『流浪の月』大ヒット御礼舞台挨拶広瀬すずと松坂桃李をダブル主演に迎えた李相日監督最新映画『流浪(ルビ:るろう)の月』が、大ヒット全国公開中です。 この度、大ヒット全国公開中の本作に出演する広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、そして李相日監督を迎えた大ヒット御礼舞挨拶が行われ、感謝を伝え合う感動的なイベントとなりました。 |
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広瀬すず、松坂桃李ら登壇この日の舞台挨拶の模様は、全国305館の映画館に生中継。 本作を手掛けた李監督は「全国たくさんの人に観ていただき、多くの人の心の深い場所に届いているのを日々実感できて嬉しく思っています」と手応えを口にする。広瀬も「いろんな方からご連絡いただいたり、会う人会う人に『いま観て来たよ』と言われるのが、私の中で過去一多いです。メールも長文で送ってくださったり、直接会って熱量をいただくけど『言葉で何て言っていいかわからない』という感想が多かったり、ここまで見てくれている人がいるんだなというのを身近でも感じられて、ありがたい毎日です」と周囲の反響の大きさに驚きつつ、感謝を口にする。 |
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質問タイム反対され出来なかったことは?この日は、事前に寄せられた感想に登壇陣が回答! 「はい!」と最初に手を上げた松坂は「僕は昔漫画家を目指していて、小学生の頃に学習帳に好きな漫画の模写とかをしてました。それを机の中に溜め込んでたんですが、なぜか姉に見つかって、それを見た姉の一言が『絶望的にヘタクソだね』で…。その時に漫画家になる夢は捨てました(苦笑)」と告白。ノートは「泣きながらゴミ箱に入れました」と哀しい思い出を明かす。 一方、横浜は、そうした経験は「なかった」と正直に述懐。「『人任せではなく、自分で発信して、やりたいと思ったことはやれ』と尊重してくれる家族だったので、自分でやるしかないと思って空手を選びました」と明かす。そんな横浜に松坂から「(もし選ぶのが)空手以外だったら?」と質問が。横浜は「マジで球技ができないので、サッカーとかバスケとかやってみたかったです。引かれるくらいできないんで…(苦笑)」と告白し、これには松坂も「意外!運動神経よさそうだから」と驚いていた。 広瀬は「『やれなかったこと』ではないんですが、末っ子なので、基本的に、全部おさがりだったんです。新品のものは全く買ってもらえなかったです。制服からリコーダーまでおさがりで、(リコーダーのおさがりは)さすがにイヤだったけど『お兄ちゃんじゃなく、お姉ちゃんのにするから』『3回消毒するから」と言われて納得した自分がいました(笑)」とふり返る。こうした経験からか「(新品で買った)洋服ひとつでもすごく嬉しかったし、大人になって自分で買えるようになった時の爆発力がすごかったです。止まんないですね(笑)」と“反動”を明かしていた。多部は「“ケーキの食べ放題”に小っちゃい頃に行きたかったけど行けなくて、大人になったら体型とか気にしちゃうので行けなくて、それは行きたかったですね…」と明かした。 思い出のセリフは?続いての質問は「言い回しや表現が難しかったセリフ。言われてグッときた、ズシンときたセリフは?」という質問。 李監督は、お芝居の中での俳優陣のアドリブについて尋ねられると「アドリブじゃないけど、延長で出てきたものでいうと、桃李くんが最後に警察に羽交い絞めにされた時、台本には『やめろ』とかって言葉がいくつかあったけど、『もうやめてくれ』という最後の一押しは桃李くんというか文から吐き出た言葉だったので、現場で見てて『すごいものが出てきたな』という驚きがありました。更紗が文のところに逃げ込んでから、文が更紗を撫でて、バーッと彼女が自分の気持ちを言うところも、使われているテイクは4回目か5回目なんです。最初のうちは、更紗が言い終わった後に文が手を添えるというのをやってたけど、何か届き切らないなという時に、僕と桃李くんだけで話をして、更紗のセリフが終わらない内にやってみたら、更紗のほうからボロボロセリフがこぼれてきました。そういう、“あふれでる”感じはいくつかありましたね」と明かした。 松坂はこれらのシーンを振り返り「撮影の順番が、順撮りに近い感じでやってくださったおかげで、実感みたいなものを積み重ねやすくて、それはすごく大きかったです。文の中で、経験している、過去にできない記憶、体験、真実みたいなものが地続きで続いているからこそ、似たシチュエーションのことが目の前で巻き起こった時に、自分の中からポッと出てくるものがありました」と語った。 |
