0317_映画『WAVES/ウェイブス』トークイベント

映画情報どっとこむ ralph A24が放つ最新作『WAVES/ウェイブス』が4月10日より全国公開となります。

本作はトロント国際映画祭で史上最長のスタンディングオベーションを巻き起こし、「一生に一度の傑作」「今年、最もまばゆい体験」と世界中が大熱狂。主役とも呼べるのは、今の音楽シーンをリードする豪華アーティスト達が手掛ける31の名曲。トレイ・エドワード・シュルツ監督が事前に本編に使用する楽曲のプレイリストを作成し、そこから脚本を着想し製作されました。監督自身が“ある意味でミュージカルのような作品”と語るように、全ての曲が登場人物の個性や感情に寄り添うように使用され、時には音楽がセリフの代わりに登場人物の心の声を伝える。ミュージカルを超えた<プレイリスト・ムービー>の誕生です!

この度、日本最速試写会にて、文筆家の長谷川町蔵さんをゲストに迎えトークイベントを行われ、「映像・音楽・物語が一つになって魅了する新しい映画体験!」と大絶賛しました。
0317_映画『WAVES/ウェイブス』トークイベント

映画『WAVES/ウェイブス』日本最速試写会トークイベント
日程:3月17日(火)
場所:スペースFS汐留
登壇:長谷川町蔵(文筆家)、聞き手:立田敦子(映画ライター)

映画情報どっとこむ ralph 登壇した長谷川さんにまず映画の感想を伺うと、「大画面で、大音量で観てこそ効果のある映画。もはやライブに行っているかのような感覚。これは体験する映画だと思います」と興奮気味に語ります。
本作の舞台はフロリダ。『ムーンライト』など、近年フロリダを舞台にした映画が多く、「一種のフロリダブームが起きているのでは?」と立田さんが長谷川さんに尋ねると、「原色の映像がきれいで、それでいて透明感もある作品が多いですよね。日本に住む我々がフロリダという地に思い描くのはディズニーワールドだったりするけれど、どこか悲しさもあるような明るさというのは、そこに住んでいる人にしか分からないものですよね」と一言。

監督のトレイ・エドワード・シュルツは『イット・カムズ・アット・ナイト』で注目された監督ですが、以前はテレンス・マリックの元で制作スタッフとして携わっていたという過去の持ち主。「特に印象的だったのは車の中でグルっと360度回るカメラワーク。狭い車の中でどうやって撮ったのか。すごくトリッキーな、でも美しいシーンだと思うのですが、実は昔、 『トゥ・ザ・ワンダー』や『ツリー・オブ・ライフ』といったテレンス・マリック作品の撮影監督を務めたエマニュエル・ルベツキが『トゥモロー・ワールド』という作品でやった手法なんですよ。ああいったテクニック的なところも、先輩たちのやっていたことをうまく吸収してアップデートしているなと思いますね。」と長谷川さんは若い才能に一目置かれている様子。

次に立田さんから使用楽曲について、「この作品は<プレイリスト・ムービー>と呼ばれていて、まるでセリフのように登場人物の感情を歌詞や音楽が表現するように使われています。最近だと『ベイビー・ドライバー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』など音楽が物語を際立たせる映画がありましたね。これらの作品と『WAVES/ウェイブス』の音楽の使い方の違いは?」と聞くと、「一番の違いは、選曲からイマジネーションで脚本を書くくらい音楽先行で考えているということ。音、画、ストーリーという発想の順番から生じる一体感がある。3つが渾然一体となっている印象を受けました。もう一つの特徴は、まさに今の音楽を果敢に使っているということ。リリースから何年か経つと曲を古く感じてしまう節はどうしてもある。だからこそみんな昔に聴いて今でもかっこいい・新鮮と感じるものを選択しがちです。でもこの作品は、今フェスでやってもライブセットでかかっている曲が半分以上を占めている。かなり挑戦的ですよね」と大絶賛。

また、使用楽曲の中には2度使用されるものもあり、この件について長谷川さんは「アニマル・コレクティヴは前半の兄パート、後半の妹パートでそれぞれ流れます。ストーリー的には一見両者は対照的に見えますが、実は裏表一体なのではないかと考えています。この映画は前半・後半で観る映画ではなく、本当は、まさに波のように一体となって循環していくというようなことを、監督は同じ曲を2度使うことによって描きたかったのかな」と話します。

立田さんは、「仰る通りこの作品は一つのループのようになっていると感じました」と作品の持つ一貫性に共感しながら、「危うさというのは青春の最も美しい部分であると思うのですが、その一瞬の危うさを捉えているのが「波」に象徴される、揺れ動く感じなのかなと思いました」と話します。その上で「水」のシーンが持つ意味について長谷川さんに尋ねると「キリスト教における洗礼のように、一種清めるというか、再生・生まれ変わるという意味を持っているのではないでしょうか」と答えました。
 また、この作品の持つ「今っぽさ」について話が及ぶと、「やはり選曲の感覚。ジャンル、時代も飛び越える。理屈で考えず感覚で選曲している部分がこの監督、この作品の新しさだと感じます」と音楽についての監督のこだわりをさらに強調。

 兄のパートから妹のパートに移り変わっていく2部構成について聞かれると、長谷川さんは「妹エミリーが主役になった冒頭は、彼女の気持ちは落ち込んでいて、画面は狭く、空も曇っている。だけど、またどんどんワイドスクリーンになって陽が輝いていく。彼女自身も恋をして綺麗になっていく。そういったところをうまく相乗効果で使うことで、最後「良かったなあ」という気持ちで見終えることができますね」と話します。立田さんが「そういった意味でもループ映画ですよね。最初は開かれたところから始まって、どんどん萎んでいって、そしてまた最後に明るく煌めきで終わっていくという」と返すと、「また彼女の人生に辛いことがあるかもしれない。「でも大丈夫だよ」とそっと語りかけてくるような、そういった監督の温かい想いが込められていましたね」と希望に満ちたラストシーンについて笑顔で話しました。

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『WAVES/ウェイブス』

4月10日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

<あらすじ>
傷ついた今日も、癒えない痛みも、愛の波が洗い流すー
高校生タイラーは、成績優秀なレスリング部のエリート選手、美しい恋人アレクシスもいる。厳格な父親ロナルドとの間に距離を感じながらも、恵まれた家庭に育ち、何不自由のない生活を送っていた。そんなある日、不運にも肩の負傷が発覚し、医師から選手生命の危機を告げられる。そして追い打ちをかけるかのように、恋人の妊娠が判明。徐々に狂い始めた人生の歯車に翻弄され、自分を見失っていく。そしてある夜、タイラーと家族の運命を変える決定的な悲劇が起こる。
一年後、心を閉ざして過ごす妹エミリーの前に、すべての事情を知りつつ好意を寄せるルークが現れる。ルークの不器用な優しさに触れ、次第に心を開くエミリー。
やがて二人は恋に落ちるが、ルークも同じように心に大きな傷を抱えていた。そして二人はお互いの未来のためにある行動に出る・・・
WAVES/ウェイブス

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監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ(『イット・カムズ・アット・ナイト』)
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミー
作曲:トレント・レズナー&アッティカス・ロス (『ソーシャル・ネットワーク』、『ゴーン・ガール』)
原題:WAVES /2019年/アメリカ/英語/ビスタサイズ/135分/PG12
https://www.phantom-film.com/waves-movie/ ©2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
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