直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした『ディア・ドクター』『夢売るふたり』『永い言い訳』の西川美和監督最新作『すばらしき世界』が 2021 年2月 11 日(木・祝)全国ロードショ ーとなります。 本作が、米アカデミー賞前哨戦となる「第45回トロント国際映画祭」正式出品作品に選出され、現地時間9/10、ワールドプレミア上映が行われた。 新型 コロナウイルス感染拡大影響により世界中の映画祭が規模縮小を余儀なくされ、トロント国際映画祭に於いては例年の 1/4 程度に絞 られる中での非常に狭 き門を見事突破し、正式出品作品 として選出 された本作。上映作品は、コロナ禍の試みとして、ソーシャルディスタンスを守 った劇場 、ドライブインシアター、野 外やインターネット上 で披露され、レッドカーペットや記者会見はバーチャルで行われている。現地時間の 9月10日、ワールドプレミアが行われ、主演の役所広司、西川美和監督が日本からリモート参加。 |
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プログラミングディレクターのジョバンナ・フルピ氏は、本作を「脚本が非常によく練 られストーリーが感動的 。見事に質感がありリアルに感 じられる。(主人公 ・三上を演 じた)役所は、役の解釈がとても素晴 らしくニュアンスと個性が豊かでカリスマ性を感 じる」と絶賛。
Q.今までの西川監督の長編作品はオリジナルストーリーで、文学賞 も受賞 してこられました。『すばらしき世界 』は別の方が書いた小説 を原案 とした初めての作品 となります。社会になじもうとする元ヤクザを描いたこのストーリーのどんなところに惹 きつけられましたか?また、佐木 さんの原作「身分帳」にはどのくらい忠実に翻案 されましたでしょうか。 (西川監督 )前作 『永い言い訳 』の撮影中に佐木 隆三さんが亡 くなられたと新聞 を見 て知 りました。その記事の中で、佐木 さんをよく知 る作家の方が、佐木 さんの真骨頂は非常に有名な「復讐するは我にあり」よりも「身分帳 」ではないか、と書かれていたんです。それがきっかけでこの原作を手に取りました。そこで描かれていたのは、犯罪者が刑務所を出た後になんでもない日常を取 り戻すために、こつこつと生 きる地味な話だった(笑 )。これは、自分で探 しても見つけられるテーマではないと思い、映画化 してみたいと強 く思いました。たくさんのエピソードが詰め込まれている小説を2時間の映画にどう集約するかということが、オリジナルで映画を作ってきた私にとっては、とても手こずった部分でしたが、2、3年かけて取捨選択して書き上げました。 Q. 役所広司さんの演技は息をのむほどで、この役にぴったりでしたが、三上役にはどのようにキャスティングされたのでしょうか。脚本の段階ですでに役所 さんが頭にありましたか? (西川監督 )17歳の時に、役所さんが連続殺人鬼の役をやられたテレビドラマを観ていたくショックを受け、それがきっかけでものを書く仕事につきたいと思うようになりました。映画監督 をやることになり、いつか役所さんを主役に映画を撮れないかと考えてきました。本作の三上という男は非常に面白い役なので、憧れの役所さんに一念発起してオファーをしたところ、「前向きに考えます」とお返事をいただき、それが自信 となって脚本を書き進めることができました。 Q.役所さん、三上の役の解釈がとても素晴らしかったです。ニュアンスと個性が豊かで、感動的かつカリスマ的でした。この役にはどのような準備をされましたか? (役所 )原案 である小説 「身分帳 」と西川監督が書いた脚本 を比べて読みながら、小説はもちろんト書きが多いのでその部分は脚本と照 らし合わせて、三上 という男 を探 し求めていました。しかしこの男がなかなか掴めなかった。撮影が始 まってから、ワンシーン撮 ったものがまた次のシーンのヒントになり、少 しずつ三上 という男に近づいていく感 じがありました。あとは、ミシンの練習 を一生懸命やりました(笑 )。また監督 と一緒に旭川刑務所を見学できたことは非常によい経験になりました。 |
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トロント国際映画祭でいち早 く本作を鑑賞 したメディアからは下記称賛の声が多数挙がっています。
「師である是枝裕和を継ぎ、『すばらしき世界 』で西川美和が脚光を浴びる時が来た。」 |
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あわせて特報が解禁。 『すばらしき世界』 <ストーリー> |
役所広司
仲野太賀 六角精児 北村有起哉 白竜 キムラ緑子
長澤まさみ 安田成美 / 梶芽衣子 橋爪功
脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画
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