映画情報どっとこむ ralph この度、7/17(金)公開の新作映画『パブリック 図書館の奇跡』と映像プロジェクト「Choose Life Project]」が、共同企画のイベントをライブ配信しました。
映画『パブリック 図書館の奇跡』は、アメリカのシンシナティで、記録的な大寒波の到来によって命の危険を感じたホームレスの集団が図書館のワンフロアを占拠。その突如として勃発した大騒動に巻き込まれたひとりの図書館員の奮闘を軸に、予測不可能にして笑いと涙たっぷりのストーリーが展開する、いくつもの社会的な問題提起をはらみながらも、温かな人間味に満ちあふれた感動作です。

都知事選が7/5(日)に迫る今、これまでネット上で映像を通じて、選挙へ行こうなどの呼びかけや、政治に関心のない若者たちにニュースに関心を持ってもらえるようなきっかけづくりなどを行なってきた「Choose Life Project」と共同で、本作の問いかけから考える、日本の「公共」や「声をあげる意味」について、ゲストをお迎えしてともに考える配信イベントが行われました。

映画「パブリック 図書館の奇跡」から考える、いま日本の公共に求められること #声をあげるべきは今
日時:6/28(日)20:00〜21:50頃 ライブ配信実施
司会:安田菜津紀(フォトジャーナリスト) 
参加者:稲葉剛(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事)
上西充子(法政大学 キャリアデザイン学部教授)
西谷修(哲学者、東京外国語大学 名誉教授)

映画情報どっとこむ ralph ▼路上生活をの方々などの支援活動を行う稲葉剛さんからは、現場での実感と映画のつながりについてお話が。
「実際に路上生活をされている方々から、コロナ禍で図書館が閉まってしまい困っているという声を聞いている。
また、最近、お金を払わずにいてもいい場所というところがなくなってきている。図書館は最後に残された聖域のような場所。「お金がないと居てはいけない」という都市になっていることの裏返しになっている。」

さらに、台風19号襲来時に台東区の避難所で、ホームレスの被災者が受け入れ拒否された出来事について。先日、都庁の真下で伝統的に十数年行われていた炊き出しが、大雨の中で突然立ち退きを求められたこと。コロナ禍で住まいを失う方々が急増したが、緊急で用意された宿泊施設は劣悪な環境だったりと不十分であること、などに触れた。

「映画の中の大寒波がコロナのメタファーのように見える。私もコロナが頭から離れない。緊急支援に連日対応している。そういう時期だからこそ、どうやって私たちが”公共”、”私たち”という意識を取り戻すことができるのか、考えるきっかけにになってほしい」と語った。

▼新宿西口など街頭で〈国会パブリックビューイング〉を開催する上西充子さんは、タイトルにもなっている〈パブリック〉という言葉について考察する。
「公共の場所ってなんだろう?国や県が作るのではなくて、人々が主体のはず。「管理された空間」という風に思ってしまっていると、「許可を得ているんですか?」という質問が出る。考えてみれば、NHKも公共放送のはずが国営放送になっている。」

さらに、「声をあげようとすると、自分勝手だとつぶそうとする人がいる。自分たちは我慢しているのに、と。しかし、本来は我慢しなくてもいいはずで、日頃から言いたいことを言える社会だったら、そういう抑圧も軽くなる。もっとものを言いやすくなる」と語った。

司会の安田さんは、「管理された空間に慣れてしまうと、考える、議論することをやめてしますね。『そのルールって人の命を奪うよりも大事ですか?』と思います。そのルール自体が間違っていることもあるかもしれない、そこから考える必要がありますね」とコメントした。

▼思想史を専門とする西谷修さんは、〈パブリック〉という概念について、日本特有の理解についても指摘。
「西洋で起こった〈パブリック〉というものを日本に導入したときに、「公」と訳した。漢字のつくりで言えば、廟の中に人がいる=聖域でお参りする、つまり朝廷を指す意味合いが強い。「お上」みたいな。その時点から、本来の意味とは乖離が生まれていた。」
「”私の自由があり、私の所有があり、そして社会はない。持たないあなたが悪い”。それは封建社会と同じ。人間と社会の関係、人間と人間の関係が封建社会と同じになっている。だから公共というとお上のことでしょ、となる」

▼〈自己責任論〉については、上西さんも次のように語る。
「サッチャーの言った「社会は存在しない、あるのは国家と家族だけだ」という有名な言葉がまさに今の社会を形成している。もとは公共領域だったものを私的領域として解放されてしまったのに、持たざる人々に対し「あなたのせいでしょ」「自分のせい」と個人の責任に矮小化しているのは問題。集まって声をあげていく必要がある。」

▼劇中でもフォーカスされる「Make Some Noise」という言葉、そして「メディアのあり方」についても語られた。
「ホームレスの人たちが発した“Noise”を、メディア自身がかすめ取って、私的な利益にしてしまっている。メディアとは、元々『つなぐもの』という意味。メディアに何を載せるか?個人の「この俺が、寒くていられないんだ!」というフィジカルなことでいいし、そうあるべき。」(西谷さん)

「NHKが、Black Lives Matterを黒人の暴動のように伝えてしまったということがあった。誰かが発した“Noise”がうまく伝わらなかったときは、別のメディアが伝え直す。多様なメディアの役割がそこにある。この映画自体も、文化でありメディアですね。」(上西さん)

それぞれの分野の識者が、日本における〈パブリック〉の問題や〈声をあげること〉の意味について語った約2時間は、とてもタイムリーかつ濃いトークが次から次へと展開され、映画を観る前にはもちろん、映画を観てからも改めて見直したい熱い内容となった。
SNSでも「#声をあげるべきは今」のハッシュタグとともに、「公共とは何か、いろいろ考えさせられた。」「今ならまだ選べる立場の私達がしなければならないこと。調べる、確かめる、選挙に行く。」「おもしろかったです。公開が待ち遠しい」といった反響が寄せられた。

動画はYoutubeで後日アーカイブとして公開される予定なので、7/17公開の映画本編とあわせ、ぜひ!

映画情報どっとこむ ralph 『パブリック 図書館の奇跡』

7/17(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
longride.jp/public

#パブリック図書館の奇跡
 

物語・・・
米オハイオ州シンシナティの公共図書館で、実直な図書館員スチュアート・グッドソン (エミリオ・エステベス)が常連の利用者であるホームレスから思わぬことを告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。大寒波の影響により路上で凍死者が続出しているのに、市の緊急シェルターが満杯で、行き場がないというのがその理由だった。約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、3階に立てこもった彼らと行動を共にし、出入り口を封鎖する。それは“代わりの避難場所”を求める平和的なデモだったが、政治的なイメージアップをもくろむ検察官の偏った主張やメディアのセンセーショナルな報道によって、スチュアートは心に問題を抱えた“アブない容疑者”に仕立てられてしまう。やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートとホームレスたちが決断した驚愕の行動とは……。

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製作・監督・脚本・主演:エミリオ・エステベス(『ボビー』『星の旅人たち』)
出演:アレック・ボールドウィン(『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)、テイラー・シリング(「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」)、クリスチャン・スレイター(『トゥルー・ロマンス』「Mr.Robot/ミスター・ロボット」)、ジェフリー・ライト(『007 カジノ・ロワイヤル』)、ジェナ・マローン(『ネオン・デーモン』)、マイケル・ケネス・ウィリアムズ(『それでも夜は明ける』)、チェ・“ライムフェスト”・スミス

2018年/アメリカ/英語/119分/スコープ/5.1ch/原題:The Public/日本語字幕:髙内朝子
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド     
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