海外でブラック・コメディと称された「ウィーアーリトルゾンビーズ」の長久充監督が『活弁シネマ倶楽部』で語る“映像論”とは


映画情報どっとこむ ralph “映画を語る”WEB番組「活弁シネマ倶楽部」の最新作が配信中。

『WE ARE LITTLE ZOMBIES』の監督・長久允(ながひさ・まこと)と映画ジャーナリストの森直人(もり・なおと)が出演。海外で“ブラック・コメディ”と称賛された本作について「みんながどうやったら幸せに感じられるのか」を考えたと明かした。
『WE ARE LITTLE ZOMBIES』は、第35回サンダンス映画祭ワールドシネマドラマティックコンペティション部門の審査員特別賞・オリジナリティ賞を獲得。海外で大きな話題を呼び、満を持しての本邦公開となった。物語は、ある日突然両親を失い、悲しいはずなのに泣けない13歳の男女4人が、ゴミ捨て場の片隅に集まってバンドを結成し社会現象を起こしていくというもの。本日配信された『活弁シネマ倶楽部』では、長久監督が10年振りの再会という映画評論家の森氏との対談で、話題作を生み出した監督としての手腕や自身の“映像”にかける想いが明かされた。


長久監督が10年前に製作し、オムニバスの短編の1つとして発表した自主制作映画『ゼロ年代全景』から長久監督を知る森氏は、本作長久監督について「(物語の)スタートラインが絶望から始まるストーリーテラーですよね」と暗い印象からストーリーが始まる印象を伝えると「ハッピーエンドになる話を描きなさいと学校で教わるんですけど、“うるせえ”と思って(笑) 0が100になる幸福よりも、-100が-99になるものとか。その+1の幸福とかをキチンと描きたいなという想いが昔からあった。かつ、-100もそれは客観評価であって、当人からしたらそれはフラットで0なんじゃないかって想いが強くあって、客観的に見て絶望的な状態っていうものを描きたいっていう想いはやっぱりある。」と長久監督。
続けて森氏は、長久監督の前作『そうして私たちはプールに金魚を、』を例に挙げて「実はすごくまっとうなところを目指されている、すごいヒューマンな感じがします」と映画作りの核心に迫ると「子供を育てたりして、優しい視点というか、全ての人間に良い悪いも無くて、みんながどうなったら幸せに感じられるのか、そのための映画を純粋に作りたいという思いがある」とコメント。更には、大手広告会社の電通の会社員としても働いている長久監督は「学生時代のカーストが下にあったり、カーストから外れたところにあった。キラキラしたものに本能的な拒否感があるのかもしれない。普段日の当たらない、悩んだり辛いことを思っている人のために映像はあるべきだって思ってて、CMを作っているときもそうあるべきだと思っていた。」と飾らぬ言葉で自身の作風について語った。
トークテーマは長久允作品で巧みに使用される“ナレーション”についても語られた。ナレーションが多用されていることについて長久監督は「言葉が好きというのはありつつ、感情なんてものは、はっきり言ってしまってもいいんじゃないかと思っているので、その上で、そういう言葉が楽しければ、エンターテインメントとして成立する」と話し、森氏も「説明するためだけのものではまったくない。例えば、(フランソワ・)トリュフォーが恋のエチュードで原作の文学的な文章をそのまま映像に重ねたりする、音楽的な快楽もある、同時に本作でいうとエモーション(感情)というキーワードがあるがすごくエモーションを伝えるものになっている。」と表現。
長久監督もこれを肯定して「説明するだけの言葉は意味ない。映画見てて、一秒も無駄な時間を味わいたくないという思いがある。トリュフォーだったり、ゴダールだったりの言葉の使い方はすごい好きで、かつ言葉を音として、こちらに投げかけていくっていうような編集をしていくのが効果的だと彼らの映画をみていて感じていた。」と自らの“映像論”のルーツを明らかにした。
映画情報どっとこむ ralph 「活弁シネマ倶楽部」



公式ツイッター:
@katsuben_cinema

脚本・監督:長久允 プロフィール
1984年8月2日生まれ、東京都出身。大手広告代理店にてCMプランナーとして働く傍ら、映画、MVなどを監督。そして2017年、脚本・監督を務めた短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』が第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門にて日本人史上初めてグランプリを受賞した。今作が長編映画デビュー作となる。

映画情報どっとこむ ralph 『ウィーアーリトルゾンビーズ』

https://littlezombies.jp/


あらすじ
これは、こころを取り戻そうとする冒険の記録。
両親が死んだ。悲しいはずなのに泣けなかった、4人の13歳。
彼らはとびきりのバンドを組むと決めた。こころを取り戻すために—

出会いは偶然だった。よく晴れたある日、火葬場で出会った4人。ヒカリ、イシ、タケムラ、イクコ。
みんな、両親を亡くしたばかりだった。
ヒカリの両親はバス事故で事故死、イシの親はガス爆発で焼死、タケムラの親は借金苦で自殺、イクコの親は変質者に殺された。
なのにこれっぽっちも泣けなかった。まるで感情がないゾンビみたいに。

「つーか私たちゾンビだし、何やったっていいんだよね」
夢も未来も歩く気力もなくなった小さなゾンビたちはゴミ捨て場の片隅に集まって、バンドを結成する。
その名も、“LITTLE ZOMBIES”。
やがて社会現象になったバンドは、予想もしない運命に翻弄されていく。

嵐のような日々を超えて、旅のエンディングで4人が見つけたものとは―


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出演者
二宮慶多 水野哲志 奥村門土 中島セナ
佐々木蔵之介 工藤夕貴 池松壮亮 初音映莉子 村上淳 西田尚美 佐野史郎 菊地凛子 永瀬正敏

スタッフ
脚本・監督:長久允
撮影:武田浩明
照明:前島祐樹
サウンドデザイン:沖田純之介
美術:栗林由紀子
装飾:渡辺誉慶
衣裳:下山さつき
ヘアメイク:光野ひとみ
助監督:平井淳史
キャスティング:田端利江
スクリプター:大西暁子
演出補:長田亮
制作担当:宮森隆介
編集:稲本真帆
カラリスト:根本恒
アートディレクション/ロゴデザイン:間野麗





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