーロッパで上映すると、怒っている人もいれば、途中で出て行く人、泣いている人もいる。でもそういう映画があっていいんだと思います。“巧くできている”と評価されるより、観る人によって自由に感じてもらうことが1番嬉しいですね。

と話します。

トークイベントの終了時間が過ぎているにもかかわらず、本作への感動が冷めやらない三浦さんは、観客にも本作を観た感想を問いかけた。感想を述べた観客がアニメーションを手がけている監督だとわかると、

三浦さん:それは、それは!今後も、ぜひよろしくお願いします!

と語りかけて会場の笑いを誘い、大いに盛り上がったトークイベントを締めくくりました。

映画情報どっとこむ ralph で、気になる映画の物語・・・

生きることは素晴らしく、死はふたたび出会う場所。

南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子ど もたちが屋敷に忍び込んできて…

子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。

YEBISU GARDEN CINEMAほか絶賛公開中!

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監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン

2017 年/フランス=日本/103 分

配給:ビターズ・エンド
© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END


カメラが写し出す奇跡の瞬間に、演劇界の岡田利規が嫉妬!『ライオンは今夜死ぬ』


映画情報どっとこむ ralph ジャン=ピエール・レオーを主演に迎え諏訪敦彦監督の仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』が、いよいよ1 月20日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開となります。
その公開を記念しApple 銀座でトークイベントを行いました。諏訪監督と共に登壇したのは、独自の演出法で知られ演劇界で絶大な支持を誇る、演劇作家、小説家でありチェルフィッチュ主宰の岡田利規さん。『ライオンは今夜死ぬ』撮影舞台裏や、ジャン=ピエール・レオーキャスティング秘話に加え、諏訪/岡田と各業界の先鋭が揃い、それぞれのクリエイター論を熱く語りあいました!

トークイベント開催概要
日時:1月9日(火)
場所:Apple 銀座
登壇:諏訪敦彦(映画監督)、岡田利規(演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰)

映画情報どっとこむ ralph 先駆けて本作にコメントを寄せた岡田さん。大学で演劇サークルに入部したことが演劇を始めたきっかけで、それまではずっと好きだった映画の制作に携わることが夢だったそう。対して、諏訪監督は大学時代に演劇作りに参加し、主役を演じたこともあったという。
岡田さん:以前は映画でしかできない表現をみると、それに匹敵するものが作ることができずにもどかしくなることもありました。”映画にできなくて演劇でしかできないもの”を意識し続けるうちに自分なりにそれを見つけることができてきて、久しく映画に対して嫉妬するという感覚はなかったのですが、『ライオンは今夜死ぬ』を観てその感覚を取り戻したような気がしました。映画には、画面のフレーム外のものを存在させることも、させないこともできる自由さがある。本作にはそれを使った本当に素晴らしいシーンがいくつもありました。舞台にとっての画面のフレーム外である「出ハケ」はどちらにもできるその自由さを持たないんですよね。

と、岡田さんが演劇作家ならではの視点で本作の感想を述べた。それに対し、

諏訪監督:確かに映画はフレーム外にもその世界があると信じさせてしまう。だけど、信じるからこそ観ている人が裏切られることもありますよね。

岡田さん:例えば、フレーム外だけども隣にずっといるはずだと思っていた人が、実はそこにすでに存在していなかったりとか。そのように裏切られるシーンは映画的な瞬間の一つだなと感じます。演劇を作る人間として久しぶりに映画に嫉妬しましたね。

と、岡田さんが語り、映画と演劇のフレームの違いについて、互いに意見を交わしあった。

映画情報どっとこむ ralph 世界が様々な問題を抱えている時代だからこそ、楽しんで作った映画を届けたい!
岡田さん:本作からは、とにかく監督自身が楽しんで映画を作ったことが伝わってきました。監督の作品は、例えばカップルの話でも、ただ恋愛の喜びを描くのではなく、その関係性がもたらす様々な問題を描いたりと、ネガティブな要素が多い作品が多かった。海や光の使い方が印象的なせいもあるが、今までの中で1番明るい作品なのでは

