8月4日公開『STAR SAND ─星砂物語─』パルバース監督インタビュー


映画情報どっとこむ ralph 1945年4月の沖縄と2016年の東京。

ふたつの時代と土地を往還しながら描かれる、平和への祈りと未来への希望。

日本とオーストラリアの各地において舞台を演出してきたロジャー・パルバースが、自身の思いを込めた著書を映画化した『STAR SAND ─星砂物語─』。今回、パルバース監督がオーストラリア ・シドニーに帰られる直前にインタビューをさせていただく機会をいただきました。

場所:都内某事務所
登壇:ロジャー・パルバース監督

映画情報どっとこむ ralph 「1945年の戦時中、戦うことを拒否した“卑怯者”の脱走兵である日本兵(満島真之介)と米兵(ブランドン・マクレランド)、そして彼らを見つめる少女(織田梨沙)の封印されていた過去を2016年の女子大生(吉岡里帆)が調べていく」という物語。

沖縄国際映画祭でワールドプレミアを行った本作。現地で舞台挨拶をした監督は

監督:私が沖縄の土を踏んでから丁度40年。沖縄大好きなんです。文化・気候・・・本土とは違いますよね。人も大和(本土)と違いますよね。大らかです。私は京都も長かったのですが、京都とは正反対です。排他的じゃないですからね。(この話が後で話されるキャスティングとつながります。)

Q:沖縄国際映画祭で舞台挨拶に立たれた前日の4月21日は、今回撮影が行われた沖縄の伊江島が72年前に占領されてしまった日。そんな占領された伊江島を撮影場所に選んだのは、何か理由があったのか?

監督:小説の舞台は、私が初めて星砂を見た鳩間島ですが、そこでの撮影は困難でした。伊江島を選んだ理由ですが、撮影ができる洞窟があったからです。それからロジスティックス(人、機材の輸送)の観点もありました。実際、戦時中人々が逃げ込んだ洞窟で撮ってよいのかなと思いながらも、現地に行くと皆さん歓迎してくれて、ホッとしました。

Q:先日の記者会見時に、満島さんが洞窟での撮影はスピリチュアルな感じがあったと話されていましたね。

監督:そうですね。そういう場所なんです。伊江島の写真を見せたら「伊江島だ!」って、共感してくれて出演してもらうことになりました。長い説明よりも写真が一番でしたね。

と、満島さんを一本釣り出来たことが嬉しそうな監督。

映画情報どっとこむ ralph Q:自身の著書「星砂物語」を映画化されましたが、執筆時から映画化を想定されていましたか?

監督:そうですね・・・。私のすべての作品は映画的です。(本作も)もちろん執筆時から映画化もしくは芝居にしたいと思っていました。

と語られた監督。小説は日本語版は手紙、英語版は少佐の発表、と違う形で書かれていますので、両方読んでみると面白いかもしれません。

Q:なぜ、戦うことを拒否した脱走兵をテーマにされたのですか?

監督:私は戦わないのが本当の勇気だと思っています。「戦争に行けと言われても行かない、殺せと言われても殺さない」のが本当の英雄だと。

人間が悪に直面したときに、どうするのか?がテーマです。皆が善だと思って平和を守っていると思い戦っている。でも視点が違えばどちらも善で、どちらも悪とも言えるのです。その時に自分がどうすれば悪にならないのか?とすべての人間が意識して頑張らないと、自分がいつのまにか悪になりうるんです。戦前の日本人も現代の日本人も同じ人たち。こんなに良心的な人々なのにです。星砂は小さいですが、小さな小さな星。光と希望が宿っている人間の比喩だと思っています。小さな一つ一つが考えて発信しなくてはいけません。

と、今だからこそ考えることをして欲しいとの監督の熱い言葉は響きます。特にイスラム圏に長かった記者は共感することしきりでした。

映画情報どっとこむ ralph Q:寺島しのぶさん、渡辺真起子さん、石橋蓮司さん、緑魔子さんらキャストが豪華ですが、話の中心になる2人に、なぜ若手をキャスティングしたのですか。

