映画情報どっとこむ TJ 日本のスプラッター映画の草分け”ピンク四天王”と称される佐藤寿保監督が、大西信満を主演に迎えた最新作「華魂 幻影」。

ポスター前川瀬、佐藤、大西ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の“フォービデンゾーン”部門でも絶賛され、現在新宿ケイズシネマで公開中です。そんな本作主演の大西信満さんと、本作の劇中映画『激愛』主演の川瀬陽太さん、そして、大西監督を迎えてトークイベントが行われました。

大西信満さんと川瀬陽太さんは別日に撮影したため、川瀬が、「俺は劇中に出てくる『風と共に去りぬ』みたいな『激愛』のポスターのこと知らなかったから、それを大西君がLINEでわざわざ送ってきて、『僕こんなことになってるの?』って思って」と言い、「それを理解せず芝居をやったと?」と監督が突っ込むと、「だって理解も・・・すみません。ぐるぐるぐるぐる、ヘリコプターみたいに回りましたけれども。いつもより多めに回っております、みたいな」というジョークで始まった本トークイベントをどうぞ。

「華魂 幻影」トークイベント
日付:5月18日(月)
場所:新宿ケイズシネマ
登壇者:大西信満、川瀬陽太、佐藤寿保監督

今後のイベントの予定
5/20(金)21:00~の回上映後@K’s Cinema
外薗昌也さん(漫画家)×佐藤寿保監督 トークイベント

5/21(土)19:35~@ニュー八王子シネマ
18:00~の回、19:55~の回どちらのお客様もご覧いただけます。
愛奏さん、生稲恵さん、川上史津子さん、丸山昇平さん×佐藤寿保監督 舞台挨拶

映画情報どっとこむ TJ “華魂”とは、俗世の欲望の象徴であり、この花が咲くところでは、人間は欲望の箍が外れて理性が崩壊する。本作は、映画愛に満ちた支配人やスタッフ、そして、個性的な客たちによって支えられてきた映画館の閉鎖が決まり、映画館に欲望の象徴“華魂”が暴走する話。
華魂 川瀬、佐藤、大西2

劇中劇の川瀬さんがぐるぐる回るシーンについて

大西さん:ネット上では、この映画は“川瀬陽太がぐるぐる回っている映画”になっていますよ。

川瀬さん:衣裳合わせの時に、衣裳の前に、まずぐるぐる回る装置のチェックされたんだから!(笑)『川ちゃん、これ乗ってみて』みたいな。

佐藤さん:大西さんは『キャタピラー』で、俺は『乱歩地獄』内の『芋虫』(2005)で一切CGを使わずに大森南朋がやったんだけど、その時も現場がスムーズに進むようにアングルとかの準備を考えとるんですよ。
4川瀬陽太・愛奏
川瀬さん:本当にCGじゃないのがいいなって思うんですよね。CG全般がまずいという訳ではないんですけど、ああいうおかしな映画はおかしなまま出ていった方がインパクトあるかなと。

佐藤さん:回り方も『風の共に去りぬ』のパロディみたいな回り方をしてもらったんだけど。

川瀬さん:最初はどこまでいったらいいのか尋ねたんだけど、寿保さんを前にして、これはどこまでも行かなきゃいけないなと思ってやってたとこがあって、その後(撮影順の)バトンを大西君とイオリちゃんに渡さなくてはいけないから、すみませんという感じでしたけど。

大西さん:すみませんっていうか、僕の役は結構まじめな役じゃないですか。まじめな顔して(川瀬さん主演の『激愛』が流れている)スクリーンを観ているわけですよ。川瀬さんがあんな感じで。いかにどう顔を作るかはある意味一番苦労しました。(脚)本は読んでいるんですけれど、本以上に激愛していたんで。初号試写で(完成した作品を)観てみたら、自分がいくらまじめに一生懸命芝居していても、結局最後は川瀬さんのヘリコプターで持ってかれちゃうんですよね。
(会場笑い)

大西さん:仕掛けでくるくるくるは、生身の人間ができることを超えてしまうんです。自分が関わっていて申し訳ないんですけれど、これはすごい映画だなって本当にそう思います。
川瀬さん:(寿保監督は)瀬々(敬久)監督の先輩なので、20年前から“抒情がある狂気”という人だという印象で『この人すごいな』と思っていたんですけれど、今回も大友(良英)さんが音楽やっていたり、非常にオルタナティブなことをされる作家で、とにかく“血と暴力”の人。それも寿保さん曰くは“愛”の映画でもあるんだろうけれど、そういうところで、初めてこんな形でご一緒できたので、『あっ今寿保さんの映画に出てるな』というのは感慨としてありましたね。

映画情報どっとこむ TJ 公開を待たずに引退した、ヒロイン役のイオリさんについて

華魂 幻影
大西さん:イオリさんは、現場でも掴みどころがなくて、何を考えているのかわからず、役のまんまで・・・。

川瀬さん:お辞めになられてしまったという。

佐藤さん:川瀬、現場でなんかやったんじゃないの?

