「村上春樹ファン必見!絶対好きな映画『読まれなかった小説』」6次元店主ナカムラクニオトークイベント


映画情報どっとこむ ralph 第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督最新作『読まれなかった小説』が、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか絶賛上映中です!

本作の公開を記念して11/30(土)にトークイベントを行いました。

膨大な台詞と豊かな映像により描き出される「父と息子の軋轢と邂逅」シナンの夢は作家になること。大学を卒業し、トロイ遺跡近くの故郷へ戻り、処女小説を出版しようと奔走するが、誰にも相手にされない。シナンの父イドリスは引退間際の教師。競馬好きな父とシナンは相容れない。気が進まぬままに教員試験を受けるシナン。父と同じ教師になって、この小さな町で平凡に生きるなんて……。父子の気持ちは交わらぬように見えた。しかし、ふたりを繋いだのは意外にも誰も読まなかったシナンの書いた小説だった――。

映画情報どっとこむ ralph ★“ハルキストの聖地”6次元店主・ナカムラクニオさんお墨付き!
『読まれなかった小説』は「村上春樹ファンが喜ぶ映画」!
「村上さんのほぼすべての作品に“枯れ井戸”が出てきます。また、村上さんはドストエフスキー的な総合小説が書きたい人。『カラマーゾフの兄弟』を中心にドストエフスキーを主題にした作品が多い。日本の作家で最もチェーホフとドストエフスキーに影響を受けた人と言っても過言ではないでしょう」と村上春樹作品の主題を解説した上で、「この『読まれなかった小説』も枯れ井戸が重要なモチーフになっています。観ていて、監督はロシア文学が好きなんだろうな、と思いました。ドストエフスキー的なシーンが多く、“言葉を伝えたい”という思いが見えます。共通点が多いので、村上春樹さん作品のファンはきっとこの映画好きだと思います」と「村上ファンにはたまらない映画!」という文学ファンが観ずにはいられなくなる言葉が!

★文学と呼ばれていなかったものを文学として読むのが面白い!
「文学的なオマージュが散りばめられた映画」
「この映画にはいくつもの文学的なオマージュが散りばめられていますね。蟻が重要なモチーフですが、ルイス・ブニュエルとサルバトール・ダリの『アンダルシアの犬』とG・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を思い出しました。1つのシーンでもいくつものオマージュが入っているんです」と本作で描かれている文学的なオマージュを指摘。「トロイの木馬が出てきますが、この映画にも神話的モチーフもあります。『オイディプス王』や『スターウォーズ』でも引用されていますが、“父親は対決できないもの”として描かれる。“父親を乗り越えられるのか?”は非常に文学的な主題です」と主題についても言及する。さらに「原題にもあり、劇中登場する梨は古代から人間を暗示する果物です。それが最後に集約される。また、井戸、りんご、羊など宗教的なモチーフもいくつか登場する。それを読み解くのもおもしろいですね」と映画鑑賞のポイントも教えてくれた。


★実はトルコ通なナカムラさんならではの視点も!
トルコには学生時代から何度も行っているというナカムラさん。かつてTVディレクターだった時代、初めての海外ロケもトルコだったそう。「トルコは位置的にフランスの影響も強く、吟遊詩人がいたりもする。オルハン・パムクもいて、文学的な素養が高いんです」とトルコの文学傾向を分析。「イスタンブールはヨーロッパぽくって、映画で出てくるテーブルを置いて話ができるような書店も増えてきました。神保町のような古書店街もあるんです。ヨーロッパとアジアの良さが同居しているのがトルコの面白いところですが、映画でもどちらも描かれていました。キリスト教的とイスラムの両文化が観られる。どこの国でもない映画と感じましたね」とトルコの位置からくる、東西文化が融合した本作の魅力についても解説してくださいました。


本作に隠された、いくつもの文学モチーフについて、トルコならではの地の利から生まれた「どこの国でもない映画」感覚、そしてドストエフスキー愛が共通する「村上春樹ファン必見映画」として、のお話など、興味も尽きないトークイベントでした。

映画情報どっとこむ ralph 『読まれなかった小説』

英題:The Wild Pear Tree
原題:Ahlat Ağaci

読まれなかった小説
【STORY】
すべての気持ちを原稿にしたためたーー
シナンの夢は作家になること。大学を卒業し、トロイ遺跡近くの故郷へ戻り、処女小説を出版しようと奔走するが、誰にも相手にされない。シナンの父イドリスは引退間際の教師。競馬好きな父とシナンは相容れない。気が進まぬままに教員試験を受けるシナン。父と同じ教師になって、この小さな町で平凡に生きるなんて……。父子の気持ちは交わらぬように見えた。しかし、ふたりを繋いだのは意外にも誰も読まなかったシナンの書いた小説だった――。
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監督・編集:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン(『雪の轍』)
撮影監督:ギョクハン・ティリヤキ
脚本:アキン・アクス、エブル・ジェイラン、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
音楽:ミルザ・タヒロヴィッチ
挿入曲:J.S.バッハ「パッサカリア ハ短調BWV582」(編曲:レオポルド・ストコフスキー)
出演:アイドゥン・ドウ・デミルコル、ムラト・ジェムジル、ベンヌ・ユルドゥルムラー、ハザール・エルグチュルほか
2018/トルコ=フランス=ドイツ=ブルガリア=マケドニア=ボスニア=スウェーデン=カタール/189分/配給:ビターズ・エンド
© 2018 Zeyno Film, Memento Films Production, RFF International, 2006 Production, Detail Film,Sisters and Brother Mitevski, FilmiVast, Chimney, NBC Film
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