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極めて邪悪 衝撃的に凶悪で卑劣 ![]() この度、映画評論家・特殊翻訳家であり「シリアルキラー展」にも寄稿されている柳下毅一郎さんと、「別冊映画秘宝」編集長である田野辺尚人さんをゲストに迎えトークショーを行いました。 ![]() 映画『テッド・バンディ』日本最速試写会特別トークイベント 日程:11月18日(月) 場所:ユーロライブ(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F) 登壇: 柳下毅一郎(映画評論家・特殊翻訳家) 田野辺尚人(「別冊映画秘宝」編集長) |
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「マーダー・ウォッチャー」という殺人を研究する日本で初めてのシリーズを立ち上げたが、3号目で5、6か所から有害図書として摘発され、4号目が出せなくなったという過去を持つお2人。この雑誌が現存していたら真っ先にこの映画『テッド・バンディ』を特集するだろうと笑いながらトークショーがスタート。本作は、バンディの恋人の視点から物語が進むので、殺人現場の詳細は出てこない。このことに対して、「テッド・バンディは犯行が巧妙だったので、特にフロリダなど初期の現場では物証が何もない。見つかっていない死体がいくつもある」と柳下さんは話します。「映画を観ていると本当にバンディが犯人なのか分からなくなるけれど、当時はあやふやな目撃情報しか無かった。だからこそ真顔で「自分はやっていない」と言われると「あ、そうなのかな?」と思ってしまう。この映画も殺人現場を見せないという部分で、観客に彼は冤罪なのではないか?という印象を持たせるような作りにしている」と、映画で受けるバンディの印象と、当時世間が彼に抱いていた印象に共通する部分があると分析しました。続けて「バンディが何をしたかは本人に聞くしかない。目撃者は全員彼に殺されているわけですから。それでも本人は「自分はやっていない」と言うわけだから、こういうところがバンディの事件の面白いところだと思う」と柳下さんが話すと、田野辺さんは映画の原作に関して言及。「この映画の原作は、バンディの恋人だったエリザベス・クレプファーの自伝。恋人側から普段のバンディの姿を描いているのがすごく面白いところ」と本作の魅力について話しました。![]() また、バンディの持っていた人としての魅力に関しては、「裁判官に判決を言い渡された後、裁判官に「身体に気を付けて」と言われるシーンが本編にもあるけれど、あれは本当にあった話。死刑判決を下した後でさえも、こんなセリフを人に言わせてしまう、謎の魅力があった」と柳下さんは語ります。 本作の監督、ジョー・バリンジャーについては、「映画秘宝」はかなり前から注目していたそう。「「パラダイス・ロスト」では状況証拠だけで犯人に仕立て上げられてしまった青年3人組が、死刑判決までいったところにバリンジャー監督は斬り込んでいった。この青年たちが冤罪では無いかと思う人が増えて、ピーター・ジャクソン監督なども参加した釈放運動が盛り上がったのはバリンジャー監督のおかげといっても良いですよね」とお2人ともその影響力の大きさを語りました。 最後に、テッド・バンディが何故こんなにも残虐な殺人鬼として有名になったのかという話になると、柳下さんは「この頃はまだFBIが連続殺人の捜査をあまりしていなかったので、州を跨いだ事件という共通のデータベースがなかった。連携が全くないままだったし、当然ながらDNA鑑定も存在しなかった。70年代という時期だからこそ、こういう犯人が生まれてしまったと言える」と、人生を狂い咲いた殺人鬼について語りました。 |
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映画『テッド・バンディ』 12月20日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー ![]() |
原作:エリザベス・クレプファー
『The Phantom Prince: My Life With Ted Bundy』
脚本:マイケル・ワーウィー
監督 ジョー・バリンジャー
出演:ザック・エフロン リリー・コリンズ カヤ・スコデラーリオ ジェフリー・ドノヴァン アンジェラ・サラフィアン ディラン・ベイカー ブライアン・ジェラティ
ジム・パーソンズ/ジョン・マルコヴィッチ
原題:Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile
提供:ファントム・フィルム ポニーキャニオン
配給:ファントム・フィルム R15+
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