ジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督ファンの松江哲明監督『暁に祈れ』トークショー


映画情報どっとこむ ralph カンヌ国際映画祭の2017年ミッドナイト・スクリーニング部門にて大きな話題となり、批評家サイトロッテン・トマトでも驚異の96%(2018年8/1付け)という高評価を獲得した戦慄の実話アクション『暁に祈れ』が、12/8(土)ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町、シネマート新宿ほか全国にて大ヒット公開中です!

映画の公開を記念して、12/15(土)にヒューマントラストシネマ渋谷にて、本作を絶賛する映画監督の松江哲明さん、ライター・デザイナーの高橋ヨシキさんによるトークショーを行いました!
日付:12/15(土)
場所:ヒューマントラストシネマ渋谷
登壇:松江哲明、高橋ヨシキ

映画情報どっとこむ ralph 松江哲明監督は、本作のジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督の前作にしてリベリア反政府軍の少年兵達の姿を実際の元少年兵達に演じさせた大傑作『ジョニー・マッド・ドッグ』日本公開当時に衝撃を受けて以来の監督作品のフォロワー。

その上で、『暁に祈れ』を観た時の感想を

松江監督:『ジョニー・マッド・ドッグ』の監督の新作なら必ず観ないといけないと思っていて、観た感想はいい意味でのぐったりです。

と振り返ると、

高橋さん:監獄映画は『ミッドナイト・エクスプレス』とか色々あるけど、この映画は異常な迫力がよかった。自分では体験したくないことも沢山体験できて、「スター・ツアーズ」みたいなまさに“ライド映画”

と本作の魅力を語ります。

松江監督:『ジョニー・マッド・ドッグ』もまさにライド映画。乗りたくないけど乗っとかないといけない、疑似体験映画で本当に凄かったから、次はどんなものを撮るんだろうと待っていたんですが、『暁に祈れ』まで10年ぐらい経ってしまって。この監督はバンバン撮るんじゃなくて、自分でじっくり取材したい人なんだなと。

と両作の共通点を挙げる。

ソヴェール監督作品の特徴として

松江監督:体験した当事者に演技をさせるんですよね。

と紹介。

高橋さん:例えば『タイタニック』で船が沈没しても誰も沈んだことは実感しない。(有名な俳優など)知っている人がいることでライドの妨げになる。

と、本作で実際の元囚人を多くキャスティングしたことにより観る者が得られる“没入感”が増すことを指摘。一方で、

高橋さん:この映画に出てくる元囚人達はFacebookで探したというけど、実際はこんなに入れ墨を入れまくっている人ばっかりじゃないだろと(笑) そこはちょっと盛っているよね。

とツッコミも飛び出す。

原作者であるビリー・ムーア本人が映画のある場面に出演していることについて

松江監督:こうきたか…という。観る人には地獄のような壮絶な経験をさせる一方で、映画というものを(映画の題材である)本人にとっての通過儀礼としても捉えているんだろうなと思いました。この監督の映画はこれからも観ていこうと改めて思いました。

と熱く語る。


映画情報どっとこむ ralph 高橋さん:バイオレンスシーンの描き方は、それを嫌いと思っている人とそうでないかで差が出ます。ハリウッドではCGとかでごまかしてむしろ暴力をよしとする向きもあるけど、この映画では殴られた顔がパンパンに腫れちゃって、監督は本当に暴力が嫌いなんだろうな。

と、暴力描写の描き方を指摘。

松江監督:殴られたら本当に痛いのよと伝える意味で、バイオレンス映画を作るならこういう方向性は正しいですよね。

と同意する。さらに、実際の出来事を映画にしていることについて、

高橋さん:『ジョニー・マッド・ドッグ』もそうだけど、本当に経験した人に話を聞いてそれを演じてもらっていて、映画のセリフも含めてとても想像では描けないことが入っている。

と指摘。

松江監督:途中で話が逸れていくことがあるけどそれが本当のことだからで、それがこの監督ならではの面白さなんです。

と続けると、

高橋さん:特異な経験をしている人達は話を盛るのが本当に上手い(笑) 2作とも監督がそれを上手くすくい上げて映画にしているんでしょう。

と、ソヴェール監督のコミュニケーション能力の高さを指摘。


その上で、松江監督は主人公ビリーについて

松江監督:ビリーはまさに3歩進んで2歩下がる状態で、ちょっとずつクリアしてもまた失敗して、物語がどっちに転ぶのか分からないという魅力。実話だから死んではいないんだけど、映画を観ていてこの人死ぬんじゃないか…と思わせてくれる。そのまどろっこしさが、監督いいな…って。

とソヴェール監督をべた褒め。

高橋さん:この監督の映画は、観る側が先回りして安易なオチを考えても無駄かもしれない(笑)

と同意する。

映画情報どっとこむ ralph 最後に・・・、

高橋さん:就職、転校、誰かの結婚式、友達に誘われたクラブ…これらは言ってしまえば刑務所に入るのと同じ経験(笑) この映画の牢名主みたいな奴がいて、“ほら新入りが来たぞ”を見られる機会ばっかりでしょ? 僕らは殺伐とした時代を生きているんです。

と持論を展開。

松江監督:自分の身にもしも何かあった時に、この映画を観たことが活きてくるかもしれない。この映画は“どんな状況でもやっていくしかない”映画。映画がそれを描いてくれていると、それに感謝する時が来るかもしれないですね。

と同意した。

映画情報どっとこむ ralph 汚職や殺人が蔓延し“地獄”と呼ばれる実在のタイの刑務所に服役し、ムエタイでのし上がっていったイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝ベストセラー小説を完全映画化。

地獄に落されたアウトローが人間性をはく奪されながらも、ムエタイを通じて光を見出していく、さながら監獄版「あしたのジョー」のようでありながら、<撮影場所は本物の刑務所><キャストのほとんどが本物の元囚人><クライマックスは約3000人の囚人エキストラが集結>など、ヤバい注目作です!

『暁に祈れ』
原題:A Prayer Before Dawn

公式サイト:
http://www.transformer.co.jp/m/APBD/ 

TWITTER:
@APBD1208

ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町、シネマート新宿ほか全国大ヒット順次公開中!

【ストーリー】
ボクサーのビリー・ムーアは、タイで自堕落な生活を過ごすうちに麻薬中毒者になってしまう。ある日、警察から家宅捜索を受けたビリーは逮捕され、タイで最も悪名高い刑務所に収容される。そこは殺人、レイプ、汚職が横行する、この世の地獄のような場所だった!死と隣り合わせの日々を過ごすビリーだったが、所内に設立されたムエタイ・クラブとの出会いが彼を変えていく。ベストセラー自伝小説をベースにした真実の物語。

***********************************

監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール『ジョニー・マッド・ドッグ』
原作:ビリー・ムーア「A Prayer Before Dawn: My Nightmare in Thailand’s Prisons」
出演:ジョー・コール『グリーンルーム』「ピーキー・ブラインダーズ」、ヴィタヤ・パンスリンガム『オンリー・ゴッド』、ソムラック・カムシンほか
2017年/イギリス・フランス/英語、タイ語/シネスコ/117分
日本語字幕:ブレインウッズ
提供:ハピネット+トランスフォーマー  
配給:トランスフォーマー
© 2017 – Meridian Entertainment – Senorita Films SAS 

関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
 にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