スマホ、愛する人に見せられますか?『おとなの事情』監督インタビュー

投稿日2017/02/08

映画情報どっとこむ ralph そのスマホ、あなたは愛する人に見せられますか?
月食の夜に交差する、愛と嫉妬の人生讃歌!
「おとなの事情」は、“イタリアのアカデミー賞”こと、「ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞」で作品賞・脚本賞のW受賞を果たし、本国では驚異的な28週間ロングランを記録した『おとなの事情』が3月18日公開する運びとなりました。

本作のテーマは、スマホをめぐる“夫婦・親友の秘密”。夫婦間のもめ事のみならず、本作で描き出されているのは人生の悲喜交々であり、現代の働く男女が抱える家庭の問題、仕事の悩み、変えられない自分の性格など、たった1台の小さなスマホによって次々と本当の姿が露呈されていく大人の為のコメディ作品です。
この作品の監督のパオロ・ジェノヴェーゼ氏が来日した時(1/19・1/20)オフィシャルインタビューが到着しましたので、ご紹介。

「おとなの事情 perfetti sconosciuti」監督インタビュー
会場:新高輪プリンス
監督:パオロ・ジェノベーゼ
通訳:小池美納さん

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Q1:イタリアで「月食の夜」はどういう意味を持ちますか?

ジェノベーゼ監督:とくに意味があるかというか、今回この月食は〝メタファー”比喩の意味で使っています。それぞれの人の秘密をテーマの一つとして描いている作品なのですが、この月食というのも何かを隠す、覆い隠すということです。ですから、月を隠すということと、覆われている人の秘密ということを対比してみるのも面白いのではないかという意味で、メタファーとして使っています。


Q2:携帯電話に翻弄される人間の話を映画化しようと思ったきっかけは何ですか?

ジェノベーゼ監督: この映画で何を語りたかったかというと、それぞれの人が持つ3つの生活(パブリック・プライベート・秘密)というものを語りたかったのですが、それを何か物を使って、何かの媒体として描きたかったのです。そして今、スマートフォンという物が私たちの生活を変えてしまっている、一つのブラックボックスになっているわけですけれども、そういった物を通じて私たちの秘密の生活を語るというのが面白いのではないかと思ったのが、最初のアイディアです。


Q3:シナリオを作るにあたっての脚本家との共同作業の様子を教えてください。

ジェノベーゼ監督:複数の脚本家との共同作業は、とても上手くいきました。そしてこのタイプの作品には、複数の脚本家が参加するというのは非常に有効だったと思います。今回の作品では、それぞれ違った生活を持つ7人の主人公が描かれているわけで、非常にバラエティがあるわけですね。ですから、私以外の4人の脚本家もそれぞれが自分自身、あるいは友人や聞いたことのある経験というのを持ち合ったことで、たくさんのヒント、ネタが生まれました。そこから、こういった豊かで厚みを持つストーリーが生まれたのだと思います。


Q4:3組の夫婦と1人の男という設定とキャスティングはどのように決めていったのでしょうか?

ジェノベーゼ監督:本当はこれは3組のカップルと1人の男というよりは、4組のカップルの話なのですが、そのカップルのある1人が理由があっていないという状況になっています。どうして4組かというのが、さまざまな多面性を描くために最低限必要なのは4組だと思ったからです。今回このキャスティングは私が監督として決めさせてもらいました。

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Q5:舞台劇のような会話劇が続くため会話が長くなりがちです。しかしテンポはよい。このあたりの演出上の工夫は?

ジェノベーゼ監督: 1つのテーブルを囲んだ人たちの会話というだけで進んでいくわけですから、これをもたせるには選ばれたテーマというのが、観る人たちの琴線に触れるような深さをもっていなければならないということは非常に考えましたし、あとはやはりリズムやスピード。観客を退屈させないというより、観客がそれぞれの登場人物に自分を重ねられるような設定にしていくことが重要だと感じました。


Q6:月食の終わりとともにそれぞれの関係が元に戻るエンディングが来て、観客はそこで衝撃を受けます。
この展開に監督が込めたメッセージとしては?

ジェノベーゼ監督: この作品で語られているのは、もしゲームが実際に行われていたらどんなことが起きていただろうということなのですが、あのテーブルを囲んだ人物たちは、誰もゲームを受け入れなかったのでゲームは実際には行われませんでした。ただ、最後には登場人物たちはそれぞれ自分の秘密を抱えながら友人の家から帰っていく、お互いに自分のパートナーのことはよく知っているつもりで、そのまま人生落ち着いていくのだけれども、実は相手のことをあまり分かっていない、相手にも実は秘密があるのだということを、エンディングで伝えています。


Q7:参考にした国内外の映画作品や小説などありますか?

ジェノベーゼ監督:ありません。


Q8:今回の映画で大きなチャレンジは?

ジェノベーゼ監督: この作品での一番のチャレンジは、作品のほとんどが1シーンで96分間続いているということ。ですから、どういったリズムでそれがきちんとうまく働いているかどうかということを、撮影の途中でしっかり把握していくことが必要でした。今撮っているシーンはどこの部分なのか、この部分でどういった感動や思いを観客の中に呼び起こそうとしているのか、そういったところを把握して撮影を進めなければいけないというのが、一番難しかったと言えます。


Q9:日本で映画の公開を待っている映画ファンに一言。

ジェノベーゼ監督:この映画がイタリアで受け入れられたように、日本でも現実にこういう話があるなという風に受け入れてもらえれば嬉しく思います。この作品で、スマートフォンという物が私たちの生活を大きく変えている、とくにその中でも人間関係というものを大きく変えていってしまっている、そういった問題を日本の方々にもイタリアの方々と同じように近しく感じてもらい、自分たちのストーリーとして楽しんで頂ければ幸いです。

映画情報どっとこむ ralph 気になる物語は

「今では携帯はプライベートの詰まったブラックボックス。ゲームをしない?食事中、かかってきた電話、メッセージをみんなオープンにするのよ」。友人夫婦7人が集う夕食の場で、エヴァはいきなりそう提案した。

新婚のコシモとビアンカ、反抗期の娘に悩むロッコとエヴァ、倦怠期を迎えたレレとカ―ロッタ、恋人に今日のディナーをキャンセルされたペペ。

「何かやましいことがあるの?」と詰め寄る女性陣に、男性陣も渋々ポケットを探り、テーブルには7台のスマートフォンが出揃った。

メールが来たら全員の目の前で開くこと、かかってきた電話にはスピーカーに切り替えて話すことをルールに、究極の信頼度確認ゲームが始まる!


おとなの事情
原題: Perfetti Sconosciuti 

2017年3月18日 新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
公式HP: otonano-jijyou.com



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2016年/イタリア/96分/カラー/シネスコ/5.1ch

監督・脚本:パオロ・ジェノヴェーゼ
脚本:フィリッポ・ボローニャ
パオロ・コステラ
パオロ・ジェノヴェーゼ
パオラ・マミーニ
ロランド・ラヴェッロ
撮影:ファブリツィオ・ルッチ
編集:コンスェロ・カトゥッチ
出演:ジュゼッペ・バッティストン、アルバ・ロルヴァケル、ヴァレリオ・マスタンドレア、アンナ・フォッリエッタ、マルコ・ジャリー二、エドアルド・レオ、カシア・スムトゥニアク
配給:アンプラグド
©Medusa Film 2015
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