映画情報どっとこむ ralph 3月30日(土)13:00から放送となった“映画を語る”番組「活弁シネマ倶楽部」は、中国映画産業特集の後編。

前編(中国の興行収入は日本と1桁違い!)はこちら

本番組は、毎回映画に携わるゲストを招き、制作の裏側や作り手のこだわりについてほぼノーカットでトークすることで、“映画を語る”楽しさを提供し、映画業界を新たな側面から盛り上げていくことをテーマにしている。

今回の放送は、第19回放送の続編にあたり、映画評論家の森直人(もり・なおと)と映画ジャーナリストの徐昊辰(じょ・こうしん)がいまや北米と肩を並べる産業規模となった中国の映画産業を専門家の視点から語っている。中国映画界を騒がせた「ファン・ビンビン事件」や現代の中国映画監督について紹介しつつ、直近の10年間における中国映画産業と日本映画産業の比較も語られている。

映画情報どっとこむ ralph 番組は、前回の「中国産映画業特集」のおさらいから始まり、中国の映画事情についてトークが展開されていった。
中国全土を震撼させた「ファン・ビンビン事件」について、ゲストの徐氏は、中国人の視点から解説をしている。日本での知名度とは比較にならないほど、ファン・ビンビンは中国本国では国民的スターであり、影響力が高いことが、今回の事件を決定的なものにしたと語った。また、それほどまでに中国での影響力が高くなった要因として、彼女が2010年に東京国際映画祭で最優秀主演女優賞を獲得したことが大きいと話した。

そのままトークは中国の映画業界がどう変化しているかへと展開していった。

森氏は「僕の印象としては、国際的に有名な映画祭で受賞を重ねている中国の巨匠・名匠の作品が中国では上映禁止というパターンがめちゃくちゃ多かった印象」と話すと、

徐氏は「実際はそうでもない」としつつ、中国の名監督ジャ・ジャンクーの映画を例に取り、以下のように解説した。「中国国内で上映はされていないけれど、見たい人たちは海賊版で見れるんですよ。だから、マニア達は知っています。マニア達が知っているということは業界の人たちもジャ・ジャンクーが今世界でどれだけすごい人なのかを知っている。だから、お金をかけて映画を作ろうという話になっているし、検閲ももちろん緩くなっています。」。

監督・映画の国際的な評価によって、中国国内の映画産業・上映環境が変化してきていることを実感できる例と言える。

また、森氏は2007年からの10年間の日本映画を振り返り、「2006年あたりは、日本の東宝がすごく頑張ってた時期で、洋画の興行収入を邦画が今と逆転して上回っていた“邦高洋低”の時代が始まったときだった」と解説した。ちょうどそのタイミングで来日し、それから約10年間日本映画を見続けてきた徐氏は「日本に来たとき、すごいと思った。ハリウッドと比べて、あんなにも低予算でこんなに興行収入が良い映画を作ったのはすごい。中国にも勉強すべきだと提案しました(笑)」と称賛した。

さらには、近年多く上映されている漫画の映画化について「日本の漫画と、いわゆるマーベルのコミックの一番の違いを簡単に説明すると、マーベルはみんなマスクしてるじゃないですか(笑)あれ実写化しやすいんですよ(笑)ルフィを実写化しようとするとどうしても違和感がある」と笑い混じりに話し、漫画実写化映画の新しい可能性について自論を展開した。

これに対して森氏も同調して「日本映画は1つの曲がり角に来ている気がする。10年前は撮影所システムが新しいモードで復活したように見えたが、システムが硬直してきている。『万引き家族』だって、実はインディペンデント映画ですから、そういう可能性が見え隠れしてる」とコメントした。また、今の日本映画産業の1つの突破口として是枝裕和監督の名前を挙げ、『そして父になる』(2013年)で是枝監督が映画作りをどう変化させたかの考察を語っている。

映画情報どっとこむ ralph 活弁シネマ倶楽部」は、

独自の目線で映画について切り込んでいくもので、監督、俳優をゲストに招いての裏側トークや、専門家の視点から、よりアカデミックに映画について討論するコーナーなど、“映画マニア”が骨抜きの内容だ。WEB配信での特別番組だが、引き続き定期的に配信され、今後は生配信の可能性もあるとのことで、映画好きにとっては、必見の番組だ。

次回の放送予定は第22回を4月2日(火)21:00~『教誨師』(佐向大監督)の配信を予定している。

活弁シネマ倶楽部」公式ツイッター:@katsuben_cinema

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