冨手麻妙がムチ打てば筒井真理子がビンタで応酬!
「あなたが生きているのは誰の人生?」冨手麻妙が裸上等で体現した園子温の映像世界。 日活株式会社が1971年に製作を開始した「日活ロマンポルノ」が、生誕45周年を迎え、ロマンポルノ・リブート・プロジェクトの第4弾として、園子温監督が描く最新作『ANTIPORNO』が、いよいよ1月28日に初日を迎え、冨手麻妙さん、筒井真理子さん、園子温監督が登壇して初日舞台挨拶が行われました。 『ANTIPORNO』初日舞台挨拶 |
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立ち見のお客さんが出る大盛況。園子温全開ムービーを見たばかりのお客様の前に、冨手麻妙さん、筒井真理子さん、園子温監督が登場!
冨手さん:上映後の台挨拶は最初なので、みなさんの反応が怖かったのですが。みなさんの顔を見て安心しました。 と、挨拶し、イベントはスタート。 園監督:この現代にポルノを取る意味がないかなと思ったんですね。アンチポルノみたいなものなら撮れるかもしれない!と言ったら、それで良いとのことで、タイトルもそのまま『アンチポルノ』にしました。僕も学生時代からよく見ていましたが、ポルノ映画館に行くのは、いろんな意味で充実してましたが・・・ノスタルジーで撮ることに意味はないかなと感じたんです。関係なく自由ならやれそうかなということでオファーを受けました。 今回初主演でヌードの冨手さん。実は監督に直談判されたそう。 冨手さん:女優としての目標が、園子温作品で主演すること。裸には抵抗なかったし。園監督の作品で主演で、監督との戦い勝たないと止まってしまうという緊張感があって。この作品を撮り終えた時に、「次もまた一緒にやろうねっ。これは愛の結晶だ!」と言う言葉をいただいて。愛情が、全部ここで爆発してできた作品だと思ってます。ここからが始まりです。 筒井さんのキャリアとしてはハードな内容のオファーを受けた理由を問われて 筒井さん:是非に!台本いただいて、園さんの本気感が伝わってきたんですね。特にラストのセリフに惚れて、そのセリフを言いたいということでオファーを受けました。 ロマンポルノのレジェンド白川和子さんと撮影前に話したそうで、 筒井さん:不安の中で第1回目のロマンポルノに出られた白川さんが、リブートで最初の一滴が大河になったとおっしゃっていて、その言葉を使ってよいかを、電話で確認させていただきました。彼女たちの覚悟が、多くの映画人、監督や俳優を輩出したのだと思います。 レジェンドをリスペクトする発言。 |
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内容がにメッセージ・怒りが内包した作品。セリフも辛辣。
園監督:セリフに関しては当時の自分のいらだちとか、今の現状のいら立ちが入っていると思います。 冨手さん:筒井さんと同じセリフを演じさせる監督に、園子温なんだよ!って思いました。 筒井さん:先ほども言った最後の長台詞。冨手も何度も行ってるから、カットしようかって軽く言われて。でも、直談判して残してもらいました。最終版でも残っていて安心しました。 園監督:結果的にあのシーン凄く良かった。その時、現代の女性論を書いていて。そこの出版局の女性たちと細々とリサーチしていて。女性の地位が上がってないなと感じていた時だったので。男社会に生きる女の人がにじみ出てしまいました。 冨手のキャラは、女性論という側面もありますが。。、当時の気持ちを訴えたかったのですね。時代背景もありましたね。国会議事堂から始めたのも・・・。 と、監督のメッセージ性も織り込まれている作品。
冨手さん:今回1週間ほど通しのリハーサルをしていたので、本番は没頭して、監督の考えている物以上に出す。余計なことは、考えないようにしました。大変だったのはペンキのシーン。でも映像見ると、よかったなと。最後セリフは現場で監督がつけてくれました。 筒井さん:園さんの脳の中を歩いているようなものなので。現場に入ったらセットも素晴らしいし。テンション上げさせていただきました。 |
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今、アンチしたいものは?
冨手さん:日本の男性向けだけのAVをアンチ。海外のAVは男性と女性同じぐらいの割合で映ってるのに、日本は女性だけメイン。性は男性のものでも無いし女性のもでもある。ので、男性に特化しないものが作っていけたら、社会も変わるかなと。 筒井さん:多様性を認めないことにアンチ。文化を浴びるように見て欲しいですね。 園監督:アンチ・タバコ。今回こそは 絶対やめると。決意しました。 最後に・・・ 園監督:多様性。売れるだけの商売だけじゃない、自由な作品も受け入れてくれると 日本映画も多様性が出てくるのではないかとこの映画を是非応戦してください。 筒井さん:今回、是非、常識を横に置いて、浴びるように観てください。 冨手さん:私にとって女優人生のスタートラインの作品です。筒井さんとも共演でき、大好きな園さんの作品でヌードになれて。女性の裸が消費される世の中。でも、ただ消費される作品では無いものになったので。それを生かしつつ、大きな女優になっていきたいと思っています。 と、締めました。
『ANTIPORNO』 1月28日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開です。 物語・・・ 小説家兼アーティストとして時代の寵児となった京子(冨手)。 極彩色の部屋に籠もり、マネージャー典子(筒井)が伝えるスケジュールを分刻みでこなす毎日。現実と虚構、サディズムとマゾヒズム、自由と不寛容、カリスマと奴隷・・・寝ても覚めても終わらない悪夢。 私は京子なのか?京子を演じているのか? 虚構と現実の狭間で、京子の過去の秘密が暴かれていく―。 |
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日活ロマンポルノリブートプロジェクト
今年2016年で製作開始から45周年を迎え、園子温監督のほか、塩田明彦監督、白石和彌監督、中田秀夫監督、行定勲監督ら第一線で活躍する監督陣が、完全オリジナルの新作を28年ぶりに撮りおろすことでも注目されています。 過去記事: |
監督・脚本:園子温
冨手麻妙 筒井真理子
不二子 小谷早弥花 吉牟田眞奈 麻美 下村愛 福田愛美 貴山侑哉
2016/日本/78分/5.1ch/ビスタ/カラー/デジタル/R18+
Ⓒ2016 日活