片渕須直監督が6年の歳月をかけて作り上げたアニメーション映画『この世界の片隅に』が絶賛上映中。
本作は戦時下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前を向いて生きる女性、すずを描いた珠玉のアニメーション映画です。 今月下旬、片渕須直監督と主演のんさんがメキシコ入りし、現地時間2月23日18時から首都メキシコシティ最大級の映画館Cinemexで行われた海外初プレミア上映に参加しました。 会場には多くの日系企業も招待され、メキシコのメディアも詰めかける盛況ぶり。 片渕須直監督、のんさん、そしてスペイン語の吹き替えですずさんを演じた女優エリカさんらが約30分間に渡るトークショーを実施しました。 片渕監督:この映画はすずさんのドキュメンタリーとして制作しました。けっして遠い昔の話と思わずに、一人の女性の話だと思って観てみてください。そうすると、みなさんの中に小さな幸せが生まれるのではないかなと思います。 と挨拶。観客からは温かい拍手が贈られました。 |
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その後、広島県と友好提携を結んでいるグアナファト州の都市サラマンカで24日、マリアッチという民族衣装を着たのんさん、片渕監督らが登場。翌25日には同じく、グアナファト州のイラプアトとレオンで着物姿を披露し歓声を浴びました。 映画を観た現地の人々からは「感動して言葉が出ない」「涙が止まらなかった」など熱い声が続出。「こんなアニメーションは初めて見た」という声も多く聞こえました。 エリカさん:すずさんを演じることは、自分の人生にとって大きな学びになりました。まじめで前向きに生きるすずさんのように、過酷な状況においても強くあ
のんさん:エリカさんはとても素敵な方で、チャーミング。絵を描くのが好きで、私やすずさんとの共通点が多く、ぜひみなさんにスペイン語吹き替え版も見て欲しいと思いました。 と話し、すずさんという一人の女性を通じて、温かな交流が生まれたことも報告。 |
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今回のプレミア上映に参加して、
のんさん:メキシコの方の感想を聞き、日本のみなさんと変わらない反応に驚きました。やっぱりこの映画は世界中に届けられるメッセージを持っている素晴らしい作品だと改めて思いました!もっと沢山の人、そしてもっと多くの場所で観ていただきたいと思います。 片渕監督:タンポポの綿毛はメキシコにも。こんなタイプのアニメーション映画は初めて観ただろうメキシコの方々にあたたかく迎えていただいています。 と話し、遠く離れた異国の地にも、すずさんの想いが確かに届いた喜びを伝えました。 これからも海外での公開は続く本作 メキシコでは3/10から約300スクリーンでの公開が決定。(3/3から変更)さらに海外配給は、【タイ】2/23~公開中、【アルゼンチン、チリなど南米諸国】3/17~、【香港】3/30~、【イギリス】6月、【ドイツ】7月、【アメリカ】【フランス】9月と公開が決定しています。 現在までの累計動員は170万名。累計興収は22億円を突破。各映画賞でも受賞が相次ぎ、アニメーションの枠を超え絶賛。現在25個の賞を受賞しています。(2/28現在) |
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物語・・・
どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。 全国にて大ヒット公開中!!! |
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会