と、本作の印象について語った岡田さん。

諏訪監督:こんなに楽しいなと思ったのは初めてでした。実はチェルフィッチュの設立と私の監督デビュー作『2/デュオ』を撮影したのは同じ1997年。ちょうど20年が経ちましたが、当時と比べて、いま世界は暗い時代で様々な問題を抱えている。だからこそ楽しんで映画を作ろうと思ったし、年老いたジャン=ピエールをできるだけ明るく撮ろうと努めた。でも、“死”を上手く演じられず悩んでいる俳優が主人公なのに、子どもたちに自由に企画させた映画内映画のなかでは、子どもたちは平気で登場人物をどんどん殺していく(笑)。そんな自由奔放な子どもたちを掛け合わせたのも良かったと思う。撮影しているときは気づかなかったけど、後からどうしてこんなに明るい要素を取り入れることができたのかと考えたときに、自分自身の考え方が以前と変わってきているからなのだと感じました。

と、監督が自身の変化について語った。

映画情報どっとこむ ralph 映画と演劇が‟幽霊”との親和性が強いワケとは?

活動開始から20年が経った2人の変化について、

諏訪監督:これは偶然だけど、『ライオンは今夜死ぬ』と岡田さんが作・演出した『地面と床』(2013)の両作品には、‟幽霊”が登場している。20年前、互いの作品に‟幽霊”が登場する気配なんてまったくなかった(笑)。互いにその変化が表れたことがすごく面白い。

と述べた。それに対し


岡田さん:それは私もとても驚きました。簡単に言うと、‟幽霊”とは過去が現在化したもの。そして、直接的、感覚的に観客に見せることができるので、演劇を作る道具としてすごく使い手があって便利なんです

と、岡田さん。
諏訪監督:私が‟幽霊”を映画に用いたきっかけは、ジャン=ピエールの存在。彼はかなり特殊な存在で、多くの映画はその世界を信じさせる演出をしているが、彼の演技は“こんな人は現実にはいない”と思わせる。そんな彼に釣り合う存在は‟幽霊”ぐらいしかないと思ったんです。でも、そもそも映画に映っているものはすべて‟幽霊”で、映画との親和性が強い。例えば、鏡に写った像と現実に存在するものは決定的に違うけど、映画のなかではどちらも同じ。さらには俳優はカメラの力で生を写し撮られているとも言える。なので‟幽霊”を描くのに特殊効果は必要ないんですよね

と監督は語った。

映画情報どっとこむ ralph 「観客の心境にいったい何が起こるのか」クリエイターが作品を生み出す原動力とは

Q:自分の頭のなかで思い描いた面白い物語を具現化したとき、寂しさを覚えるのか、それとも表現できて喜びを感じるのか、どちらの感覚に近いですか?

との観客の質問に対し、

岡田さん:今の自分はそのような失望を感じません。それは自分の頭のなかにあるものを形にする、という演劇の作り方ではないから。それよりも、観ている人の心境に何が起こるのかについて関心がある。それは舞台上で起きていることよりもずっと面白い。そんな作品を作りたいと思うし、そう感じてもらえることに喜びを感じますね。

と、岡田さん。それに対し、

諏訪監督:私もまったく同じ考え。以前に私がディレクターだったとき、経験を積んでいくうちに本当に自分が作りたいと思った番組を完成できたのですが、これが意外につまらなかったんですよ。オリジナルのものがあってそれをアウトプットするというよりは、表現したい何かはものを作る行為によって生まれると思ってる。やってみなければ触れられないものがあるから映画を撮る。撮った時点でそれが実現され、さらに観客のなかで実現されていく。自分は観客のように観れないのは寂しく感じます。本当の自分の映画は知らないわけですから。

と監督は語った。



最後に・・・・、

諏訪監督:みんなが良いと思う商業映画の存在はもちろん必要だと思うけど、みんなの感じ方が大きく違う映画があってもいい。それは、一人ひとりの個性を認めることにもなる。ヨーロッパで私の映画を上映すると、途中で出ていく人もいれば、泣いている人、怒りながら観ている人もいるんですよ(笑)。それでいいんだと思います。