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最後の挨拶多部は改めて本作に出演できたことへの喜びを口にし「私自身、この中では短いシーンでの登場でしたが、とても濃密な時間を過ごさせていただきました。監督、ありがとうございました。共演してくださったみなさん、広瀬さんも横浜さんもお会いできて嬉しかったです。桃李くん、いつも本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。 横浜は「僕も周りの方の連絡が多くて、感想を聞くとみんな全然違う感想が返ってくる。それが“答え”だと思います。この作品を観て、どう感じてどう受け取るか、みなさん次第だと思うし、その感性、受け取ったものを大事にしてほしいと強く思います」と呼びかける。 松坂も、横浜の言葉にうなずき「感想がメールやLINEで来るけど、全員長文なんです。どんな言葉を紡ごうと、言い表すことができないけど、伝わってくるものがあったんだなと。この作品、登場人物たちを通してちゃんと伝わるものがあったんだなと思うと、つくづくこの作品をやれてよかったと思うし、このチームでできたことが、僕の一番の宝物――そんな時間だったなと思います�。少しでもみなさんの心に触れること、寄り添うことができたら幸いです」と語りかけた。 広瀬は「私が更紗として、文からもらった言葉と『更紗は更紗だけのものだ』と言ってもらえた時のように、少しでもみなさんが感動されて帰っていくような、幸福感に満ちた時間を届けることができたらいいなと思っています」と言葉に力を込める。 そして、李監督は「なかなか言葉にできない感想が多いんですけど、我々も言葉にできないものを何とか作ろうとしていました。だからこそ、俳優の一挙手一投足、息づかいや目線、映像も言葉以上に雄弁で、音も繊細で音楽もダイナミックさがあって、わかりにくいけどこれは大事なものなんだというものを届けよう、形にしようとしていた作品だと思います。そういう意味で、映画館で体感し、味わう映画として、そういう要素に満ちている作品だと思います。みなさんの大事な一本になると嬉しく思います」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。 |
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『流浪の月』 実力と人気を兼ね備えた俳優・広瀬すずと松坂桃李の2人が紡ぐ物語は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる傑作小説が原作。10歳の時に、誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない さらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえき ふみ)を松坂が演じる。また、事件から15年経った現在の更紗の恋人・亮を横浜流星が、癒えない心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じ、加えて、趣里、三浦貴大、白鳥玉季(子役)、増田光桜(子役)、内田也哉子、柄本明らが共演に名を連ねている。 2人の限りなく稀有な関係性をスクリーンに描き出すのは、デビュー以来そのエモーショナルで骨太な作風で観客の心を鷲掴みにしてきた『フラガール』『悪人』『怒りなどの李相日(リ・サンイル)監督。また、『パラサイト 半地下の家族』『バーニング 劇場版』『哭声/コクソン』『母なる証明』など、韓国映画史に残る作品を次々手がけてきた撮影監督・ホン・ギョンピョ、『キル・ビル Vol.1』『ヘイトフル・エイト』『フラガール』『悪人』『三度目の殺人』など、世界を股にかけて活躍する美術・種田陽平ら、国境を越えた才能が集結した。 ストーリー 雨の夕方の公園で、びしょ濡れの10歳の家内更紗に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2か月を過ごすことになる。が、ほどなく文は更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後。“傷物にされた被害女児”とその“加害者”という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。しかし、更紗のそばには婚約者の亮がいた。一方、文のかたわらにもひとりの女性・谷が寄り添っていて… |
原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)
出演:
広瀬すず 松坂桃李
横浜流星 多部未華子 / 趣里 三浦貴大 白鳥玉季 増田光桜 内田也哉子 / 柄本明
監督・脚本:李相日
撮影監督:ホン・ギョンピョ
音楽:原摩利彦
製作総指揮:宇野康秀
製作エグゼクティブ:依田巽(巽の上は「巳巳」) 製作:森田篤 プロデューサー:朴木浩美 エグゼクティブプロデューサー:小竹里美 髙橋尚子 堀尾星矢 ラインプロデューサー:山本礼二 美術:種田陽平 北川深幸 照明:中村裕樹 録音:白取貢 音響効果:柴崎憲治 編集:今井剛 装飾:西尾共未 高畠一郎 キャスティングディレクター:元川益暢 衣裳デザイン:小川久美子 ヘアメイク:豊川京子 制作担当:多賀典彬 助監督:竹田正明 韓国コーディネーター:鄭信英 音楽プロデューサー:杉田寿宏 宣伝プロデューサー:依田苗子 新田晶子
製作幹事:UNO-FILMS(製作第一弾) 共同製作:ギャガ、UNITED PRODUCTIONS 配給:ギャガ
(C) 2022「流浪の月」製作委員会