本広克行監督が映画祭ディレクターを務める、香川県の「さぬき映画祭2016」が開幕!

本映画祭で映画『家族はつらいよ』がイオンシネマ高松東にてオープニング作品として上映を行い、華やかな幕開けとなりました!山田洋次監督がオープニング上映のゲストとして参加しました。
家族はつらいよ_さぬき映画祭本広克行監督x山田洋次監督

『家族はつらいよ』さぬき映画祭2016オープニング上映 舞台挨拶イベント

日時:2月11日(木・祝) 
場所:イオンシネマ高松東
登壇:山田洋次監督
ホスト:本広克行監督

山田監督:第10回さぬき映画祭、おめでとうございます。記念すべきさぬき映画祭の第10回目に「家族はつらいよ」が選ばれた事を光栄に思います。

本広監督:山田監督は僕よりも早いピッチで映画を今お撮りになっていると思うのですけど、なぜそんなに次から次へと作品をつくられているのでしょうか?

山田監督:つくりたいものがあって、それが上手くクランクインできたということでしょうね。何ていったって寅さんは48本も立て続けにつくっていますけど、そのテンポに慣れちゃったということもあるのでしょうね。

家族はつらいよ_さぬき映画祭

本広監督:『家族はつらいよ』は『東京家族』のキャストが集まったのですよね?

山田監督:『東京家族』8名の俳優さんたちとずっと長い間、一緒に仕事をしながら、なんだか皆仲良くなっていくというか、独特のアンサンブルが生まれて、このアンサンブルがもったいないな、もう一回できるんじゃないかなと、ちょっと角度を変えればこの家族はなかなか滑稽な家族でもあるし。僕たちは、みんな家族を持って悩んでいる、苦しんでいる、本当に家族なんて厄介なものなのだけど、家族がいなくちゃ生きていけないというところがある、角度を変えれば家族の問題で悩む人たちって滑稽でもあるなって。その8人をそのまま同じようなキャスティングで喜劇をもう一度作ってみようというのが『家族はつらいよ』なんですね。

本広監督:僕もコメディ映画を頑張って作っていますが、笑いを届けることってあまり評価されないのですよね。僕、コメディって一番難しいと思います。監督はずっと寅さんで喜劇を作られてきた訳ですが、なぜこうも評価されないのかと監督に一度聞いてみたかったのですが…

山田監督:50年60年昔から喜劇映画は二流、三流と見られがち。だけど、僕が若い頃、先輩に喜劇ってとても難しいものだよと言われたことがあります。「喜劇っていうのは観客が笑わなきゃ駄目なんだ。簡単に評価が出てしまう。観客が笑わなきゃ、その映画は喜劇として落第であると結論が出るから、最も難しいんだぜ」という言葉がとても印象に残っています。こんなふうにすればおかしいだろうと思って作ったからといって観客が笑う訳じゃ無い。とても真面目に一生懸命作っていた場面が観客にとって大爆笑になったりすることがある。作ったほうからして予想していなかった場面で笑っていると驚くことがある、僕は寅さんを作りながら随分、体験したことですね。あまり可笑しい映画を作ろうと思っちゃいけないということかな、やっぱり真面目に、人間をちゃんと表現すればいいんだと。そこに人間の持っている愚かしさがふと見えたときに観客が思わず笑ってしまう。だから一生懸命、人間を描くということなのではないかと思っていますね。

家族はつらいよ_さぬき映画祭_福崎至佐子そしてこの日、当時の『男はつらいよ』の劇中歌でバイオリンの演奏を10年間担当していた香川県文化功労者でコンサートマスターのし福崎至佐子さんが登壇し生演奏を披露。香川県の粋な計らいに山田洋次監督も拍手を送りました。

本広監督:映画祭らしくなってきましたね〜。

当時の音楽の作成の秘話についてもお話し、会場も大盛り上がりとなりました。

そして、最後にこれから上映を観る観客の皆様に向けて特に注目のシーンを聞かれると

山田監督:そうですね、みんな集まって家族会議をする場面がありますね、その家族会議というのはとても難しかったです。かなり長いシーンですし。家族会議で大声出したり、泣いたりしているのだけど、家族がひとつの問題をみんなで集まって、わいわい話せることは幸福なんだと思って演出していました。なかなか今の日本の家族は、そうもいかないですしね。
『家族はつらいよ』ポスター

本広監督:この映画を観たとき監督にどうだった?と聞かれましたが、言葉にならなかったです。笑って、最後は泣けて、みなさんに楽しんで頂きたいです。

香川県の方々の大きな笑いと拍手喝采に、あたたかさに溢れた上映となりました。

さぬき映画祭は2月21日まで。
今年は10周年であり100名以上のゲストを迎えます。

家族はつらいよ

は、3月12日(土)全国ロードショー

http://kazoku-tsuraiyo.jp/

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物語・・・
妻よ、笑顔を下さい。夫よ、離婚を下さい。

結婚50年を迎えようとする夫婦。たまには妻に誕生日のプレゼントでも買ってやろうかと夫が欲しいものを聞いてみると、妻の答えはなんと・・・「離婚届」!一家に突然降りかかる、まさかの“熟年離婚”騒動に、子供たちは大慌て。
さらに、離婚騒動を解決しようと開かれた家族会議では、全員の不満があちらこちらから噴出!一家の運命やいかに!?
橋爪功 吉行和子  西村雅彦 夏川結衣  中嶋朋子 林家正蔵  妻夫木聡 蒼井優
小林稔侍 風吹ジュン 中村鷹之資 丸山歩夢 笹野高史 笑福亭鶴瓶(特別出演)
監督:山田洋次
脚本:山田洋次・平松恵美子 音楽:久石譲 撮影:近森眞史 美術:倉田智子 照明:渡邊孝一 編集:石井巌 録音:岸田和美 プロデューサー:深澤宏
製作:「家族はつらいよ」製作委員会 
制作・配給:松竹株式会社 
(C)2016「家族はつらいよ」製作委員会 

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