監督:織田梨沙さん、吉岡里帆さんですね。

織田さんは、イノセントな少女が脱走兵に出会う、という、中心となる役。顔とパーソナリティー、そして英語の発音が良い事で彼女でなくてはと直感しました。オーディションでも彼女のエモーションが伝わってきたんですね。日本の“若き日のエリザベス・テーラー”ですよ、彼女は。

吉岡さんは、(先に話題に出た)京都出身。演技ができるなと。彼女は、日本のオードリー・ヘプバーン。本当にそうなんです。細くて、かわいいけど、パワーがあるのです!綺麗なのに、それを殺して演じてくれるんですよ。彼女は完全に役を作ってくれたんです。

若手二人でイノセントな部分を出しつつも、まったく対照的な二人をキャスティング。これが監督の力か。さらに・・

監督:石橋蓮司さん、緑魔子さんは劇団第七病棟の芝居を見ていて絶対に出て欲しかったし、三浦さんもああいう役はあまりやらないので是非やってもらいたくてキャスティングしました。

と、厚みを加えるためのキャスティングも怠らなかったそう。

映画情報どっとこむ ralph Q:監督の演出方法は?

監督:演出家の能力は、役者を見て、本人が気が付かないポテンシャルを伸ばすことが出来ることだと思います。監督は、俳優が自由にできるように、安全地帯を作ってあげることが必要。演じるって怖い事なんです。彼らは一番苦しいところ、嫌なところにアクセスしないと、頭と心と内臓(腸)からのエモーショナルな演技ができない。だから、役を作る自由を与えることが重要だと思っています。実際、与えなくても監督が創ろうとする光と音のビジョンは、良い役者には伝わるんですよ。

と、いままでも多くの作品・役者に触れてきた監督は語ります。

もう少しお話を続けたいところでしたが時間切れ。

Q:見ていただきたいターゲット層は?

監督:すべての若者です。舞台は日本ですが、どこでも起こりうるお話ですから。

と、締められました。

熱いお話を聞かせていただいたロジャー・パルバース監督の

STAR SAND ─星砂物語─

は8月4日㈮から8月10日(木)東京・ユーロライブ、8月5日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティにて公開 ほか順次公開となります!

あらすじ・・・
1945年の沖縄。戦火から遠く離れた小島に渡り暮らし始めた16歳の少女・洋海(ひろみ)は、洞窟で日本軍とアメリカ軍からの脱走兵、隆康とボブに出会う。

隆康とボブ、そして彼らの世話を焼く洋海の間には、不思議な関係が築かれてゆく。

ある日、戦いで脚を負傷し、除隊を余儀なくされた隆康の兄・一(はじめ)が、養生のために洞窟にやって来るが、それは悲劇の幕開けだった。

2016年、東京。大学生の志保は、卒業論文のために教授から一冊の日記を手渡される。それは、戦時中に沖縄の小島で暮らしていた少女のものだった。志保は日記を読み、そこに封印されていた過去の出来事にわれ知らず迫ってゆく……。

公式サイト:
www.star-sand.com

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出演:織田梨沙 満島真之介 ブランドン・マクレランド
三浦貴大 / 吉岡里帆
寺島しのぶ / 渡辺真起子
石橋蓮司 緑魔子
ダンカン・ハミルトン近谷浩二 沼田康弘

監督・脚本:ロジャー・パルバース
原作:ロジャー・パルバース『星砂物語』講談社刊
主題曲:坂本龍一
エグゼクティブ・プロデューサー:前田紘孝、大川勝プロデューサー:小西順子、吉岡裕美
後援:オーストラリア大使館
製作:Hara Office / Soul Age
配給:The STAR SAND Team
2017年 / 日本=オーストラリア / 日本語・英語 / 110分 / カラー / アメリカンビスタ / 5.1ch
© 2017 The STAR SAND Team

  
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