日本を代表する名優・山﨑努さんが「僕のアイドル」(「柔らかな犀の角」山﨑努著・文春文庫より)と敬愛する画家・熊谷守一(通称モリ)を演じた映画『モリのいる場所』が2018年に公開されることが決定しました。
企画の始まりは2011年。 山﨑さんが『キツツキと雨』の撮影現場で、監督の沖田修一に 山﨑さん:こんな面白い、興味深い画家がいるよ。 と熊谷守一を紹介したことがきっかけ。日本映画黄金時代を体現する名優からのヒントに、現在の日本映画をリードする俊英監督が刺激を受け、それから6年。沖田監督が山﨑努=熊谷守一を念頭に、ユーモラスで温かなオリジナルストーリーを作り上げました。 写真は、長年丹精込めて作った庭で蟻の行列を観察するモリ(山﨑努)。 |
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山﨑努さんからのコメント
「熊谷守一について」 「熊谷守一を演じて」 2017.9.13.記 |
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熊谷守一(1880-1977年)
明治に生まれ、大正・昭和の画壇で活躍した洋画家。美術学校を首席で卒業し、若い頃から絵の才能を認められながらも、いい絵を描いて褒められようとも有名になろうとも思わず、たまに描いた絵も売れず、長いこと借家を転々として友人の援助で生きながらえる。ぽつぽつ絵が売れてようやく家族を養えるようになったのは50歳を過ぎた頃。この頃の有名なエピソードとして、作品を二科展で見た昭和天皇が「これは子どもの絵か」と尋ねたという。やがて、その風貌や言動から「画壇の仙人」としてひろく脚光をあびる。文化勲章と勲三等叙勲を辞退。その理由を「これ以上、人が訪ねて来るのと困るから」と言っていたが、本当は褒状をもらうのが嫌だったため。 そうして、家の外へ出ることなく、ひたすら自宅の庭で動植物を観察し続けました。 熊谷守一は2017年に没後40年を迎え、12月1日からは東京国立近代美術館にて200点以上の作品を集めた大回顧展が開催されます。 <展覧会> |
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映画は、そんな熊谷守一のエピソードを元に、晩年(94歳)のある1日をフィクションとして描きます。
撮影は、去る7月、連日30度を超える猛暑の中、神奈川県逗子市・昭和の暮らしが色濃く残る古民家にモリの庭と家を作り、行われました。物語の舞台は昭和49年、モリ94歳の夏の日。居間や庭に佇む山﨑努はモリその人となり、蝶や蟻、猫など”共演者”とともに地面に這いつくばったり庭を彷徨うなど果敢に挑みました。 物語・・・ 『モリのいる場所』 2018年全国公開決定 |
配給:日活
(c)2017「モリのいる場所」製作委員会