川瀬さん:僕は現場で女優に評判がいいんだから。

華魂 川瀬、佐藤、大西1

佐藤さん:(イオリさんは)初めての映画だから、劇中劇を撮る時に、イオリも千葉に連れて行って、『こういう風に芝居するんだよ』って。ちょうど海があって、『ここでやるか』みたいなね。『ちょっとイオリちゃん、裸やるよ』みたいなね。素の面白さというか、無防備な中の大胆さみたいな、本当に赤子のような感じで、普通の役者にはできない演技だなというのを、俺も映像を観て改めて感じました。

川瀬さん:そういう、*ファム・ファタールみたいな奴だから、そういう意味で言うと、芝居がどうのとかっていうよりも、ああいう雰囲気でいてくれ、ましてや大西君の役というのは見ることしかできない位翻弄されちゃう役じゃないですか。だからああいうふわっとした子が介在したのはよかったでしょうね。本当に辞めちゃったんだから、びっくりしちゃったよな。

大西さん:本当に“幻影”になりましたね。

佐藤さん:観る度にスクリーンから出てきますけどね。

川瀬さん:貞子じゃないんだから。

大西さん:監督はイオリちゃんに関しては、そんなに追い詰めたりとかいう感じではなかったですよね?。

佐藤さん:素朴なんですよ。染まっていないというか。田舎からでてきて、最後まで方言が抜けなかったんだけど。完成披露の時はここで元気よく出て、打ち上げも出て、俺の次回作の『眼球の夢』っていうのにもちょこっと出てもらったりしてるんですけど。だから、この映画で逃げたわけじゃないよ!(笑)『また佐藤がやらかした』とかそういうことではないんだが。(笑)。
6イオリと華

劇中で三上寛さんがやった万歳三唱で本イベントは幕を閉じた。

*ファム・ファタール:「運命の女」の意味。 また、男を破滅させる魔性の女。

映画情報どっとこむ TJ 華魂 幻影

公式HP:http://www.hanadama-movie.com/

新宿K’s Cinemaにて公開中
5/21~東京・ニュー八王子シネマ
5/28~神奈川・シネマ・ジャック&ベティ
6/4~ 福岡・中洲大洋劇場
6/11~宮城・桜井薬局セントラルホール
時期調整中 愛知・名古屋シネマテーク、大阪・第七藝術劇場、京都・立誠シネマ、広島・横川シネマ

華魂 幻影ポスターあらすじ・・・
閉館間近の映画館の映写技師で沢村貞一(大西信満)は、毎日狭い映写室からスクリーンを見つめ続ける日々を送っていた。ある日、画面に見えるはずのないものが見えだしていた。黒ずくめの少女(イオリ)である。少女は何かを訴えるように沢村を見つめている。上映後、フィルムをチェックするが、少女などどこにも映っていない。
ある日、上映後の客席に幻影で見たあの黒ずくめの少女が目の前にいた。沢村は、少女を劇場の映写室の控え室でかくまう。上映中、ふと気がつくと、少女がいなくなっている。少女を捜すがどこにもいない。街をさまよう沢村。少女の幻影が沢村を誘う。少女に導かれるように、川原に来る沢村。沢村の失われた記憶が蘇る・・・。少女の頭に毒々しい色の花“華魂”が不気味に咲いている。少女は一体誰なのか。沢村との関係は。

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出演:大西信満 イオリ 川瀬陽太 愛奏 吉澤健 真理アンヌ 三上寛 他
監督・原案:佐藤寿保 
プロデューサー:小林良二 
脚本:いまおかしんじ 
音楽:大友良英
共同研究:東京工芸大学 
制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション  
製作:華魂プロジェクト
2016年/日本/カラー/ステレオ/83分
  
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