女優・のんさんが、主演すず役を演じている片渕須直監督・こうの史代原作のアニメーション映画『この世界の片隅に』は11月12日に全国公開となります。その完成を受け、のんさん、片渕須直監督、こうの史代先生の舞台挨拶付き完成披露試写会が行われました。 本作は、第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いたアニメーション作品です。 映画『この世界の片隅に』完成披露舞台挨拶 概要 |
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監督:原作に出会って映像にするならぜひ自分の手でと思いました。特に主人公のすずさんを映像の中で捕まえたいと。6年かかりました。
と感慨深げに語る監督 ここで、のんさんとこうの先生が登場。のんさんから片淵先生にお花のバスケットが贈られ・・とても嬉しそうな監督。 のんさん:はい。素晴らしい作品に参加させていただき嬉しいです。原作をみたとき思ったんですけど。普通の暮らしを生きていかなくっちゃいけなくって。戦争とというものが単体であるのではなくて・・・生活の隣あわせに入ってくるものなんだと。すごい怖いなと。だからこそ普通の生活が素晴らしく・幸せなのが伝わる作品です。 こうの先生:試写緊張しましたね。幸せな映像。普通のところで泣いてました。 のんさん:声の挑戦で思ったんですけど。セリフなくて映像だけで泣けて。いいです・・・・ |
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なぜいま?この映画ですか。
片淵監督:ぼくらは、自分と地続きで時代をさかのぼれるか?でも、戦争中だとわけわからない世界で。少し理解できるところを作っていきました。すずさんが存命だと。91歳で。水木先生とエリザベスと同じ年。戦争中って親から聞いてますが。ここから先は自分たちで捕まえなおさないと。戦争を描きたいのではなくて戦争のなかでも、普通の時の流れを映像にできたらと思いました。 監督:先生からも、手紙が戻って来ていて。それからノンちゃんにからもメールでお手紙が来て。お手紙仲間でした すず役・似ているところなどは?との質問に のんさん:ボーっとしてるって言われるところと。気の強いところとパワフルなところですね。そこから探ったり共感して、役作りをしました。 片淵監督:役ずくりでだいぶ質問されました。それが、ぼくに跳ね返って作品の本質がはっきりして、エンディングに反映しました。 |
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最後に・・・
こうの先生:映画はみんなで一緒に見られるのでいいので、観た後にいろいろ話していただければ。物語に、素直さと芯の強さがのんさんの声に合ってとても良い映画です。 監督:すずさんを自在で感じたかったんです。その時に声はのんちゃんしかないなと。映画の中でいろいろ起こりますが。すずさんを応援してください のんさん:普通の生活、生きるということが、そえだけで涙がボロボロ出てくる素敵な作品です。 物語・・・ どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた。 公式HP:konosekai.jp |
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員