過去の失敗から学ぶということ『ルック・オブ・サイレンス』パネルディスカッション


今を生きる私達は、この映画をいかに受け止め、そこから何を学ぶのか。


7月4日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開の

ルック・オブ・サイレンス

60年代インドネシアで密かに行われた100万人規模の大虐殺の加害者たちを描き、全世界に衝撃を与えたドキュメンタリー『アクト・オブ・キリング』の第二章、すでに来年度アカデミー賞有力と話題を呼ぶ映画『ルック・オブ・サイレンス』。

その日本公開を記念して、早稲田大学アジア太平洋研究センター主催により開催する特別試写会イベントに映画の主人公であり実際の被害者家族であるアディ・ルクンさんが参加されました。

ルック・オブ・サイレンス1
僕も10年以上、ODAでインドネシアを含むイスラム圏担当だったこともあり、大変興味があったので試写会から取材に。

103分のドキュメンタリー。約50年前の虐殺(当時は非国民を倒したヒーロー)の加害者に、被害者家族がインタビューするというもの。昔起こったことを検証することの大事さを秘めつつ、どこまで、それを問い続けるのか。日本の今にもつながる作品です。

この作品をインドネシア国内で3000か所で上映し、多くの若者がこれを観たとのこと。スハルト政権下の時から考えるととても考えられないことなんですよね。上映後に行われたパネルディスカッションはとても、力強いも。ラストの監督の言葉は深いです。

是非、監督がイスラエルがガザでしたことしていることを同じように描くことを望みます。

『ルック・オブ・サイレンス』特別試写会+パネルディスカッション
<今を生きる私達は、この映画をいかに受け止め、そこから何を学ぶのか>

日時: 6月3日(水)
会場: 早稲田大学小野記念講堂

登壇:ジョシュア・オッペンハイマー(『ルック・オブ・サイレンス』監督)
アディ・ルクン(『ルック・オブ・サイレンス』主人公)
倉沢愛子(慶応義塾大学名誉教授、9.30事件研究会会員)

学生パネラー:野間千晶、二重作和代

主催:早稲田大学アジア太平洋研究センター原口記念アジア研究基金インドネシア研究プロジェクト(9・30事件研究会)
共催:早稲田大学地域・地域間研究機構(ORIS)
協力:トランスフォーマー(『ルック・オブ・サイレンス』配給)

ルック・オブ・サイレンス
倉沢教授:将軍拉致・殺人事件から始まる9・30事件の内容はわかっていますが、背後にあるものはいまだに解っていません。政府は共産主義者が起こしたと断定。その後、主義者を裁判なく私処刑したわけです。100万から300万人とも言われています。その後、スハルト政権が開発独裁と言われる政権ですが、日本は経済を援助しインドネシアに進出するわけです。そう日本とは無関係ではない事件なんです。

教授:この2作を撮った理由とアディさんとの出会いを。

監督:2003年。この事件の生存者が沢山いらっしゃって。しかも、同じエリアで加害者に囲まれて暮らしていることに興味を持ちました。アディさんの殺されてしまったお兄さんは唯一殺されるところを目撃されていて、とても有名だったんですね。そしてご両親とアディさんにお会いしました。撮影後3週間ぐらいに軍から警告を受けました。そんな時、被害者側を撮れないなら加害者側を撮ってはどうかとアディさんから提案がありまして。それが前作『アクト・オブ・キリング』となります。加害者の皆さんはとてもオープンに自慢気に話していました。その時に2本作ることに決めました。それは過去を描くのではなく。今を描くやり方で。『ルック・オブ・サイレンス』は50年にわたって沈黙と不安の中で生きるということをアディさんのような家族に影響を与えるかと言うことです。

ルック・オブ・サイレンス_ジョシュア
教授:直接加害者に会われたわけですけど、恐怖などはありませんでしたか?

アディさん:実際怖かったですけど。口を閉ざすことを終わりにしたかったんですね。恨みを晴らすとかではなく、事件のことを話すことが目的だったんです。両親が経験したようなことが繰り返されないように会って話をしたわけです。

教授:この2作品の公開でインドネシアに影響・変化はありましたか?

ルック・オブ・サイレンスパネルディスカッション監督:それまではメディアも英雄視していた件を、虐殺を虐殺だといえるようになったきっかけになったと思います。そして、一般の方たちも。試写も最初は隠れてやっていたのですがメディアのおかげもあり、何千回も行うことが出来ました。裸の王様の子供のような、真実を語れるきっかけ的な作品になったと思います。

アディさん:以前は1965年のこの事件を語ることはタブーでした。映画が出来た後、家族の安全を守るために引っ越しはしましたけどね。

ルック・オブ・サイレンス_アディルクン
教授:学生にお二人の感想を

野間さん:心に残りました。特に学校で教育を受けているシーン。授業の視点ではわからないことも多いのだなと。今後深堀して学んでいこうと思いました。

二重作さん:非常にショックでした。高校の授業で触れた事件。再現ドラマではなく、本人の言葉なので。ショックです。そして、片側からの情報を信じてしまうのはどうかと感じました。


教授:最後にメッセージを。

監督:この作品を観ていただくときに、遠い国で起きている窓ではなく、自信を映す鏡だとみていただけると嬉しいですね。過去からは日とは逃げられません。ですから、過去の失敗から学び、平和的な形で立ち止まり180度振り返り。言い訳をせず、理解し、受け入れることが重要だと思います。世界のすべての方に伝えたいことです。

アディさん:今日は若い人たちがこんなに集まっていただき、感謝しています。どうか、自分の国の歴史をしっかりと学んで欲しいです。今日はありがとうございました。

ルック・オブ・サイレンス2 映画『ルック・オブ・サイレンス』 

7月4日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開!!

是非、映画館に足をお運びください。

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ルック・オブ・サイレンス海外踏襲版
ルック・オブ・サイレンス海外踏襲版
衝撃の大ヒット作『アクト・オブ・キリング』第二章。
世界の映画祭を席巻し、前作を上回るペースで現在30冠獲得!
1965年の軍事クーデター(9・30事件)をきっかけにおこった100万人規模の大虐殺で兄を殺害されたアディ。加害者たちが虐殺行為を誇らしげに語る映像を見て、自ら「兄を殺した加害者たちに直接会って、責任を問いたい」と監督に提案。恐怖の中で50年も強いられてきた沈黙を破ろうとするアディがそこで見たものは?

『アクト・オブ・キリング』の監督が再び問う-私たちの“悪の正体”。

そこから浮かび上がる“責任なき悪”のメカニズムとは?

<アディ・ルクン>
大虐殺で惨殺された兄の死後1968年に生まれ、加害者たちが今も権力を握る村で育つ。
本作完成後は支援者達に守られながら、国内の多くの上映会に参加し、観客は彼の勇気に
新しい「国家的英雄」が誕生したと讃えている。

2014年/デンマーク・インドネシア・ノルウェー・フィンランド・イギリス合作/インドネシア語/103分 
配給・トランスフォーマー 
宣伝協力:ムヴィオラ
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