映画情報どっとこむ TJ 東京国際映画祭に、昨年新たに設立された「Japan Now」部門。今、一番海外に発信したい監督にスポットを当てる本部門では、今年、国内外で幅広く活躍し、アジアで絶大な人気を誇る日本を代表する映画監督・岩井俊二監督を特集。日本外国特派員協会(FCCJ)にて「Japan Now部門<監督特集 岩井俊二>」に関する記者会見と岩井監督の最新作『リップヴァンウィンクルの花嫁』の特別上映会を行いました。
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日時:10月4日(火)16:30~
会場:公益社団法人 日本外国特派員協会
登壇者:岩井俊二監督
椎名保(東京国際映画祭 ディレクター・ジェネラル) 
安藤紘平(「Japan Now」部門プログラミング・アドバイザー)

椎名保ディレクター・ジェネラルの歓迎の挨拶に続いて、本部門のプログラミング・ディレクター 安藤紘平氏より「Japan Now」部門で「海外に積極的にその才能をアピールしていく」という思いのもと「岩井俊二監督の特集上映」開催が決定した経緯などの説明。

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ディレクター・ジェネラル 椎名保コメント

今年の注目していただきたい点、TIFFのチャレンジは2つです。

一つは「ユース」部門の設立です。「ユース」部門は「TIFFチルドレン」、「TIFFティーンズ」の二部構成に分かれた部門です。「日本映画クラシックス」部門、「Japan Now」部門に加え、そして本年ユース部門を設立することで、日本映画の「過去 現在 未来」を1つのテーマとして示しています。TIFFティーンズの主役はティーン、TIFFチルドレンの主役は子供達です。これからの映画を担う若い人に向けて創設いたしました。

二つ目は野外上映です。いろいろな海外の映画祭で非常に活発に開催され、多くのお客様が参加し楽しまれているのを多々目にしてきました。東京国際映画祭でもぜひ、同じように楽しんでいただきたく今年は六本木ヒルズアリーナにて無料の野外上映を行います。それ以外にも10/16(日)に映画祭に先駆けて芝公園にてプレ上映を行います。こういった機会をTIFFで設けることができ、大変嬉しく思っています。沢山の方に映画を楽しんでいただければ幸いです。

安藤紘平 プログラミング・アドバイザー コメント

椎名ディレクター・ジェネラルより「現代=Japan Now」とのご説明がありましたが、今を未来にひっぱていく意味で私にとって「Japan Now」が一番大事です。コンセプトは昨年と変わらず外国の方はもちろん日本人の方にも今の日本映画を見てほしいということ。作品を通じて日本の【美意識・今・文化】を知ってほしい。そしてそれらを作ったクリエイターを紹介したいというのがコンセプトです。その中でも特に紹介したいクリエイターを特集という形でご紹介します。

今年は岩井俊二監督の特集となります。何故かというと『リップヴァンウィンクルの花嫁』を見たときに日本人に生まれて誇らしいと思ったからです。岩井監督は岩井美術と呼ばれる独特な美意識をもって現代の若者の姿を描く稀有な監督ですが、今回の作品を見てその力を更に上げたな、と思いました。特集の作品選出は何しろ傑作揃いなので、とても迷いました。まず『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』これは我々が岩井監督を初めて認識した最初の素晴らしい作品です。次の『Love Letter』はこれが長編初挑戦とは信じられないほどの素晴らしい作品でした。そしてちょっと変わった感じの『スワロウテイル』、もっと変わった感じの『ヴァンパイア』、そして『リップヴァンウィンクルの花嫁』。『リリィ・シュシュのすべて』『四月物語』といった作品もやりたかったのですが、それらは是非DVDでご覧ください。

映画情報どっとこむ TJ 岩井俊二監督 コメント

(東京国際映画祭で特集される心境はいかがですか?という質問に関して)東京国際映画祭に特集という形で呼んでいただきありがとうございます。また、この場に呼んでいただき非常に光栄です。5つも上映していただけるとお聞きし、嬉しく思っています。

(日本のみならず海外でも人気を博している事に関してどのように感じていらっしゃいますか?という質問に関して)

自分でもこのようになるとは思ってもみませんでした。『Love Letter』を作るまでお隣の韓国にも行ったことがなく、どんな人がいるのかも想像できませんでした。僕自身は少しも意識をしていませんが気が付くといろいろな架け橋的な立場に置かれることが多いです。荷が重いのですが、そういう運命のもとに生まれたと思い観念しました。出来るのは映画を作って上映することだけです。

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マスコミとのQ&A

●岩井監督への質問

Q.中国での人気が爆発的ですが、合作のご予定はありますか?

A.すでにプロデュースという形で携わり、今もいくつか関わっております。中国だけでなく、日本もふくめ映画市場が広がり、盛り上がる方が、アート映画の居場所は作りやすい。そういう意味で可能性があると思います。

Q. 映画祭で特集を組まれることの意味をご自身でどう思われますか?

A. こういう機会だと、リラックスして映画ファン・映画批評家の方たちと向き合い、一緒に映画を楽しめるので嬉しいです。劇場公開の時には言い知れぬプレッシャーがあり、楽しめないので。バケーションに近い感覚があります。

Q.今後、『花とアリス殺人事件』(2015)に続くアニメーションの制作を続けていこうと思っていますか?

A.僕の【岩井流】と呼ばれるアニメーションの作り方があるんです。いまでも(一緒に活動をしている)チームがあります。現在、実はミュージッククリップを作成中で、実写とは全く勝手が違うのですが、(アニメーション制作を)もの凄くやりたい!と思っています。『花とアリス殺人事件』はヨーロッパでも公開されていて、ヨーロッパの人は、自分をアニメーション監督だと思っている人もいて(笑)。(ヨーロッパにも人気が広まってほしい、という安藤さんの発言を受けて)このままヨーロッパの人たちにも知っていただきたいですね。

Q.(ヨーロッパやアジアでの活躍の話を受け、ロシアの記者から)ロシアでの活動は視野にありますでしょうか?

A. 一度モスクワ映画祭に招待していただいて、少ない機会ではありますが、審査員などでロシア映画を拝見させて頂いたこともあります。ロシア映画は非常にクオリティも高く、良い意味でゴージャスで大作な印象があります。機会があれば、黒澤明監督の『デルス・ウザーラ』に習って、ぜひ挑戦したいです。機会をください!

映画情報どっとこむ TJ イベントタイトル:第29回東京国際映画祭

開催期間:10月25日(火)~11月3日(木・祝)

会場:EXシアター六本木、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、歌舞伎座、109シネマズ二子玉川他

オフィシャルHP:
2016.tiff-jp.net/ja/

併設マーケット:TIFFCOM2016(Japan Content Showcase 2016) 10月24日(月)~10月26日(水)

チケット発売 :10月15日(土)よりticket boardにて発売開始!

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