黒沢清監督、林祐介『散歩する侵略者』公開記念 音楽トークショー


映画情報どっとこむ ralph 国内外で常に注目を集める黒沢清監督が劇作家・前川知大氏率いる劇団イキウメの人気舞台「散歩する侵略者」を映画化。

数日間の行方不明の後、夫が「侵略者」に乗っ取られて帰ってくる、という大胆なアイディアをもとに、誰も見たことがない、新たなエンターテインメントが誕生しました。

この度、9月9日(土)の全国公開とオリジナル・サウンドトラックの発売を記念し、黒沢清監督と音楽を担当した林祐介さんによるトークショーが行われました。

『散歩する侵略者』公開記念トークショー
日時:9月5日(火)
場所:渋谷モディ 6F HMV&BOOKS TOKYO
登壇:黒沢清監督、林祐介

映画情報どっとこむ ralph 国内外から注目を集める黒沢清監督と音楽を担当した林祐介さんの貴重な組み合わせによるトークイベントだけあって、映画の公開を待ち望む観客で会場は満席に。まずはじめに

黒沢監督:音楽についてお話するイベントはあまりないので、どんな話が出るのか楽しみです。スリリングな時間になるのではないかと思います。

続いて

林さん:今日は黒沢監督と対談させていただけるということで、とても楽しみにしていました。短い時間ですがよろしくお願いします。

との挨拶からイベントがスタート。

約10年前に原作と出会ったことをきっかけに、侵略SFを日本で映画化したいと決意した黒沢監督。

そんな黒沢監督と林さんは、2003年の『ドッペルゲンガー』以降、本作を入れて4作目のタッグとなります。旧知の仲とも言える黒沢監督と林さんですが、初めて仕事を依頼された時の感想について、

林さん:初めて取り組んだ映画音楽が黒沢監督の作品で、とても緊張しましたが、やりがいを感じましたね。頑張るしかなかったです。

と本音を明かしました。本作を監督する上で、新たにチャレンジしたことについて問われると、

黒沢監督:物語の軸でもある鳴海(長澤まさみ)と真治(松田龍平)の夫婦の関係がどのように変化していくのか、というありふれた日常と、いったい世界がどうなってしまうのか、ということを同時に描くことがチャレンジでした

と語りました。

映画情報どっとこむ ralph 映画音楽とは物語の最後に解釈するもの、と断言する黒沢監督。
音楽を依頼する時は、キャラクターの感情に添うものではなく、物語に添った音楽をオーダーするそう。今回はクラシカルな中にもSFらしさがある音楽を、と林さんに依頼しました。

林さんはこの要望に応えるべく、普段の楽曲制作ではあまり使うことのない珍しい楽器を採用したことを明かしました。“オンド・マルトノ”と呼ばれる繊細な音階のコントロールができる電子楽器や、ホラー映画らしい音色が出る“ウォーターフォン”、黒沢監督作品では欠かせない、低音が特徴的な民族楽器など、見たことのない楽器の数々に

黒沢監督:初めて知りました。びっくりです。

と驚きと興味津々の黒沢監督。

また、実際に劇中で使用されている劇伴を聴きながら、そのシーンの狙いや作曲面で苦労したエピソードもお伺いしました。
真治が散歩するシーンに何度も使用されている、一度聴いたら耳から離れないコミカルなテンポな「散歩する侵略者」という楽曲に関して、

黒沢監督:耳に残るようなフレーズの曲を何曲か入れて欲しいと林さんにお願いしました。この曲はその一曲で、このシーンは怖くないんです、可笑しいんです!とはっきりわかる曲ですよね。

と解説。

林さん:宇宙人が散歩するというブラックユーモアを、オーボエやミュートしたトランペットで表現しました。実は、劇中で真治が散歩するシーンの真治の歩調に合わせて曲調を考えたんです。

と、映画音楽ならではのエピソードを明かしました。

映画情報どっとこむ ralph メインテーマ曲は「愛のテーマ」。
黒沢監督:僕としてはめずらしく、わかりやすくて観た後に心に残るようなメロディの曲を作ってほしいとお願いしました。『シザーハンズ』や『夕陽のギャングたち』などのサントラや、エンニオ・モリコーネの曲をイメージで聴いてもらったり、女性のスキャットを入れてほしいなど、色々と難しい注文をしました。でも、林さんから出来あがった曲を聴かせていただいた時に、これだ!と思いました。

林さんによるキーボード演奏を交えながら楽曲に彩られた印象的なシーンの数々を振り返ってきたイベント。

ここで林さんに本作の楽曲を本日だけ特別にメドレー形式で演奏。
ここでしか聞けない貴重な機会に、会場の観客も大いに聞き入りました。

黒沢監督:林さんってピアノが上手いんですね(笑)

とジョークを交えながらも、貴重な生演奏に大感激の様子でした。



最後に、黒沢監督と林さんから観客の皆さんへメッセージをいただきました。

林さん:是非『散歩する侵略者』をご鑑賞いただき、サントラで余韻に浸っていただければと思います。そして何かを感じ取っていただければ嬉しいです」

黒沢監督:この映画は今日聴いた音楽のように、あらゆる要素がつまっています。観ていて戸惑うこともあるかもしれませんが、最後には非常にわかりやすいメッセージが込められているはずです。それが何なのか、是非劇場で確かめてください。

本作を語る上で欠かせない劇中音楽の制作秘話が明かされると共に、観客が「散歩する侵略者」の世界観にたっぷり浸った大満足のイベントとなりました。

映画情報どっとこむ ralph
サウンドトラック情報

映画『散歩する侵略者』オリジナル・サウンドトラック
音楽:林 祐介
好評発売中

PCCR-00658 \2,500+税 発売元・販売元:ポニーキャニオン

映画『散歩する侵略者』
9月9日(土)全国ロードショー

公式HP:sanpo-movie.jp
公式Twitter:@sanpo_movie
公式FB:@sanpomovie

世界は終わるのかもしれない。それでも、一緒に生きたい。
数日間の行方不明の後、不仲だった夫がまるで別人のようになって帰ってきた。急に穏やかで優しくなった夫に戸惑う加瀬鳴海。夫・真治は会社を辞め、毎日散歩に出かけていく。一体何をしているのか…?その頃、町では一家惨殺事件が発生し、奇妙な現象が頻発する。ジャーナリストの桜井は取材中、天野という謎の若者に出会い、二人は事件の鍵を握る女子高校生・立花あきらの行方を探し始める。やがて町は静かに不穏な世界へと姿を変え、事態は思わぬ 方向へと動く。「地球を侵略しに来た」真治から衝撃の告白を受ける鳴海。当たり前の日常は、ある日突然終わりを告げる。


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監督:黒沢清 
原作:前川知大「散歩する侵略者」
脚本:田中幸子 黒沢清 
音楽:林祐介 

出演:長澤まさみ 松田龍平 高杉真宙 恒松祐里 長谷川博己ほか           

製作:『散歩する侵略者』製作委員会 
配給:松竹/日活
(C)2017『散歩する侵略者』製作委員会
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