と、結び、大いに盛り上がったトークイベントを締めくくりました。

ライオンは今夜死ぬ
1月20日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

物語・・・
南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子ど もたちが屋敷に忍び込んできて…子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。

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監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン
2017 年/フランス=日本/103 分
配給:ビターズ・エンド
© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END
    


広島国際映画祭:諏訪敦彦監督×アルベルト・セラ監督トークイベント


映画情報どっとこむ ralph 南仏を舞台に、老俳優が屋敷で出会った子供たちと共に映画を作り、心を通わせていく心温まるストーリー。

ヌーヴェルヴァーグを代表する名優ジャン=ピエール・レオーを主演に迎え、『M/OTHER』『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督が『ユキとニナ』から8年ぶりに撮り上げた、仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』が、2018年1 月20日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開となります。

この度、ジャン=ピエール・レオーが今作の前に主演を果たした『ルイ14世の死』(2018年5月日本公開)のアルベルト・セラ監督の特集上映がアテネ・フランセ文化センターで行われ、『ルイ14世の死』の上映後に、ともにジャン=ピエール・レオーを主演に映画を撮ったアルベルト・セラ監督と諏訪敦彦監督のトークイベントが開催されました。
広島国際映画祭関連企画 アルベルト・セラ監督特集
日時:12月2日(土) 上映開始
場所:アテネ・フランセ文化センタ—
登壇:諏訪敦彦監督、アルベルト・セラ監督
通訳:福崎裕子

映画情報どっとこむ ralph フランスを代表する名優ジャン=ピエール・レオーを主演にした2作を互いに大絶賛!

自作への影響を懸念して、今日まであえて鑑賞を避けてきたという諏訪監督。見たばかりの『ルイ14世の死』の感想を聞かれ、

諏訪監督:本当に素晴らしかった。両作品は同じ“死”をテーマに描いているのに、結果がすごく違う2本で、そこがとても面白い。実は撮影時にジャン=ピエールから「“いったい死をどう演じたらいいのか?”と相談を受けていました。実際に“死”を目の前で演じてみせて、“これでいいか?”と聞いてきたり(笑)。セラ監督の映画が素晴らしいのは、ジャン=ピエール・レオ―という人間の特質が“ルイ14世”に結びつく構造を作っているところ。“王の死”にまつわる物語を徹底して描き、それに対抗する話を用意しなかったからこそ、この作品は成功しているのだと思います。

と、解説した。それに対し、

セラ監督:“国王の死”を悲劇的に描く単なる歴史ドラマではなく、“死”や“宮廷”の陳腐さを描きたかった。

と、セラ監督が『ルイ14世の死』のテーマを語った。
ジャン=ピエール・レオ―出演作はもちろん、トリュフォー、ゴダールなどのヌーヴェルヴァーグ作品に影響を受けてきたという諏訪監督の作品に対し、

セラ監督:『ライオンは今夜死ぬ』には諏訪監督のジャン=ピエールに対する敬意や畏怖が強く反映されていると思った。撮影時、私とジャン=ピエールの間には“ルイ14世”という偉大なる仲介者がいたので制作は比較的スムーズに進んだが、諏訪さんの映画はまったく無名のイメージから始まり、年齢をとった彼のイメージや過去に向かう姿も描いている。そういう意味では『ライオンは今夜死ぬ』の方がとても挑戦的で、ジャン=ピエールの新たな一面を引き出すことに成功した素晴らしい作品だと思いますよ!

と語った。

映画情報どっとこむ ralph 「監督とカメラが恋人!」「共演者を追い出す!」両監督が苦戦した名優のこだわりぶり!
『ルイ14世の死』撮影時は3~4台のカメラを使用し、さらに王の寝室のシーンがほとんどなので撮影現場は暗かったという。

セラ監督:ジャン=ピエールはかなり混乱していましたが、その“撮影システムへのジャン=ピエールの混乱”が“死を前にしたルイ14世の混乱”に上手く繋がっていきました。

諏訪監督:撮影が始まってまず驚いたのはジャン=ピエールは本当にカメラに向かって演技をする、“監督とカメラが恋人”のような俳優だということ。3台のカメラがあるということはジャン=ピエールにとって3人の恋人が現れたようなものだから相当混乱したでしょうね(笑)。その話を聞いて、『ライオンは今夜死ぬ』でもジャン=ピエール演じる主人公が2台のカメラを前に困惑するシーンを取り入れてみたんです。ジャン=ピエールらしいエピソードになったと思います」

と、諏訪監督が撮影時のエピソードを語った。

また、神経質な一面があるジャン=ピエールについて、

セラ監督:誰であれ、自分に近づく俳優を“イヤだ、イヤだ”と言って撮影現場に入れることさえ拒否するんです。でも、後ろめたさがあったのか、共演者のうちの1人がいい奴だとわかったら、きちんと謝って“その役柄が嫌いだからやったんだ”と言い訳をしたりしていましたが(笑)」と、セラ監督が観客の笑いを誘った。

諏訪監督:「『ライオンは今夜死ぬ』の場合は、そんなジャン=ピエールと6人の小学生たちとの共演ですからね。ジャン=ピエールが突然、“出てけ!”と言って彼らを追い出したこともあります(笑)

と、名優を主演にした苦労話で盛り上がった。


映画情報どっとこむ ralph 「青年ジャン=ピエール・レオ―を演じつつけている」知られざる孤独な素顔と俳優としての原動力とは

撮影を通して両監督が強く感じたのは、
セラ監督:過去の自分から抜け出したい」とジャン=ピエールが強く思っていること。“現代の映画に居場所を見つけたい”、“強い存在でありたい”と思うのに、“自分のイメージを壊してはいけない”、“悪い演技をしたり、間違えてはいけない”と、過去の自分の存在が大きなプレッシャーをかけている。そして、お金を稼ぐことはあまり興味がなく、作品の本質を見極めて出演作を決めてきた人。

と話すと、それに対し

諏訪監督:大作に出演したいというより、アーティスティックな作品に出演したいという欲がある。『ライオンは今夜死ぬ』の企画を進めているときに“どんな役をやりたいのか?“とジャン=ピエールに尋ねると“年老いた役をやりたい“と言われた。見た目は十分に年齢をとっているのに、自分自身は年老いた役を演じているつもりがない。ある意味で青年ジャン=ピエール・レオ―を演じつつけているのだと思います。そして、あれだけのキャリアがあるのに常に不安を抱えていて、リラックスすることを知らない。でもそれがジャンの俳優としての大きなエネルギーであり、演技を支えているのだと思います。

と、ジャン=ピエールの知られざる素顔を語った。


同じ俳優とテーマを扱っていても、大きく異なった2作品。

セラ監督:本当の映画作家の視点がみえる両作品をぜひ見比べてみてはいかがでしょうか。

と結び、大いに盛り上がったトークイベントを締めくくりました。

映画情報どっとこむ ralph 『ルイ14世の死』
原題:La Mort de Louis XIV
2018年5月シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

物語・・・
1715年、8月。太陽王ルイ14世は散歩から宮中に戻ると足に激しい痛みを感じる。それから数日後、王は政務につくが、夜になると痛みは増し、高熱に襲われる。彼はほとんど食べ物を口に運ぶこともなくなり、だんだんと衰弱していく。豪奢な一室で彼の信奉者と医者たちに取り囲まれ、フランスで最も偉大と称えられた王の緩慢な死。

監督・脚本:アルベルト・セラ
脚本:ティエリー、ルナス
出演:ジャン=ピエール・レオー、パトリック・ダスマサオ、マルク・スジーニ、イレーヌ・シルヴァーニ、ベルナール・ベラン、ジャック・エンリック
2016年/115分
配給:ムヴィオラ


『ライオンは今夜死ぬ』
2018年 1月20日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

物語・・・
南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子どもたちが屋敷に忍び込んできて…子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。


監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン

2017 年/フランス=日本/103 分
配給:ビターズ・エンド

© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END
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ジャン=ピエール・レオ 諏訪敦彦監督『ライオンは今夜死ぬ』at 釜山国際映画祭


映画情報どっとこむ ralph ヌーヴェルヴァーグを代表する名優ジャン=ピエール・レオーを主演に迎え、『M/OTHER』『不完全なふたり』の 諏訪敦彦監督が『ユキとニナ』から 8 年ぶりに撮り上げた、仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』が、2018年1月20日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA ほかにて全国順次公開いたします。

この度、韓国の釜山で 12日から開催中の、第 22 回釜山国際映画祭ワールド・シネマ部門部門に正式出品され、10 月 16 日(月)にアジアプレミア上映とジャン=ピエール・レオのハンド・プリンティングが行われました。
第 22 回釜山国際映画祭
日付:10月12日、16日
登壇:ジャン=ピエール・レオー、諏訪敦彦監督

映画情報どっとこむ ralph 12 日(木)に 行われたオープニングセレモニーでは、タキシード姿に身を包んだジャン=ピエール が凛々しく登場し、世界各国のメディアと地元の観客からの声援に、笑顔で大きく手を振って応えました。

映画情報どっとこむ ralph 16 日(月)19:00、映画祭のメイン会場となる映画の殿堂釜山シネマセンターでプレミア上映が行われると、会場は超満員!

各国のマスコミをはじめ、地元の観客が大勢駆け付けました。
上映後、熱気溢れる会場はそのままジャン=ピエールのハンド・プリンティングへ。

ステージ上で手形をとると、両手を広げて会場の観客に向けて満面の笑みをこぼし、観客に向けて

ジャン:名誉ある映画祭にお招きいただき、とても光栄です。過去のヌー ヴェルヴァーグ作品と共に、この新しい作品が招かれたことを心から感謝いたします。

とコメント。

今年はジャン=ピエ ール・レオ―をはじめ、福山雅治が主演を務めるアクション超大作「追捕 MANHUNT (原題)」でメガホンを取っているジョン・ウー監督や、韓国の名優 シン・ソン・イルの手形が新たに誕生した。

最後は諏訪監督も交えてのアフタートークへとうつり、予定時間を大幅に延長し て、1時間以上トークが続くという場面も。ジャン=ピエール・レオ―は諏訪監督 をとにかくベタ褒めし、

ジャン:私にとって『不完全なふたり』は完璧な映画!」とこれま での監督作品も絶賛。監督も「以前映画祭で会ったときにジャン=ピエールの 存在に圧倒され、ぜひ彼を主演に起用したいと思った。

と、主演俳優と監督が 互いに共鳴し合いながら本作が出来上がったことがうかがえるトークとなった。

国内のみにとどまらず、海外のキャスト・スタッフを起用して精力的に名作を生み出し、カンヌ国際映画祭などフランスをはじめヨーロッパで圧倒的な評価を受 けている諏訪敦彦監督。『大人は判ってくれない』で鮮烈なデビューを果たし、 フランソワ・トリュフォーをはじめ巨匠たちに愛され、「ヌーヴェルヴァーグの申し子」と呼ばれる名優ジャン=ピエー ルと、ワークショップを通じて選ばれた子どもたちが共演する最高のコラボレーションが本作で実現しました。

釜山国際映画祭は、アジア最大級といわれる国際映画祭。今年は世界75カ国298本の映画が上映され、うち 日本映画が過去最多の41本。日本の著名な俳優や監督たちが続々と現地入りしていた。本映画祭は、10 月 21 日までの期間、開催されている。

映画情報どっとこむ ralph 物語・・・
南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。
過去に囚われ、かつて愛した女性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、美しい姿のまま、幻となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子どもたちが屋敷に忍び込んできて…子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の 記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。

ライオンは今夜死ぬ

2018 年 1 月 20 日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次ロードショー!

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監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌ、イザベル・ヴェンガルテン
2017 年/フランス=日本/103 分
配給:ビターズ・エンド
© 2017-FILM-IN-EVOLUTION-LES PRODUCTIONS BAL THAZAR-BITTERS END